麻生厚労省分割・再編「こだわっていません」のウソを民主党森ゆうことの参議院質疑から改めて暴く(1)

2009-06-02 03:22:00 | Weblog

 一昨日の当ブログ記事《麻生の国民を愚弄する「最初からこだわっていない」厚労省分割》でマスコミが、「最初からこだわっていません」としたことでぶれ・迷走だと取り上げていた厚労省分割・再編を麻生首相は5月19日の経済財政諮問会議で果して指示したのか、指示しておきながら、自民党や閣僚からの反対に遭って「こだわっていません」とあっさり撤回する、マスコミが言うとおりにぶれ・迷走を見せたのかを前置きに、例え指示しなかったとしても、厚労省が行政上の役目としている国民生活上の諸問題の多くで現在抱えている不備や矛盾の解決に十分に機能していない以上、分割・再編に「こだわっていなません」なら、どのような方法・政策で諸問題を解決に導くのか国民に説明する責任がある、「こだわっていません」で終わらせるとしたら、国民を愚弄することになるといったことを書いたが、5月30日の「スポーツ報知」が民主党の森ゆうこ氏に対する答弁として、「厚労省や内閣府など、国民生活に関係する府省の部局を再編、強化してはどうかと申し上げた。厚労省だけ例に引いて分割しろとは言っていない」と改めて分割・再編を全面否定していることを伝えていた。

 「厚労省や内閣府など、国民生活に関係する府省の部局を再編、強化」と、厚労省と内閣府の名前を具体的に挙げた以上、その両省を特に対象とした「再編、強化」を指示したのであって、「厚労省だけ例に引いて分割しろとは言っていない」といくら強弁しても、組織の「再編・強化」の中には「分割」による機能向上の可能性をも視野に入れた議論の必要性を条件とするだろうから、少なくとも暗黙の了解事項としていたと言えるのではないだろうか。

 5月29日の「asahi.com」記事《厚労省分割、与謝野氏が持論を首相発言に「上乗せ」紹介》は麻生首相の「厚労省だけ例に引いて分割しろとは言っていない」(上記「スポーツ報知」)にも関わらず、与謝野大臣が「厚労省の仕事の切り分け、すなわち組織の分割、幼稚園と保育所の(所管の)一元化は与謝野大臣が案を出してくれとの指示があった」と記者会見で紹介したのは拡大解釈に走ったための誤りで、「正確には首相は『考え方の整理をして下さい』と言われた」と訂正したことを厚労省の分割・再編は与謝野大臣の持論で、直接的には言っていない首相の発言に「上乗せ」紹介したものだとして、麻生太郎はぶれたわけでも迷走したわけでもない説に立った内容となっている。

「スポーツ報知」が伝えている5月29日午前の参院予算委員会で麻生太郎が森ゆうこ議員の質問に具体的にどのような言葉を使って答弁しているのか、「参議院インターネット審議中継」HPから質疑の模様をダウンロードして、文字に起こしてみた。森ゆうこ議員は太字で表記したが、麻生首相及びその内閣は影が薄くなったから、麻生と麻生以下の閣僚は細字表記とした。悪しからず。

 感想は例の如く途中途中で青文字で記した。  


 森ゆうこ「ちょっと厚労省分割について確認したいんですが、総理大臣、厚労省分割は断念したのでしょうか」

 麻生「あの、厚労省の分割っていうのは、えらい踊っていますが、あれ、是非、あれを、あれは、テレビで、公開したから、みんな見ていたでしょう?あの議論の内容、あれ全部、公開ですから、私の発言も、全部公開ですよ。

 そんな中で、分割って言葉が載ってました?聞いたでしょう?私はあれを聞かれた方は、どう思われました、ということは知りませんが、少なくとも、あれを、私はもう一回見てみました。けども、国民の安心安全を確かなものにするため、厚生労働省や内閣府など、国民生活に関係する府省の部局を再編成・強化してはどうかと考えている、ということを申し上げました。

 そのとおりに申し上げていますんで、現在官房長官を中心に、関係閣僚に検討していただいておると、いうことであります。従って、我々といたしましては、厚生労働省だけを例に引いて、直ちに分割しろなどという話は、あの、までは、あのー、一つも、出ておりませんでしたので、是非、あれは公開された、公開されておりますテレビから、是非、もう一回、ご覧になっていただくことをお勧め申し上げます」

