明日できること今日はせず
人形作家・写真家 石塚公昭の身辺雑記
 



撮影の仕事で隅田川を越える。昔一度だけツアーでニューヨークに行ったが、オプションツアーのバスガイドに、チャイナタウンから一歩も出ずに生涯を終える人がいると聞き、その狭さにバカじゃないか、と呆れたが、気が付いたら、私がそうなっていた。2時間を越え、乗り換えに手間取り苛つく。昨晩レンズの選択に寝不足である。撮影はというと、あっけなく終わった。クライアントがこれで良い、というのでよいのだが。隅田川を越えたほどの手応えはない。 『虎渓三笑』の高僧慧遠は山を降りないと決めていたのに、友人二人を送って行き、話に夢中になり虎渓を越えてしまい、それに気づいて笑う。なので橋を渡り切るべきだと思うのだが存外橋の半ばで笑っている図が多い。もしやと思って曾我蕭白の三笑図を見ると案の定、渡り切って笑っている。真面目だ。蕭白は真面目をこじらせた挙句のイカれ方だとふんでいる。 帰りの車中やたら混んで殆ど座れず疲労困憊で帰宅。無呼吸症候群用の装置は外泊のためだろう。バックが用意されている。今回の荷物に適当なカメラバックがなかったのでそれに入れて出掛けた。



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