自動車メーカーが本気でチューニングを行うと、それは美学。


昨日に引き続き、今日の話題もnismoスペシャルエディション。
お客様宅より引き取ってきた理由は、メンテナンスではなく“車両買い取り”でした。
新車価格2700万円ほどですが、去年はプラチナプライスとなり6000万円で取引が行われていたモデルです。
流石に24モデルの発表があり相場は落ち着きを取り戻したタイミングでしたが「買い取ってくれない?」と声をかけていただき、特に査定に伺うこともなくオーナー氏の言い値で引き取ってきました。
ですので、僕がマジマジとnismoを見るのは今日が初めてなのです。
付け加えるならば、駆け引きなし商談が出来るのは、オーナー氏とDAYTONAの信頼関係があるから。ということです。



そもそも2700万円もする車が入庫すること自体が珍しいので、洗車を終えた後はリフトで車体を持ち上げ観察を行いました。
とにかく車体のアチラコチラにカーボンファイバーが多用されていて、下回りのアンダーカバーやブレーキダクトに至るまでカーボンファイバーです。


ボディはドアとリアフェンダーを除いてカーボン製。



内装もセンターコンソールをはじめ、RECAROシートのバックフレームも全てカーボンファイバー。
正直、ため息が出るほどの贅沢な作りです。
これが高級輸入車なら、オプション代だけでも1000万円は優に超えることは容易に想像でき、個別コストはわかりませんがnismoスペシャルエディションを購入できる人ならば、本当にバーゲンプライスです。


エンジンも通常のGT-Rとは異なり、フルバランス取りが行われ、GT3ターボチャージャーを搭載し600馬力をマークしています。
プレ値云々はおいておいて、争奪戦になる程人気が出た理由は、クルマを見れば誰もが納得するはずです。 
車好きなら誰もが心を奪われることでしょう。

積載車で出かけよう。


久しぶりに”積載車”に乗って県外まで行きました。
DAYTONAでは平成19年から10数年間 積載車を保有していた時期はありますが、今回はレンタカーでの出動です。

ほんと10年ぶり位に積載車を運転しましたが、当時は積載車に乗るといえばオートポリスへレースへ行くか、県外のお客様宅へ納車へ行くか等。 今日は片道1時間強の道のりででしたが、当時の懐かしく楽しい記憶が沢山蘇ってきました。 
当時はお金があんまりなかったので、好きなところを選んでいくことはできず、代わりに県外納車=旅行のようなものでした。 
鹿児島へ納車に行った際に宿泊した旅館では、夕方になると中居さん達がお客様を出迎えていますが、僕たちがトラックでやってきたのに驚いて、また当たり前ですが旅館には乗用車用の駐車場しか完備しておらず、急遽に従業員用の駐車場へ案内されたことを思い出していました。 裕福ではなかったけど、何をしても楽しかった。そんなことを考えながら運転していました。


想い出に酔いしれてるうちに目的地へ到着です。
輸送する車は2022モデル GT-R nismo スペシャル・エディション。 製造は約300台程度。 専用のフルバランスエンジンやボンネット/トランクそしてルーフまでもカーボンファイバー製の、その名の通りnismoスペシャルGT-Rです。


オーナー氏いわく、半年ほど動かしていなかったとのことでしたから、入念に洗車を行い簡単にチェックを行いました。



初めてマジマジと目の当たりにしましたが、各部作り込みも相当凝っていて、さすがスペシャルな仕様だけあります。
シフトシェンジの早さも抜群で、標準車とは全くの別物です。

RZ34もnismo仕様の話がチラホラ聞こえていますが、どのような仕様になるものか。
さすがにココまでのスペシャルは求めていませんが、どちらにしても搭乗を楽しみにしています!



しなやかに、走る


DAYTONA レストモッド STEP 1.5 Pro
ワインディングをかっ飛ばす事が大好きなZ33オーナーさんが、サスペンションブッシュの交換を依頼してくれました。
使用するブッシュは、オーストラリアでも定評のあるSuper Proポリウレタンブッシュです。
同社のポリウレタンブッシュはスチール製の中芯とブッシュが別体構造となっている為、純正でありがちな可動角度が深角になるにつれ生じる”タワミ”がなく、また素材そのものがポリ
ー素材ですから耐久性と剛性もあり、ストリートチューンドカーに相応しい強化ブッシュです。


各部コントロールアームの支点であるブッシュを、ほぼ全て交換する事ができますので、これまでとは異なる低フリクションな動きを楽しむ事ができます。


また今回の案件では、相当なハイグリップ・ラジアルタイヤPROXES R888Rを装着されていたこともあり、ブレーキング時のジャダリングを抑制するためにテンションロッド部には”あえて”Super Proを使用せずに、モノボール構造のZ1 ハイブリッドテンションロッドを使用しました。

サスペンションメンバーブッシュ交換準備


リアメンバーを降ろしました。


最も酷かった運転席側後部のブッシュは上部まで破損していました。
基本的には4箇所全て痛みが酷く、1990年から使用していると考えれば使用期間は33年ですので、非常に”良く持った”かと思います。