 (女性に「君と生涯を共にしたい」と言った男が嫌いになって、「俺はお前を愛していると一度も言っていない」と開き直るようなものではないのか。「生涯を共にしたい」の中に「愛している」という感情が含まれているはずなのと同じく、「再編成・強化」の中に“分割”も可能性として含まれているはずである。

 また、上記「asahi.com」記事が伝えているように与謝野大臣が厚労省の分割・再編を持論としているなら、そのような人間に
「再編成・強化」という言葉を使ったとなれば、例え「分割って言葉が載って」いなくても、「分割までやらなくてもいいですよ」と特段な断りを入れてないなら、持論への誘導を必然化させる「再編成・強化」の指示となったとしても不思議ではない。

 また与謝野が自分の持論を麻生が承知していると認識していたなら、持論の方向での
「再編成・強化」の指示と受け止めたとしても、これもごく自然な判断と言える。

 それが上記「asahi.com」記事が言う
「持論を首相発言に『上乗せ』紹介」ということだろうが、麻生が厚労省組織の分割・再編を「最初からこだわっていません」と言ったものだから、そこに辻褄を合わせるための「正確には首相は『考え方の整理をして下さい』と言われた」(「asahi.com」>)の訂正であって、理解の道理から言ったなら、麻生にしても与謝野大臣の厚労省組織に関わる持論を知らないはずはないだろうし(知らないとしたら、元々たいした能力ではないと分かっているものの、自分の部下に対する任命権者としての情報管理能力及び人事管理能力が疑われることになる)、そこに持論(=厚労省の分割・再編)への暗黙の了解が働いていたと見るべきだろう。

 要するに
「厚生労働省だけを例に引いて、直ちに分割しろなどという話は」「出て」いなくても、テレビがそのことを証明したとしても、直接的にある言葉を使わなかったからといって、その言葉が意味する内容を以心伝心で伝える例はいくらでもあるのだから、偶然口にしなかったことを狡猾にも利用したウソつきだけがなし得る「最初からこだわっていません」の狡猾な正当化に過ぎなかい疑いが濃厚である。

 これはウソをウソで塗り固めるようなものであろう。)


 森ゆうこ「与謝野大臣、総理からその件に関して、どのようなご指示があったのでしょうか」

 与謝野「えー、これも公開された議論に載っておりますけれども、総理のご発言は色々な意味があるので、それらの意見を経済財政諮問会議で、ええ、ええー、与謝野、おー、元で、整理をして欲しいと、いう、整理をして欲しいというご注文がありました。

 それは議事録にちゃんと、そういうふうに書いてありますんで、あのー、総理が使われたことは、分割しろとか、分割案を作れというではなくて、色々な考え方があるんで、整理をしてくれと、こういうご指摘があった、わけでございます」

 (苦しい答弁となっている。「総理のご発言は色々な意味があるので」は、自分は「分割・再編」「意味」で受け止めたが、別の「意味」であったと言っている「色々」のはずである。

 だが、実際問題として、
「総理のご発言は色々な意味があ」ったのでは的確な指示が迅速に伝わらないことになって、指揮が混乱する原因となりかねず、内閣の長たる資格を失うことになる。10人が10人とも別々の「意味」で指示を解釈したとしたら、滑稽な大混乱に至ることとなって、こちらの方が重大問題となる。「色々な意味がある」としたこと自体が既にウソ・ゴマカシの境地に足を踏み入れていると言える。)

 森ゆうこ「何をどのように整理して、いつまでに結論を出せというような明確なご指示があったんでしょうか」

 与謝野「えー、こういった問題は、あのお、色々な方が、色々な考え方を、するわけです。えー、現状維持がいいと、いう方もおられるし、まあ、三つに分割しようと言われる方もおられるし、まあ、100人のお話を聞くと、100ぐらいの案が出てくらい、出てくるくらい、やっぱり、あの、整理整頓すべきは、ものの考え方であって、その分割案とか、そういうことじゃなくて、基本的な、あの、ものの考え方、例えば、国民によりよい、社会保障サービスを提供するための体制、あるいは現場感覚を持った、責任体制。えー、それから、よりキメの細かい福祉行政サービスは何か、そういうものの考え方が大事なんで、役所があっちにくっついている、こっちについている、くっついているということは、実は枝葉末節の話だろうと、私は思ってまして、考え方を整理すると言うか、総理のご注文は、ちゃんと今後、あのー、骨太方針でお答をしてきたいと思っております」

