明日できること今日はせず
人形作家・写真家 石塚公昭の身辺雑記
 



写真の欠点は無い物は撮れない。また製品に依存している分、時代に左右される。フィルムがバカ高く驚いた。オイルプリントの実験に孤軍奮闘していた90年代の終わり頃、判ってくれそうな人がいると、何かしらの手がかりを求めて、プリントを持って会いに行ったものであるが、ある人に、いつか写真材料ではなく、薬種問屋に通うような人が現れると思っていた、と言われたことを思い出す。 後にクラシックカメラレビューにオイルプリントに関することを書いた時に、一度こんな手法を手掛けると、様々な物が製造中止になろうと、大丈夫な気になる、というような軽口を書いたが、その後加速度的に現実となってしまった。 それにしても不思議なのは、石塚式ピクトリアリズムは、あれほどこだわった古典レンズも必要なく、カメラに付いていたズームレンズで充分であり、ズボラな私にぴったりで、そうしようと考えた訳ではないのに、今まででもっとも懐に優しく、自分に都合良い物になっている。 時代に逆らい、わざわざ高いフィルムで撮影している人達は変わっている、と思わなくもないが、仙人作ってもはや一体何に逆らっているのかも不明な私に言われたくはないだろう。



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