三島は5歳の時に坂を降りて来る逞しい糞尿を運ぶ青年を見て、〝彼になりたい〟と思う。この~になりたいを実現する第一歩はボディビルであったろう。外遊により太陽や肉体に目覚めたみたいに言っているがそれは、きっかけがなかっただけで幼い頃からずっと憧れて続けていたことであろう。 『男の死』のラインナップは、私の知る限りでは聖セバスチャン、兵隊、魚屋、ヤクザ、体操選手他のようである。その嗜好は『仮面の告白』にすでに述べられている。映画『からっ風野郎』で嬉しそうに無教養なアンポンタンヤクザを演じた三島だが、死の直前外見だけは『男の死』により〝なりたかった彼〟になれたということであろう。しかしボディビルで鍛えた外見だけの筋肉が中身がひ弱かったように、いくら外見がヤクザじみようと中身の教養は胴体から切り離されるまではいかんともし難かった。 以前、鈴木邦男さんにお会いした折、気になっているある事について質問させて頂いた時の答えが「盾の会の連中は本なんか読みませんから。」であった。
新HP
旧HP
『石塚公昭 幻想写真展 生き続ける作家た18年7/25~9/2 リコーイメージングスクエア銀座ギャラリーA.W.Pyoutubeこ2016年『深川の人形作家 石塚公昭の世界』 youtube
※『タウン誌深川』“明日できること今日はせず”連載13回『月に兎 泉鏡花