 (分割だって何って、「ものの考え方」次第で形を取っていくのだから、当然「ものの考え方」は重要だが、「社会保障サービスを提供するための体制、あるいは現場感覚を持った、責任体制。よりキメの細かい福祉行政サービスは何か」云々は今更ながらにことさら言わなければならない議論項目ではなく、常にすべての議論の下敷きとしていなければならない基本的な注意点であり、心がけとしなければならない大事な取るべき姿勢そのものであって、そういった注意点・心がけを下敷きとして、組織・制度を運用していく上で、役所は機能しているのかどうか、現行組織が時代とズレを生じせしめていて、運営がスムーズに行われなかったり、障害が起きたりするといった欠陥・不備がありはしないか、改良点があるということなら、具体的な制度・組織の運用面に於ける改善を議論・模索する段階へとつながっていく。当然そこには「分割・再編」を含めた組織改革(いわゆる組織いじり)まで進んで検討されるケースも生じる。

 それを基本的な注意点とし心がけとしなければならない事柄にのみ、
「ものの考え方」が重要だなどと言っている。つまり麻生と与謝野の釈明からすると、トンチンカンにもすべての議論の下敷きとしなければならない基本的な注意点・基本的な心がけを考慮する場面にまだとどまっていることを示している。制度・組織の運用面での矛盾点を把握し、どう改善したらいいか、具体的な制度・組織の改善、あるいは運用方法の改善を議論・模索する段階へとまだ進んでいないことを示している。何という遅さ。) 

 森ゆうこ「考え方を整理しろ、ということなんでしょうか。つまり、総理には特別な考え方はなかった――」

 与謝野「先ず大事なのは、組織いじりとか、そういう発想ではなくて、どのようにものを考え、どのように国民に対する社会保障サービスを、より効率的なより確かなものにするかと、そのものの考え方が、多分、私には一番大事なんだと思っております。ええ、それは多分総理のお考えではないかと思います」

 (同じ内容の答弁を繰返したに過ぎない。社会保障制度でも介護問題でも、母子問題でも、その改革・改善は待ったなしであるにも関わらず、既に時間を費やしていてもいい組織改革や制度改革、あるいは運用面での改善に踏み込むところにまで進んでいなくて、
「ものの考え方の整理」に重点を置く姿勢を前面に打ち出して、そのことに今以て時間を費やそうとしている。

 麻生は
「経済対策はスピード感を持ってやらなければならない」と言っていたことを裏切って補正、補正の手直しばかり続けて「スピード感」を自分から損ねていたが、「国民の安心安全の立場に立っ」た省庁の再編問題でも、まだ手をつけるところまでいかない「スピード感」を見事発揮している。)

 森ゆうこ「総理、それでよろしいんですか?」

 麻生(最大限に口を尖らせて)「一番最初に森先生には申し上げましたように、国民、の安心安全を確かなものにするためということ、最初に申し上げておりますんで、基本は申し上げていることは同じだと思いますが」

 「国民、の安心安全を確かなものに」できないでいる。当然、各種の社会保障関係制度その他に欠陥・不備があるのか、運用面で欠陥・不備があるのか、議論・模索する段階にとっくの昔に進んでいなければならない。答を見い出して、制度をいじるのか、運用方法を改善するのか、結論に至る段階を経て、改善策の構築に取り掛かっていなければならない。カネをばら撒くことだけにかまけていて、そのことにのみ「スピード感」を発揮するあまり、「国民、の安心安全を確かなものにする」暇はなかったと言うなら、情状酌量の余地無きにしも非ずだが。)

 《麻生厚労省分割・再編「こだわっていません」のウソを民主党森ゆうことの参議院質疑から改めて暴く》(2)
に続く 

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麻生厚労省分割・再編「こだわっていません」のウソを民主党森ゆうことの参議院質疑から改めて暴く(2)

