帆∞翼(セイル バイ ウイング) -太陽そして風と供に- 

海・南風・そして何より”真夏の太陽”が大好きな翔です。

「よろしく!」  

若衆

2005年09月08日 | 僕という人間 その他

そういえば昨日、久々に、ケツをひっぱたきました。
昨日、今日と機械の修理を私としてきた、基教え子です。
一応は後輩に教えられるようになってきた彼ですが、故障が起き手に余ったのか「機械の調子が良くないから来てくれ」といってきたので、見てみると、確かに正規出力の半分くらいしか出ていません。
これは駄目だと、修理に移行したのですが。
そばにピカピカの新人がいたせいもあり、いいところを見せようとしたのでしょう、きちんと放電をさせていない機械の中に手を入れようとしたのです。
電圧が10000Vを軽く越える機械であり、電源を切っても電荷はまだ残っています。
そのまま手を入れて触れば、簡単に死ぬ事もあります。
彼を訓練していく中で、何度も口うるさく言いつづけてきた事を、そのときだけは忘れてしまっていたのですね。
そばで見ていた私は、彼の腕を払い、続けざまに、彼のお尻を力いっぱい叩きました。
バシッというかなり大きな音がして、190cm近い彼は、驚いた顔で私を見ています。
「死にたいのか!}と怒鳴りました。
はっ!と我に返った彼は、すかさず、”No、Sir!”と言います。
人の命は信じられないくらい簡単に失われます、始めは危険を感じていても、時間がたつにつれ、それが薄れていきます。
まだ20歳の彼は、これから家庭を持ち、たくさんの思い出を作りながら生きていかねばなりません。
手順の間違いで命を落とす事など、絶対に有ってはならないのです。
昨日子供みたいにお尻を叩かれた彼は、先ほど無事に修理を終えました。
上司には、自分の力で直したと言え!と言いましたが。
成果は全て若集の物、問題は全て私の責任です。
また、それが私の仕事でもあります。
ここにいるうちは良いのですが、もし砲爆にさらされることが彼らに有ったとしたら、そこでの行動は全て自分自身の責任です。
彼の階級が上がり、自分が新兵を率いなければならなくなったとき。
避けて通る事が出来ない場面がたくさん有るはず、
修理できたと喜び勇んで、報告に行く彼の背中に”勇気と忍耐を持て!”と私は語りかけるのです。