架空の黒人人形を作っていた頃は、肖像権に触れないせいであろう、何かと使われたが、タバコ産業の駅貼りのB全ポスターなど今では考えられない。私ほど作品にタバコをくわえさせ、持たせて来た人間はいないだろう。しかしもっと見ようと、埃にまみれロールに巻いたポスターを解いたらろくな事がないので止めた。 化石発掘など、同じ地層に同時代のものか埋まっているように、ないと思っていた82年初個展の写真が出て来た。当時写真に興味がないから、写真で遺そうという発想自体がなかった。誰かが撮ってくれた物であろう。この時のDMは、カメラを持っている先輩と二人でファインダーを覗きながらああだこうだ。Zライト一灯であった。私は自分が乱視であることを知らなかったので、ピントが合わず、はなから写真をやる気は無かった。 これは珍しい懐かしい、となるかと思いきや、一瞥の後に段ボール箱へ。さすがに捨てはしないが、終わった作品に対して私は実に冷たい。特に最近は写真に収めたとたん、くるりと背を向けタバコ一服の口である。あくまで作品の話しである。
新HP
旧HP
『石塚公昭 幻想写真展 生き続ける作家た18年7/25~9/2 リコーイメージングスクエア銀座ギャラリーA.W.Pyoutubeこ2016年『深川の人形作家 石塚公昭の世界』 youtube
※『タウン誌深川』“明日できること今日はせず”連載13回『月に兎 泉鏡花