2009-06-02 03:04:06 | Weblog

 森ゆうこ「あのー、えー、その、でも、(麻生の「あのー、そのー」が伝染したのかと思った。)特に、あの、幼保一元化について、今が判断の時期だというふうに強調されたと、いうふうにお聞きしてるんですが、けれども、これ違いうんですか?」

 麻生「幼保一元化、この話も、国民生活や幼児教育、子育て支援というものが、国民生活を守るために極めて重要なことだと考えております。ご存知のようにこれは幼稚園と保育園をそれぞれに異なる役割、異なる役所に所属していることもありますんで、一元化を進めておりますのはご存知のとおりであります。

 そういった意味で、国民生活の安心をより確かなものにするためには行政体制のあり方の検討に、いや、行政体制の検討に合わせてそれぞれの行政組織についても、議論等の対象とするようにお願いしてあると言うのが、その言葉とおりだと思っております」

 「幼保一元化」の方は「一元化」という組織再編の「議論の対象とするようにお願いする」段階にまで進んでいる。一方の厚労省の方は色々と不備・矛盾が生じているにも関わらず、組織再編よりも「ものの考え方の整理」の段階に踏みとどまっている。ウソが生じせしめた矛盾であろう。)

 
森ゆうこ「一国の総理の言葉というのは重いんですね。まあ、拘りがなかったんだったら、なかったら、なかったと言わなければならなかったんでは・・・と思います。」

(以上が「最初からこだわっていません」に関する質疑で、以下は民主党新代表鳩山由紀夫との党首討論の中で小沢政策秘書が逮捕・起訴された段階で、さも刑が確定したような発言をしたことを取り上げている。)

 森ゆうこ「そしてもう一つ、総理の発言について、総理のご発言について、ですね、一昨日の、国家基本政策委員会の、いわゆる党首討論に於きまして、私は看過できない発言がございましたので、ご確認をさせていただきたいと思います。この予算委員会です。以前にも西松事件関連に関して、行政の長たる総理大臣が、三権群立の基本を侵して、恰も、もはや、えー、犯罪を犯したことが確立したかのような発言をされるということは、この三権分立の根幹を侵すものだ、そのように思いますが、いかがでしょうか」

 麻生「先ず、再々したように、私の方から、それまでの議事録を読ませていただきますと、何回か、三回程申し上げているのですが、今ご指摘のありました点につきましては、それを飛ばしているところがあります。従いまして、小沢前代表秘書が逮捕された件に関する私の発言のところでありますが、誤解を与えるような発言があった旨のご指摘がありましたが、推定無罪の原則というものは言うまでもないことでありまして、係争中の個別事案の件について、判断を示したものではありません

 (極めつけのウソ八百となっている。次の質問で森ゆうこ議員も取り上げているが、麻生は党首討論で民主党が打ち出した企業献金禁止政策を西松問題及び小沢政策秘書逮捕と絡めて次のように言っている。

 
「企業献金、世襲の話などいろんなご論議があり、私はいいことだと思います。ぜひこれまで議論を積み重ねて、少なくとも後援会は企業、団体からの献金は禁止になったわけですから、それを犯された方がそこにいらっしゃるわけで、そういった意味では、きちんとした決着をつけねばならない」(「毎日jp」

 決して「係争中の個別事案の件について、判断を示したものではありません」ではない。逮捕・起訴・保釈と経緯を踏んでいるが、裁判が開始された段階に進んだわけでもなく、当然判決が確定したわけでもない。にも関わらず、三審まである裁判を飛ばして、さも有罪が確定、裁判が決着したかのように「それを犯された方がそこにいらっしゃるわけで」「推定無罪」を軽い人間にふさわしくも軽々と飛び越えておいて、「係争中の個別事案の件について、判断を示したものではありません」と狡猾にも言って憚らないウソをついている。)

 森ゆうこ「同じく私も議事録を持っておりますけれども、『少なくとも後援会には企業団体からの献金は禁止になったわけですから、そういった意味では、それを犯された方が、そこに、いらっしゃる、わけで』って、これは断定じゃなくて、何を断定なんですか?」

 麻生「あの、基本的、基本的には、一部の、私共から見ますと、少なくとも、企業献金というものは、政党支部にしか出せないと、いうことになっていると、存知ます。それが、後援会、もしくは支援団体と、いうものに出されたと、いうことになれば、それは明らかに違法と言うことになろうと存じます。そこのところが問われているんだと思いますんで、そういった意味で、少なくとも逮捕・起訴された方がおられると、いう点は、私共としては、あの、何て言うの?推定無罪の原則、というものに対しまして、我々、我々、個別事案の帰趨について判断をしたと申し上げたものではございませんと申し上げました」

