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『アベンジャーズ』マーベル・スタジオ誕生と成功の物語 ─ 『MARVEL 倒産から逆転No.1となった映画会社の知られざる秘密』刊行にあたって
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3000回感謝します!
2020/10/10 上杉隼人
『MONKEY NEW WRITING FROM JAPAN VLUME 1 2020』収録の作品は、どれも信じられないくらい翻訳の質が高い!
今日のGetUpEnglishもそのすぐれた英訳のひとつを紹介する。
すでに紹介したが、岡本かの子「鮨」のDavid Boyd訳がすばらしい。
https://blog.goo.ne.jp/getupenglish/e/70285e39dc20cf9e08a4f2d1147d83ce
その他、鮨の材料を採ったあとの鰹の中落だの、鮑の腸だの、鯛の白子だのを巧に調理したものが、ときどき常連にだけ突出された。ともよはそれを見て「飽きあきする、あんなまずいもの」と顔を皺めた。だが、それらは常連から呉れといってもなかなか出さないで、思わぬときにひょっこり出す。亭主はこのことにかけてだけいこじでむら気なのを知っているので決してねだらない。
よほど欲しいときは、娘のともよにこっそり頼む。するとともよは面倒臭そうに探し出して与える。
ともよは幼い時から、こういう男達は見なれて、その男たちを通して世の中を頃あいでこだわらない、いささか稚気のあるものに感じて来ていた。
On other occasions, Tomoyo’s father served his faithful customers a variety of masterful concoctions made from less desirable items: leftover bits of Katsuo, awabi intestines, white fish roe. But such rare treats were reserved for Fuku’s regulars. Whenever Tomoyo saw therese dishes, she would wrinkle her nose and say, “Enough of this junk! It’s disgusting.” Sometimes the regulars would request these culinary oddities, but Tomoyo’s father was never inclined to oblige. He had a habit of spring such dishes on his customers only when they least expected it. Fuku’s regulars knew better than to push Tomoyo’s father too hard. They all know how stubborn he could be about this particular matter.
When the regulars simply had to have on of Fuku’s “specials,” they would quietly ask Tomoyo and, reluctantly, she would go to the kitchen to find it.
Since childhood, Tomoyo was used to being around the sort of men who stopped by the shop. Observing them, she came to feel as if the world were something almost childish, nothing to be taken too seriously.
「だが、それらは常連から呉れといってもなかなか出さないで、思わぬときにひょっこり出す」
「よほど欲しいときは、娘のともよにこっそり頼む」
あたりは日本語のネイティブであれば、主語が省略されていることがわかるし、こうした会話が日常的に行われることがわかっていて、そのほうが自然であると感じる。
だが、英語は主語をはっきりさせないといけないので、主語を確実には見極めて表現に加える。
英日翻訳でよく「主語の『わたし』や『僕』が多いと単調になるので、適当に削りましょう」と言われることがあるが、ボイド氏の「日英翻訳の現場」を見れば、それが実感できるだろう。
英日翻訳にも日英翻訳の視点は必要だ。
「ともよは幼い時から、こういう男達は見なれて、その男たちを通して世の中を頃あいでこだわらない、いささか稚気のあるものに感じて来ていた」をObserving them, she came to feel as if the world were something almost childish, nothing to be taken too seriously.と訳しているが、なんと見事なことか!
日本人の日英翻訳者にはまずできない訳だ。
デイヴィッド・ボイド、おそるべし。
この『MONKEY NEW WRITING FROM JAPAN VLUME 1 2020』のイベントが本日あります。オンラインでどなたでも参加できます!