午前中にそういえば、と川口で鍛造をやっている友人に制作を依頼する刃物の件で、電話しようと携帯を手にする。これはなくてはならない重要な物である。都合の良い形状の物は売っているとは思えないので特注するしかない。刃物が重過ぎて、思ったような動きはしないだろう、という友人の意見に対し、予定を少し変えるから大丈夫。と連絡しようと思ったのであったが、携帯を開こうとしたところで、友人とはそんな話をしていないことに気がついた。つまり夢の話であった。私の夢は、シチュエーションや出演者は突拍子もない場合が多いが、私自身は私がいいそうなことしかいわないし、やりそうな事しかしない。死体の隠し方や逃走の仕方もいかにも私らしい。それにしてもである。確かに友人に依頼する件に関して、頭を悩ませた記憶がある。結果的に解決策も見つかり一件落着。こんなことは始めてである。 友人に電話をしてしまった場合、どこで気がつくかによるが、いずれにしても相当恥ずかしい。最悪、全部話した後に気がついたら、「なんて夢見ちゃって」。と誤摩化したとしても、電話して来た用件は、まさかその夢のことじゃないだろ?と彼は思うに決まっているから、その代わりになる話題を提供しないとならない。しかしわざわざ休日の午前中に電話をする用事は何もないのであった。
『世田谷文学館』展示中
過去の雑記
HOME