リアメンバーが降りたことにより、シャーシの点検などもやり易く、ボディの腐食やクラックの発生が無いか点検を行います。


先に33年持ったブッシュだと書きましたが、この時代の日産車は本当に作りが良く、シャーシから伸びたメンベー固定用のボルトを見てください。
錆1つなく新品そのものです。 当然交換歴はなくオリジナルの状態ですが、メンバー〜シャーシの隙間から雨水等が侵入しないよう設計されている為、
全くのノーダメージです。 反面、Z33などは酸化の影響で白錆の発生が多いです。 今回気がついたこともありますので、目が届かない箇所にも気を配るようエンジニアに指示を行いました。

駆動力を支えるのは4箇所


車検で入庫したGCZ32の車両下部後方。
一見すると何の異変もありませんが、実はサスペンションメンバーブッシュににダメージを負っています。


Z32に限らずZ33/34も同様に、サスペンションメンバー〜シャーシは4箇所のボルトでマウントされており、NVH向上のため巨大なグリス注入型ブッシュで保護されています。
が、当然ストレスも相応に生じる箇所であり、経年劣化でブッシュは裂けグリスが漏れ出しています。
また、日産自動車からはすでに供給が終了して(ツインターボ 4シーター)いますが、Z33/34のデフマウントブッシュで定評のあるWHITELINE AUより、専用ブッシュがリリースされていますのでブッシュ交換は可能です。
巨大なサスペンションメンバーを着脱し、その後油圧プレスで圧入を行う重作業となりますが、復元できる可能性や、最終定価約15万円の部品代を考えると、悲しみよりも喜びの方が勝るのはある意味当然の結果です。

VQ35DE AT向けアルミラジエター発売開始


DAYTONA Racing オールアルミ製スポーツラジエター Z33 VQ35DE(前/中期) 定価78,000円~128,000円
チューンドカーへの熱交換器として大容量ラジエターの存在はありましたが、Z32以外は不思議とご用命頂くことも少なく長らく手を付けることの少ないアイテムでした。
しかしながら、スーパーチャージャーやメカチューンの顧客さんは少なくはなく、また2年前に組んだフルチューンZもオーバーヒートにヤラれてしまい、今回ラジエター強化に踏み出しましたが驚くほどにAT車対応のラジエターがありません。
一般的に、AT車用のラジエターはロア(サイド)タンクにATF暖気&冷却用のラジエターが備わっており専用のものとなっています。


国内外を探しましたが見つからず、KOYOレーシングのサプライヤーへ相談したところ、ATFクーラーを新設してくれることになりました。


ロアタンクを切開し、純正と同じ位置へクーラーを新設します。
クーラーは汎用品ではなく、Z33純正ラジエター用の補修部品です。


そのため、取り出しのニップルも純正位置に来ますので、ファンシュラウド等の追加工も必要なくボルトオン装着が可能です。

ブレーキチューニング


Brembo │ GT Monoblock 6-Piston フロントアップグレードKIT
4月頃から一般納車が始まると言われているRZ34フェアレディZ
いまだ街中で見かけることは皆無に等しいのですが、この1ヶ月ほどで徐々にではありますがパーツのお問い合わせが増えてきました。
どこから触り始めるか?を検討するのは楽しい時間ではありますが、なかでもブレーキに関するお問い合わせをいくつか頂戴しました。

Q1,STDグレードですが装着可能ですか?
A1,もちろん可能です。 しかしながらAkebono用アップグレードブレーキとして開発されていますので、ディスクローターはAkebono355mmを別途ご用意いただく必要があります。

Q2,Ver STです。 フロントのみ6POT化を行い、前後バランスは悪化しませんか?
A2,Bremboでは当然ながらバランステストを行いキャリパーサイズやディスクパットコンパウンドを選定しています。 フロントが効きすぎるということはありません。

Q3,後々オーバーホールなどはできますか?
A3,もちろん可能です。 出荷する全てのキャリパーはBrembo Japanにて管理されています。 ご安心ください。

Z34でも同じ状況でしたが、よりパワーが上がったRZ34では正直なところブレーキ容量がエンジン出力を抑えるだけの力はなく、乗ってみたらわかりますがハードなブレーキングを何度か繰り返すと、あっという間にフェード気味になります。
もちろん、ディスクパットで調整を行うのも一つの方法ではありますが、それよりもキャリパー面積を十分に確保してあげることにより、結果として発熱温度を抑制しディスクローターへのダメージも最小限になると考えています。
せっかくの純ガソリン車最後を飾るRZ34. ブレーキチューニングは安全に遊ぶための第一歩かもしれません。


スタンスマガジン 取材


先日スタンスマガジンの取材が行われました。
「Z33/34揃ってスタンス層には人気の車種でしたので、RZ34もその勢いのまま読者層に受け入れてもらいたい」
と編集部からのオファーを頂戴し、現時点でリリースしているアイテムや、進めているプロジェクトのお話をさせてもらいました。


東京オートサロン時からの変更点は、エンジン系を若干チューニングテストを行い、あとは肝心のSACLAMを首を長くしまっている状況です。
現在デモカーに装着しているSACLAMをお聴きになった方はわかるでしょうが、従来型Z34を多少モディファイしたくらいでは、純正エキゾーストを確実に下回る音色にしかならず、かといって音質を追求してゆくと騒音値を軽々とオーバーしてしまうという、非常に厄介な法令と理想の狭間で難航しています。
ですが、ある程度出口も見え始めたエキゾースト開発。 快音を耳にできるのは時間の問題かもしれません。
その他、スポーツECMやCFRPエンジンカバーなど。 徐々にではありますが、お問合せの動きが見え始めてきました。