明日できること今日はせず
人形作家・写真家 石塚公昭の身辺雑記
 

一日  


いくら良い場面でも、山奥で老人が二人ただ向かい合っている、なんて面白くない。やはり三本足のガマガエルや、口から魂を吐き出している、山深い石橋で奇妙な風情の笑う老人三人組など、そそられる要素が必要である。     今回は人形用の毛髪を張り付けるつもりだが、それは一斉にやるとして、次はガマ仙人の頭部にとりかかる予定である。死んだ乞食の身体を使って甦った鉄拐仙人は、絵師によって様々だが、あまり体格が良い、というのもおかしいだろう。それに対し、ペアとなるガマ仙人は、対称的に、いくらかがっしりした体格にさせたい気もする。それはともかく     肝心の豊干禅師、寒山と拾得はどうするんだという話だが、私自身も当然そう思っている訳だが、その心理を利用し、それ以外のモチーフを作り進めてしまえ、という趣向である。自分の扱い方を熟知した上での芸当である。若い頃なら主役の寒山から始めて追い詰められ方向を見失い、全体のバランスを欠く、なんてことは有りがちであった。



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