1999年、月刊太陽の『人形愛』特集で我が家に写真を撮りに見えたのが須田一政さんで慌てた。奥さんと二人でお見えになり、奥さんを振り返り意見を聞きながら撮影していたのが印象的であった。カメラはローライ。私のモノクロ写真はというと、ピアノでいうと鍵盤と鍵盤の間を撮られてしまった感じで、こんな瞬間は全く無かったはずなのに?写真家というのはこんな物を撮れるのか、と驚いた。1999年と言えば、最初にオイルプリントを発表した年で、撮影終了後、図々しくも見ていただいた。友人知人を別にすれば始めて面白がっていただいた。以来、個展のお知らせを頂くようになり何度か伺ったが、新しい事にチャレンジする姿には頭が下がった。 昨年、陰影を出さない手法で始めて個展をやる際に、須田さんならば、と急に思い立ち、アドレスを調べて『蛸と画狂老人葛飾北斎』と共にメールしたところ二十年ぶりに近いのに覚えて頂いており、〝体調が悪く都心に出ることもありませんが、面白そうなので行きます。とすぐに返事をいただいた。しかし結局来て頂くことは叶わなかった。ご冥福をお祈り致します。 余談であるが、世田谷一家殺人事件の被害者のご主人は、以前人形アニメの仕事をしていたそうだが、本棚に件の人形愛特集があったらしく、警察は掲載作家の元を一人々回ったようである。
新HP
旧HP
アートコレクターズ(生活の友社)引用の美学 存在しないものを撮る 石塚公昭
『石塚公昭 幻想写真展 生き続ける作家た18年7/25~9/2 リコーイメージングスクエア銀座ギャラリーA.W.Pyoutubeこ2016年『深川の人形作家 石塚公昭の世界』 youtube
※『タウン誌深川』“明日できること今日はせず”連載13回『月に兎 泉鏡花