 森ゆうこ「これ総理のご発言ですか?『本人が正しいと思ったことであっても、少なくとも、間違った場合は逮捕されるということは十分にある。それは国策捜査ということにあたらないのではないのか』

 これもおかしいですよ。どう思いますか。これ正しかったと思いますか、発言」

 麻生「もう一度確認するためにお願いします」

 森ゆうこ「片道方式なので、あまり言いたく何のですけども、『本人が思ったと言うお話ですけども、正しいと思ったことでも、少なくとも、間違った場合、逮捕される』そうなんですか?」

 「片道方式」とは質問する側はどのような質問をするのか「質問趣意書」を答弁側に提出するが、答弁側はどのような答弁をするのか、質問側に「答弁趣意書」を出すわけではない一方通行を言っているのだと思う。)

 麻生「本人が正しいと思ったとしても、間違った場合は、逮捕されるということも申し上げたと言うんであれば、そのとおりだと存知ますが」

 森ゆうこ「あの、法務大臣、刑法38条代1項には何と書いてありますか。」

 森英介法相「えー、お尋ねの38条でありますけれども、先ず第1項、罪を犯す意思のない行為は罰しない。但し、法律に特別の規定がある場合は、この限りではない。

 2項、重い罪に当たるべく、行為をしたのは、行為のときに、その重い罪に当たることとなる事実を知らなかった者は、その重い罪によって処断することはできない。

 3項、法律を知らなかったとしても、その罪を犯す意思がなかったとは言うことはできない。

 繰返します。法律を知らなかったとしても、そのことによって罪を犯す意思がなかったとすることはできない。但し、情状により、その刑を軽減することはできる。」

 「法律を知らなかったとしても、そのことによって罪を犯す意思がなかったとすることはできない」を繰返したのは、政策秘書、さらには小沢前代表をその例に該当するとしたかったからだろう。だが、ここには麻生同様、「推定無罪」を超えて、有罪確定の意思を働かせている。)

森ゆうこ「では法務大臣として、その条項に基づいて、先程の総理のご発言をどのように判断されますか。?」

 法相(怒ったように)「本人が正しいと思っても、逮捕されることは当り前のことだと思います」

 (だが、裁判を経て、刑が確定したわけではない。「当り前のこと」だとして「逮捕」したことが不法とされる例は枚挙に暇がない。死刑判決を下して、冤罪だったという例もある。法務大臣でありながら、「逮捕」までの出来事で犯罪を犯したとするかのように扱い、「推定無罪」の原則を平気で無視して、そのことに気づかないでいる。)

 森ゆうこ「犯意が存在することが刑法処罰の大原則じゃないのですか?」(大きな声で)

 大声に気をとられて通じなかったの様子なので、再び立ち上がって、

 森ゆうこ「犯意の存在することが刑法処罰の大原則であるのでは、ないでしょうかと申し上げております」

 法相「これは先程申し上げましたとおりですが、法律を知らなかったとしても、そのことによって、罪を犯す意思がなかったとするすることはできない、ということで・・・」(最後までしっかり言わすに背中を向ける。)

 森ゆうこ「兎に角、総理の発言、ご発言、私は許すことはできません。総理の資質を改めて疑いたい。疑念を呈したい、と言うふうに思います」(次の質問に移る。)
 
 (警察や検察の逮捕事実の公表と取調べから心証として容疑を超えて限りなく法律に反する犯罪行為があった、“クロ”だと解釈したとしても、それはあくまでも“解釈”、であって、容疑を取り外す犯罪事実の認定は裁判所の“解釈”を待たなければならないのだが、麻生にしても法務大臣の森英介にしても、裁判所の“解釈”を待たないうちに逮捕・起訴までを以って、裁判所に代わって犯罪事実があったと認定する意思を働かせていて、どこにも「推定無罪」への意識の働かせがない。罪を犯したとする方が、選挙対策上有利となる利害意識がそうさせているに違いないが、利害で社会生活上の原則まで変えるのはウソをつくことに他ならない。) 

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