全ては消耗品 VTCソレノイド交換。


現在進行している、nismo 380RSのエンジンオーバーホール。
基本的には、ピストンを含む消耗部品の交換でプランを組み立てていますが、モノがエンジンなだけに開けてみないと解らないことも多数ありますが、
まさかの事態が起きたのはVTCソレノイドでした。


VTC作用角の司令を行うソレノイドバルブ。
VQ35HRのVTCソレノイドに関する情報は話には聞いていましたが、摩材の20%ほどは消え去っており、また このような事態になっているとも想像できず「よくこの状態で動いていたよな」と驚きます。


逆バンク側は更に酷く、95%ほどは無くなっています。
当然ながら正しく作動するはずもありませんので、これを機に交換します。

VTCプーリーは電磁クラッチの役割を持っており、その入力した信号をVTCプーリーへ伝達する大きな使命を持っています。
走行時のエンジンハンチングや、出力不足など走行性能機関わる重要なパーツの1つです。
エンジンオーバーホールと絡めてでは無くとも、VTCソレノイドの交換は車載状態でも行うことができるため、少しでも気になるならばASSY交換をお勧めします。

スポーツ ファイナルギア


Z33後期型へ、DRM(DAYTONA REST&MOD) │スポーツ ファイナルギア 4.08を組み込みました。
ファイナルギア=最終減速ギアを意味し、ミッションから出力される回転をタイヤへ伝えるドライブシャフトの回転数をコントロールしています。
ファイナルギアの値が小さいほうがハイスピード型 逆に値が大きくなるほどトランスミッション上での自由度が高くなります。
よほどの最高速重視等で無ければ、ファイナルギアの値が大きいほどミッションの吹け上がりが良くなりクロスレシオ化されるという美味しい利点があります。


ただ、組み込みには相応の熟練したメカニックの知識や経験 当然ながら適正値を把握しておく必要があります。
デイトナでは、歯あたり、バックラッシュ(噛み合い調整)に相当な時間を使い調整を行っています。
歯あたりが強ければギアの摩耗 逆に弱ければ異音が発生しやすく、調整は非常にシビアです。 
ですが、そこは数多くの経験を持つデイトナ。 手持ちのシムも豊富にご用意していますので、個体差の大きな車両においても問題なく作業をこなし、スポーツファイナルギアを組み込んだZは吹け上がりが良く、ごきげんな状態で納車いたします。

380RS純正採用ピストン


PISTAL RACING │ 鍛造ピストンキット - Nissan フェアレディZ Z33 NISMO Type 380RS
今から17年前 当時のプロダクションレース用に開発された380RS-Cのエンジンをベースに、ストリート仕様へとリファインされ300台限定で販売が行われたのがNISMO 380RSです。
その名の通り3800ccもの排気量を持つエンジンはVer.nismoのVQ35HRをベースに、専用ピストン、コンロッド、クランク、カムシャフトを持ち350馬力を簡単にマークしました。
当時の資料によると、リペアパーツは用意されていたものの、エンジン内部等の細かなパーツは存在せず、エンジンASSYでの供給となっていました。
ですが、それは17年前もの話。 今となっては販売元である日産自動車からのエンジンASSYの供給もなく、380RSユーザーはメカニカルトラブルが生じないことを願うばかりでした。

そもそも300台と生産台数が少なく、またメカニカル・オーバーホールを必要としない380RSが多いため、デイトナにおいても過去にエンジンに関する案件がなかったことで、これまでにも詳しく調べたこともありませんでした。
しかしながら実際に案件を頂き、調査をしていくと本当に何の部品も出ないことに驚きました。 各種消耗部品に関してはHRエンジン用を使用することはできるようですが、ピストンリングに関しては専用設計であるため、
私達はピストンサプライヤーを調た結果、イタリアに本社を置くレーシングピストンメーカー"PISTAL RACING"と判明しました。

PISTAL RACINGは、アルミニウム合金2618(Al-Cu ex RR58)と鋼合金をベース素材に、ミルスペックAクラスにて製造が行われた後、ピストンスカートにソリッドステート潤滑コーティングが行われています。
設計〜製造に至るまで自社で行われており、強度が高く非常に信頼性のあるピストンメーカーとして知られています。

早速PISTAL RACINGへ連絡を行い、380RS純正ピストンの画像やサイズ等のデーターを送り、リペア・ピストンの供給が可能か打診しました。
その後協議を重ねた結果として、nismoの刻印がある同一ピストンではなく、類似した互換性のあるピストンを供給してもらえることになり、
あわせてピストン交換までは必要としないユーザーさん向けへ380RS純正ピストンへ対応できるピストンリングも入手することが出来ました。

