明日できること今日はせず
人形作家・写真家 石塚公昭の身辺雑記
 



昨日のブログに対し、野生のオランウータンは極めて危険で人を襲うこともあり、雑食で獰猛、怪力で肉を引き裂いて食うというメールをいただいた。私は檻の中のオランウータンの、終身刑を喰らった諦めの表情を、哲学者のそれと見誤ったらしい。 私がいままで最も驚いた動物の映像は、ド草食と思い込んでいた河馬が、大型の鹿系動物をすばやい動きで襲い、真っ二つにする勢いで、胴体にガブリと噛み付いた映像である。確かに伸びすぎた牙を口をあんぐりと開けて切ってもらっている動物園の河馬とは違っていた。以降、アナコンダが鰐を呑み込もうと、あれ以上のインパクトは感じられない。 エドガー・ポーともあろう人が、たんなる噂話で書かないであろう。当時、何か悲劇的な実例があったに違いない。オランウータンは、地上を歩くのは苦手だが、樹上であれば達者である。ほとんどグウタラしているのに、金網を伝って器用に登っていくのを見た。そう思うとチンパンジーじゃ小さすぎ、ゴリラでは大げさ。やはりモルグ街で事を起こすのであれば、ポーにとって、オランウータンしか適任者はいなかったのであろう。

※世田谷文学館にて展示中。

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