明日できること今日はせず
人形作家・写真家 石塚公昭の身辺雑記
 



例によって完成したといいながら若干迷走をした頭部も、もういいだろう。といえるまでになった。 切迫感を演出するため、残された写真に記録されていない、血管を加えようか、迷っている。これは黒人シリーズ時代に多用したが、ニコリともしない男達に緊張感をもたらす。いってしまえば怒った場合の、赤塚不二夫のこめかみのドイツ軍のマークみたいな物と一緒である。あれも浮き出た血管を簡略化したものであろう。こめかみには重要な神経が集まっているのだろうか。下町の女将さんが膏薬を貼れば、ただちに子だくさんの生活苦が想像されるし、自殺した80メートルハードルの依田郁子が塗ったサロメチールも、スタートの緊張感を増したものである。 ただ着衣ならともかく、肝心の顔に記録されていない物を加えるというのは決心がいる。かといって取り外し自由というほど大げさにするつもりはない。表情の違う、血管付きバージョンを作るのが良さそうである。 以前も書いたが、この人物。血管が浮き出て当然なほど酷い目に合う。目も充血させることになるだろう。数作品で鎖につながれる可能性もある。書いてる方は人ごととしてペンを走らせていただろうが、私にかかると当事者になってしまう。これが作品に比して、とてもこんな作品を書くように見えない人物では画にならない。もっとも江戸川乱歩の場合は、どんな場面でもひょうひょうと登場させて可笑し味を出してみたのであったが。 

『今作っているのは誰でしょうクイズ』。本日は少々ヒントを出し過ぎ、すでに間違った答えをいただいた方々には申し訳なかった。トップページのメールから件名クイズでお答え下さい。正解者七名の方にポストカードサイズのプリントをお送りします。抽選の結果、改めて送付先を伺います。土曜の夜12時まで。

『世田谷文学館』展示中

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