弊社顧客さんを始め、日本に現存する380RSオーナーさんが、少しでも380RSを良い状態で維持できるお手伝いをさせていただけましたら幸いです。

380RSオーバーホールを開始します。


nismo 380RSのエンジンオーバーホールを行います。
とはいえ、エンジン内部のスペシャルパーツの一切はnismoからは供給されていないどころか、nismoでさえも入手困難との話を聞き、
世間でのオーバーホールはどのように行われているのか、数社へ訪ねてみましたが「部品は供給されていないので、洗浄して組み直しを行いました」とのこと。
たしかに、ダメージが無くメンテナンス的なオーバーホールならば”それ”で十分に対応できます。
メタルに関してはHR用のグレードをいくつか集めたら対応できそうな雰囲気で、ガスケット類もHR用がそのまま使用できそうです。
ピストンリングは交換したいので、色々と調べていたところ製造元までは判明しましたから、現在は製造元へピストン及びリングを供給してもらえないか打診しています。
上手くいくようであれば、300基製造されたと言われる380RSオーナーさん向けへ良い案内ができるかもしれません。
まずは、手元にある380RS これをキチンとメンテナンスすることを優先してゆきます。

新チューニング用語「ととのう」


同業者さんからご依頼のDAYTONA SPORTS ECM。
車はフェアレディZ Z33HRでした。
大きな剥き出しタイプのエアクリーナーが2機装着されており、時々DTCエラーが点灯するとのお話でした。

早速UpRevで通信し、DTCコードを読み出すも”記録なし”。
オーナーさんのみ間違えかも?ということで完結しようとしていましたが、アイドリングも苦しそうに安定しきれない様子でした。
少し気になったのでデータロギングで現状の車両値を確認すると、空燃比は一般的には14.5付近のはずが現車は16.5付近を示しており明らかに燃料が不足していることが判明しました。

当然ながら原因としては、吸気量が多すぎて燃料が薄まってしまい、結果として全域で酸欠ならぬ燃欠状態となっていました。
通常、VQエンジンはフィードバック能力が高く、コンピューターが意図する空燃比まで自動で追従する仕組みとなっていますが、あまりにも大きな変化には対応できません。
結果として、ほぼ全域で純正比10%ほどの燃料を送り込むことにより、ようやく常識的な空燃比となりました。

内燃機というものは、燃料が薄いほうがエンジンは軽やかに回転しフィーリングは上がりますが、薄すぎるとエンジンブローの危険性があります。
逆に濃い場合は、エンジンは重たくなりますが破損のリスクは回避され、点火タイミングとの組み合わせにより出力は向上してゆきます。
そのバランスを整えるのがチューニングであり、車を正しい方向へと導く事を指しています。

しなやかに、走る


DAYTONA レストモッド STEP 1.5 Pro
ワインディングをかっ飛ばす事が大好きなZ33オーナーさんが、サスペンションブッシュの交換を依頼してくれました。
使用するブッシュは、オーストラリアでも定評のあるSuper Proポリウレタンブッシュです。
同社のポリウレタンブッシュはスチール製の中芯とブッシュが別体構造となっている為、純正でありがちな可動角度が深角になるにつれ生じる”タワミ”がなく、また素材そのものがポリ
ー素材ですから耐久性と剛性もあり、ストリートチューンドカーに相応しい強化ブッシュです。


各部コントロールアームの支点であるブッシュを、ほぼ全て交換する事ができますので、これまでとは異なる低フリクションな動きを楽しむ事ができます。


また今回の案件では、相当なハイグリップ・ラジアルタイヤPROXES R888Rを装着されていたこともあり、ブレーキング時のジャダリングを抑制するためにテンションロッド部には”あえて”Super Proを使用せずに、モノボール構造のZ1 ハイブリッドテンションロッドを使用しました。

VQ35DE AT向けアルミラジエター発売開始


DAYTONA Racing オールアルミ製スポーツラジエター Z33 VQ35DE(前/中期) 定価78,000円~128,000円
チューンドカーへの熱交換器として大容量ラジエターの存在はありましたが、Z32以外は不思議とご用命頂くことも少なく長らく手を付けることの少ないアイテムでした。
しかしながら、スーパーチャージャーやメカチューンの顧客さんは少なくはなく、また2年前に組んだフルチューンZもオーバーヒートにヤラれてしまい、今回ラジエター強化に踏み出しましたが驚くほどにAT車対応のラジエターがありません。
一般的に、AT車用のラジエターはロア(サイド)タンクにATF暖気&冷却用のラジエターが備わっており専用のものとなっています。


国内外を探しましたが見つからず、KOYOレーシングのサプライヤーへ相談したところ、ATFクーラーを新設してくれることになりました。


ロアタンクを切開し、純正と同じ位置へクーラーを新設します。
クーラーは汎用品ではなく、Z33純正ラジエター用の補修部品です。


そのため、取り出しのニップルも純正位置に来ますので、ファンシュラウド等の追加工も必要なくボルトオン装着が可能です。

VQ35DE オーバーヒート修理


DAYTONAファクトリー2では、オーバーヒートを繰り返してしまったVQ35DEの修理をおこなっています。
ハッキリとした原因は現段階では調査できていませんが、それでもラジエターから吹き返しがあるため少なくともヘッドガスケット抜けや歪みが考えられます。
そのため、保有していたノーマルエンジンへと換装を行います。
オーバーヒートしてしまったエンジンは分解を行い、原因を追求してゆきます。
ラジエターファンは問題なく稼働していましたので、非常に不思議なオーバーヒートです。

