動物番組を観ていると、自分を狙っている何かがいるのに、気付かないのか、捕らえられ喰われる動物がでてくる。たとえば蛇に喰われるカエルなど。 眉間にしわ寄せて苦しんだりせず、無表情でただ遠くを見ているようで、餌としての役割を覚悟して自ら喰われにいっているように見えたりする。 酒場には、シラフでは家に帰れない男達で溢れている。終電ギリギリまで粘り、家での滞在時間をできるだけ少なくしようとしているかのようである。盛り上がってはしゃぐほど、厄介なことの大きさを感じさせるが、私が夏の虫であったなら、火に入る前はあんな飲み方をするであろう。 しかし謎なのは、そういう男達が、家庭内の厄介な物の話をしていながら、そんな状態がマンザラではない、と薄笑いを浮かべていることである。謎のジャパニーズスマイルの中でも不可解さでは一番である。家にいる厄介な物といえば、殺虫剤で解決できる程度の物しかいない私としては不思議でならない。もっとも、こんなことを不思議がっているから、私の顔を見たフィリピンパブのフィリピーナに「苦労ガ足リナインジャナイ?」といわれてしまうのであろう。 恒例の花見をする予定だったSが腹を壊して中止になった。 カミさんと電話しているのを見ると“電話の向こうにいるのはパットン将軍か?”と思うSである。彼はサービス心旺盛な男なので、おそらく作り話だと思うが?家で奮闘努力をしなければならない時は、憲兵が中国娘を犯しているところを想像する。といって爆笑させてくれた。そのイメージも効力を失って久しいようであるが、奮闘努力を強いられる気配を察すると、どさくさに酒を飲んでしまい、おかげで今日は奮闘努力できません。とアピールするそうである。前回会ったときは、将軍の「奮闘努力できるの~?」の一言で、以来、まったく奮闘努力できなくなってしまったといっていた。加えて不可解なのは、そんな状態なのに、かえって開放感さえただよわせ、奮闘努力できなくて良かった、という空気さえ漂わせているころである。昔からブルース歌手は男性と決まっている。 だらだら書いていたら、よくあることであるが、強風にあおられた気球のように、書き出しと関係ないところに着地してしまった。“餌としての役割を覚悟して自ら喰われにいっているように見える動物”の話をしようと思っていたのだが。
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