次回の展示は新作の作品数を抑え、それに集中することに決めていた。蘭渓道隆は、実在した人物制作で、今まで得た物を全て投入する必要があった。 『建長寺物語』(高山正俊著)を読んでいて建長寺の開山、蘭渓道隆の本日のタイトルの言葉が目に留まる。噛み砕くと〝外の世界や他人のことに気を取られるな、自分を照らす光は自分自身の中にあるのだから”だそうである。その禅師を〝外の世界にレンズを向けず、眉間に当てる念写が理想”である私が制作している。 〝人間も草木同様自然物、肝心なものはあらかじめ備わっているはず”とずっと考えて来た私が、仏は己の内に在る、という禅宗をモチーフにするに至ったのは偶然ではないような気がするが、禅師の制作も果たして偶然なのだろうか?
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