明日できること今日はせず
人形作家・写真家 石塚公昭の身辺雑記
 



刺青見学も三回目である。すでに太腿から腰の上まで進んでおり立体感が大分でていた。本日印象的だった彫Sの話は、昔は人間の体液の匂いが耐えられなくて、慣れるのが大変だったそうである。彫りながら紙でインクを拭き取るのだが、たぶんこれもそういう匂いがするという。好奇心旺盛な私だが、どれどれ、と目の前に横たわっている女性の体液を嗅ぐわけには、さすがにいかない。彫られている女性は、これが終わればおしまいにするという。しかし、しばらくするとまた入れたくなるものらしい。その時は止めてくれるよう彫Sにいってあるそうである。最後に終わった部分を撮影しておくのだが、リンパ液だろうか、ヌラネラとしたものが滲みだしていた。 そのまま銀座に行き、伊東屋で河童に塗る絵の具を買い、K本に寄る。常連席は一杯。帰ろうとすると、それ以外の席は空いているではないか。そこから見ると常連は、狭い所でなにもそんなにカラス貝のようにカタマっていなくても、と見える。 体調を崩している父親の代わりにT屋を手伝っている長男が飲みにきて、今オヤジがいる、というのでみんなで行ってみると、すでに休んでいた。先日長女のAちゃんが婚約したというガセ情報のネタ元は、この長男である、なにしろ近所で大蛇を見たというのだから、姉さんを婚約させることぐらい朝飯前であろう。カウンターには、ここのオヤジと一緒に、前の川でカワウが大ウナギを丸呑みしているのを見たといいはる◯さん改めK2さん。 昨年房総で撮影したカットに、娘が脱いだ足袋に河童がかくれ、娘たちを盗み見している、というのがある。ヨーカ堂で足袋を買って持っていったのであるが、脱いだ足袋にしては新品に見える。こういうことは完成に向かいつつあると気になってくる。T屋のかみさんに足袋を借りた。このかみさんは近所で河童を見たといっている。私にいわせれば、大ウナギを見たオヤジに河童を見たかみさん。そして大蛇を見た長男。なぜ家族としてそのことについて話し合わない。といいたいが、五人も子供のいる大所帯。家族関係を保つためには、あきらかにせず知らないフリも必用なのであろう。 本日は帰宅後仕事をするつもりが飲み過ぎてしまった。長女のAちゃんが大ウナギを丸呑みしているところを想像しながら帰った。

過去の雑記

HOME



コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )