せまいってばー!おりなよチビ!
やーだよー
人が猫に話しかけてるのを聞くのはいつもおかしい。
ダーが畳に寝転んで、
枕がわりにしてた座椅子にビーが割り込んできて、どんけつしたとき。
ダー「ビー尻(じり)は世界を制すよな~。
ビー尻は世界を制すな~(この言い回しが気に入ったらしい)。
ビーはシッポのカウンターパンチも得意だよな~。
シッポでカウンターを繰り出すんだよな~。
あっ、そんなにケツ上げなくていいから、俺の顔につけなくていいから」
モンにもダー、「何そのウホッって顔。
モンはウホッて顔するよな~。モンは猿だもんな、
ウホッて顔ぐらいするよな~」、
ウホッは猿じゃなくてゴリラじゃないの? 猿はウキッだろう。
「こんなにまで猿ってわかってたら、もっと猿っぽい名前にしたのにな~」、
モンってすでに猿っぽい名前だけど。
Oさんはうちに来たとき、
ふだん人見知りでなかなか人前に出てこない
ビーをつかまえて抱き上げるという、
さすがの猫使いっぷりを見せて、即興で『ビーのお歌』を歌いだした。
「おっきなおててのビーちゃん、おっきなおあちのビーちゃん」、
ビーは結構嬉しそうにしていた。
ママは、「モンちゃんはかわいいお顔だねぇ、
モンちゃんはかわいいお顔してるねぇ。
やっぱりなつく子がかわいいねぇ」。
顔に「お」をつけるのなんて、久々にきいた。
Cは殿(本名ゴン)に「ゴン様素敵よ~!
ゴン様かっこいいわ~! ゴン様渋いわ~」と、ほとんどヨン様。
殿はCにほめられてみるみる得意になり、
しっぽをピン、とたてて目をきらきらさせる。
もちろん私だって負けてない。
ビーは、ビーたん→ビーたま→おビたま→おみたまと変化をとげ、
「おみたまー、おみたまー、おみたまはかわいいの~。
ちょうなの、かわいいの~。かわいくていい子ちゃんなの~。
いい子ちゃんでかちこいんだもんね~。
猫のチャンピオンだもんね~。ちょうなの、狸なの~」と、
ほとんどタラちゃんのような声で話しかける。
どうぞごかってに!
殿には、ちょっと甘えるような声で、
「ゴォン、ゴォン、オーン、オンチーン、
オンチモー、おいでオンチモー、オンチンはかっこいいんだもんね~。
かわいくなんかないもんね~。男の子だもんね~。
だっこなんか嫌いなんだもんね~」
ほんとは一番のだっこ好きなんだけど、
妹猫たちの前でだっこされるのは嫌いな殿。
モンには、「おモンちーん、おモンち子!
おモンち子はかわいいねぇ。
おもちゃーん、おもちゃんはおちゃるなんだもんねぇ、
キュリアスモンチンなんだもんねぇ。あ~、ちょうかぁ。お顔がかわいいのかぁ」。
「そんな変な名前で呼んでたら猫が混乱するよ!」とダー。