T千穂にてSさんと次々回練習する曲について話す。Sさんはヘビメタ好きで、とくにメタリカが好きである。先日ネットのニュースで、アメリカ軍が中東だかの捕虜に対し、メタリカを聴かせるらしく、メタリカがそういう使い方はやめるよういった。というのを見て笑ってしまった。「どうりでSさん精神力が強いはずだ」。「そうですか?」。どちらかというと冗談が通じないタイプである。“誰が精神力の強い奴と酒なんか飲むかよ”。 私としてはごく単純に、12小節のブルースやロックン・ロールがやれさえすれば良いのだが、Sさんはヘビメタだし、Yさんはフォークかビートルズで、二人ともブルースやロックン・ロールを知らない。そこで私としては今の所「あなた達の好きな曲でいいよ」。と物わかりの良い年上を演じている。1曲目はビートルズ好きのYさんが遠慮しているのを察し『ゲット・バック』を提案した。時間をかけて、こちら側に二人を連れてくるためには焦ってはいけない。どうぞと譲っていれば、いずれ石塚さんの好きな曲を、ということになるであろう。 ダチョウ倶楽部を見ていれば判る。 Sさんがマイケル・シェンカーというギタリストについて熱く語る。私は白黒のフライングVを弾いていたことしか知らない。「Sさんが弾けるならいいよ」。「無理です」。このギタリストは昔UFOというバンドにいたらしい。私は中学生の時ヒットしたUFOの『カモン・エブリバディ』というシングルレコードを持っていたというと、リアルタイムだったんですかと驚いている。彼には歴史上のことらしい。そういえば正月に『ウッドストック』のDVDを観せた時、ザ・フーの『サマータイム・ブルース』に反応していたが、どちらも1960年に21歳で事故で亡くなったロックン・ローラー、エディ・コクランのヒット曲である。急に目を輝かせたSさんはカモン・エブリバディが入っているCDを持ってくるので聴いてくれという。飛んで火に入る、とはこのことである。思いの外早い展開である。Sさんは歪んだ大きな音さえ出させておけば満足のようである。御し易しとみた。私に見合うヘタクソな中年を集めるのは大変である。なだめたりすかしたりしながら焦らずいこう。
去の雑記
HOME