明日できること今日はせず
人形作家・写真家 石塚公昭の身辺雑記
 



『タウン誌深川』の文章だけ入稿を済ませた。『蝦蟇仙人と三足の蛙』寸前に勘違いに気付いた。蝦蟇仙人は八仙(日本の七福神のようなもの)の1人だとずっと思い込んでいた。相棒の鉄拐仙人は入っているものの、蝦蟇仙人は入っていなかった。日本では鉄拐仙人より蝦蟇仙人の方がポピュラーである。児雷也という妖術使いに変じ、歌舞伎、講談、時代劇と活躍した。私も子供時代、大蝦蟇に乗り巻物を口に咥え、印を結んで「御免!」煙幕玉を投げつけ煙と共に消えるのを何度も観ている。最後に観たのは映画館で、松方弘樹主演の『怪竜大決戦』(東映66年)である。怪獣の造形、特撮こそ東宝作品には及ばないものの、時代劇ということもあり、女優が皆OLに見える東宝の世界とは一線を画した味わいがあった。 壁に雪舟の『慧可断臂図』の画面だけのサイズで短辺が1メートルあまりの模写の掛け軸が掛かっている。曾我蕭白描く奇岩程ではないが 、切り落とした己の腕を捧げ持つ悲しげな人物にふさわしい不穏なムードである。特に奇岩に見えるのは二つの穴のせいだろう。なぜ二つなのか?それを目に見立てると、大口開けた怪物の口の中の出来事に思え、これが一種のサブリミナル効果となり不穏なムードを醸しているのではないか。不動明王の目のようでもある。このテク?を私も使ってみたいが、誰も気付いてくれず、たまりかねてブログで自分で解説してしまうのがオチであろう。



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