明日できること今日はせず
人形作家・写真家 石塚公昭の身辺雑記
 



ポーズの違う像を作る時、一つの首を取り外して別な身体を作って差し替えるのだが、2年前のふげん社の個展に、襷掛けした葛飾北斎像を展示したが、肝心の写真を撮っていなかった。これは画室で世界でもっとも有名な春画『蛸と海女』のための写生をしている、という設定で、障子から女の脚が覗き、そこには一本の蛸足が絡んでいる。北斎はというと、何かを覗き込むような姿勢である。他のことを思い付いたのか、そままになってしまった。おそらく三島展、最後のハイライトであった、滝沢馬琴作『椿説弓張月』の惨殺される武藤太に扮した三島の完成を急いだせいだったろう。 転居数十回。窓から富士が見えた画室があったとしても不思議はない。そこまで考えていたので、改めて某所の撮影許可の打診をした。 今回、竹竿にシャレコウベを掲げた一休を作る際、先に撮っておけば良いのに、酔い潰れた一休を思いついてしまい、粘土で目をつぶらせ、また開眼させるのに厄介なことになった。作ることになると早く見たくて我慢が出来なくなる。多少は後先を考えるようにしたい。

石塚HP



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