BellusMare ワイドボディKIT


普段より仲良くしてもらっている、ご近所のBellusMareさん。
火曜日に来社していただき、これからのパーツ販売展開等のミーティングを行いました。
東京オートサロン期間中にも色々と相談を受けていましたが、BellusMareの1つの姿勢として自社販売施工を続けていましたが、作業を自社で行い 問題があれば修正を行い改善を繰り返す中で、素材としてではなく部品として提供する準備が整ったということで、DAYTONAは喜んで販売協力正規代理店として取り扱いをスタートすることにしました。

見る人が見ればわかるでしょうが、やはりPORSCHEを強く思わせるデザインは、昨今のブリスター風ではなく70-80年代のワークスレーシングを意識したデザインです。
フロント80mm リア120mm張り出したフェンダーに、フロント、サイドはダウンスタイルですので、グッとくるフォルムを持っています。
是非ともオーダーのほど、お待ちいたしております!

空気は不足していませんか? 予防整備やリペアとしても使える新アイテム。


DAYTONA Racing Big throttle ver.3 For Z33 VQ35DE 72,800円
新バージョンのビックスロットルは75.0mm仕様の大口径です。
従来型は純正スロットルボディをボーリングし組み直しをしていましたが、さすがに最古では20年前の電子部品ということもあり再利用はお互いにリスクを伴います。
その点、新バージョンのスロットルは、純正供給メーカーでもある日立Astemo製の新品ボディを使用し、ブラケットで位置合わせを行っていますので基本的にボルトオンで装着可能です。
本来ならば、吸入空気量の増加に伴いECMのリセッティングを推奨しますが、DAYTONA SPORTS ECM装着車両ならば、最もトルクがのる4000rpm付近の燃料をリッチ(濃いめ)へ設定していますので、書き換えなくとも十分なパフォーマンスを発揮します。
中期モデルの車両については車両にワイド空燃比センサーが標準で備わっていますので、コンピューターの自己学習領域で自動補正に任せるのも一つの手です。

搭載


新VQ35DEエンジンが搭載となりました。
チューニング系オーバーホールではないので内部強化はしていませんが、それでもネジ1本に至るまで新品というのは気持ちがいいものです。


オーナー氏からの要望にあった追加メーターで使用する水温センサーの配置も、一般的なクーラントホースを切ってアダプターを割り込ませる手法ではなく、
エンジン背面にあるクーラントパイプへマウントすることにより、”アトヅケ”感をな無くしきれいな処理にしています。
来週にはエンジンに火が入り納車となりそうです。

見えないトラブル


VQ35DEモーター交換の作業は順調に進んでいます。


エンジンを取りはずすと、見事なまでに2つに割れてしまっているマウントを発見しました。
当然ながら要交換となりますが、車載状態では絶対に見つけることのできないトラブルも、エンジンを降ろすと見えてくる異常。
極端な話、これだけでもエンジンを降ろした甲斐はあったものだと思います。

新品エンジン


VQ35DE新品エンジンをファクトリー2へ移送しました。
補機類等は何もついていない状態ですが、タペットカバーやボルト1つに至るまですべて新品というのは気持ちがいいものです。
早速換装作業へ着手します。

VQ35DE新品エンジン換装


来週末よりZ33VQ35DEエンジンの交換作業が始まります。
オーナー氏によると、一度オーバーヒートしたらしく冷却水の吹き替えしがあるとの連絡をいただきました。
当初はオーバーホールで検討されていましたが、オーバーヒートの場合ブロック、ヘッド共に面研等での調整が必要になること。 場合によってはエンジンが再利用できないこと。 ユーズドベースにするとしても信頼性がないこと。
逆にDAYTONAに新品エンジンが有ること。様々なご提案をさせていただいた後に、新品エンジンへの換装が決まりました。
工賃を稼ぎたいだけならオーバーホールが最もいいけど、実際に支払う金額と品質を考えると最も工数の少ないエンジン換装となります。 しかしながらペイバリューに優れているのは事実です。

HKS GT2スーパーチャージャー とりつけ


旧HKS GT7040スーパーチャージャーからGT2へアップデートです。
基本レイアウトはGT7040と全く同じ。 インタークーラーやパイピングまでも、ほぼ同じなようです。


ただGT2はブラック・アウトされたスーパーチャージャーであるので、ひと目で旧型との相違はわかります。
主のアップデートはシールやベアリングなどの消耗品がメーンになりますので、爆発的なパワー向上は望めないかもしれません。
とはいえ最新テクノロジーで組み上げられたGT2 には期待せずにはいられません!
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