明日できること今日はせず
人形作家・写真家 石塚公昭の身辺雑記
 



河童の三郎、快調に撮影進む。曇天の天気がそのまま使えるので有り難い。三郎は作らなければならないのはあと三体程だが、それも遠景で飛び去る後ろ姿だったりマテ貝にしがみ付いていたりと、実物大である必用のない物や杉の古木の陰から顔だけ出し、青ミミズのような舌を出しているところなど、それも全身を作る必用はない。あくまで予定であるが、来週中には柳田國男の翁とのツーショットを、およそ3カットが完成するであろう。 写真作品と違って書籍となると、画像を切り抜いて単色の背景に配し、リズムやメリハリを演出することも必用であろう。特に河童と柳田は背景を用いず、黒バックに切り抜きにして象徴的に扱ってみたい。誰も邪魔されない2人だけの世界である。完成したその日のブログのタイトルは“やっと逢えたね”とでもしてみたい。三郎は柳田に土下座のしっぱなしである。 黒バックの他には編集者の意向で赤を使う予定である。そこで思いだしたのが中学生の時に映画館で見たホラー映画である。殺人鬼を演じたのはジェイソン・ロバーズだった気がしたが、検索しても出てこないので違うのかもしれない。その映画は恐怖シーンの前に画面に警告が出て、警告音とともに画面が真っ赤に点滅した。たとえば捕らえられ列車の手すりに手錠でつながれた殺人鬼が、斧で自ら手首を切断して脱出する。その斧を振り上げた途端、警告が出る。 三郎が貝の穴に隠れていたところを、旅館の番頭にステッキで“カッポジラレ”て腕を付け根から折られてしまう。「痛い、疼い、痛い、疼いッ」。当初暗い穴の中を想定していたシーンだが、警告ではないが、赤バックで三郎の痛さが出ないだろうか。これが事件の発端となり、三郎は鎮守の杜の姫神様に仇討ちを願いでる。

 

過去の雑記

HOME



コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )