明日できること今日はせず
人形作家・写真家 石塚公昭の身辺雑記
 



虎渓三笑図を制作するということは、野見宿禰と当麻蹴速を作るようなもので、好きに作れる楽しさがある。様々なことが一巡りしたような気がするが、架空の黒人での初個展を追い越し、大国主命の紙芝居を作った小学生に戻った感じさえする。八岐大蛇を作ったのを思い出して、だからといって”龍虎図”は止めろ、とずっと戒めている。もっとも、幼い三島由紀夫が、ドラゴンに噛み砕かれて死ぬ王子様の絵本にあまりに憧れていたので、夢を叶えてあげた時は、八岐大蛇を作った小学生時代を思い出していた。三島は王子が苦しみ死ぬところが良いので、その度生き返るのが気に食わず、その部分を隠して読んだ。こうなると生まれつきのもので、あんな死に方も三島には責任がない、と思われる。 それはともかく、独学者を通した私は何かヘンだが、どうして良いか判らないという夢に長らく苦しんだものだが、今は私の頭に浮かんだ程度のことは、気が付けば目の前にある。ここに及んで注意を要するのは、“人生も夏休みのアルバイトの如し、慣れた頃に終わる”。こう思ったのは、高校時代、鉄骨運びのバイトをした時であった。しかし2年を目標に生き、それ以上先のことは考えない、という策を最近思い付いた。



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