市川女性刺殺、結果的に警察のストーカー警告が殺意の火をつけたとしたら、その教訓とは

2013-11-30 08:38:57 | 政治



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 《7月参議院選挙岡山選挙区「違憲で無効」の広島高裁岡山支部の判決を受けて》生活の党総合政策会議議長・衆議院議員畑浩治談話(2013年11月28日)

 「本日、広島高裁岡山支部で、本年7月の参議院議員選挙の一票の格差訴訟で「違憲で選挙は無効」の判決が下された。「参議院選挙が無効」とされた司法判断は初めてであり、全国14の高裁・支部に提起されている本年参議院選挙に関する訴訟の最初の判決として、極めて重い意義を持つものである。

 すでに最高裁大法廷は昨年10月に、最大格差が5.00倍であった2010年の参議院選挙は違憲状態とし、「速やかに不平等を解消する必要がある」としていた。国会質疑において抜本的な選挙制度改革をすべきとの警鐘を鳴らしたにもかかわらず、4増4減の弥縫策で、実質的に違憲状態を放置した国会の責任は重いと言わざるを得ない。

 正当な選挙により選ばれた議員により国会が構成されることは、議会制民主主義の基本である。投票価値の著しい不平等が是正されないまま、選挙が選挙区で違憲無効と判示された参議院で、国民の権利に重大な脅威を及ぼす「特定秘密保護法案」が論議されることは、国民主権に基づく民主政治を否定する行為といえるものであり、本法律案の成立阻止に全力を尽くすことを誓うものである。」(以上) 

 元交際相手の岡逸人(はやと)(23)が11月27日夕方、市川市の路上で市内に住む湯浅栞さん(22)を刃物で刺して殺害した事件が起きた。

 二人は交際中の約2年間、10代で結婚していたときの長女(3)と3人で同居生活を送っていたが、今年9月に別れたという。殺害された当時は婚約相手の男性(35)と同居。長女を保育園に迎えに行くとき、待ち伏せされ、刺された。

 翌11月28日、知人がいて、土地勘がある八丈島にフェリーで到着したところを警察が逮捕。

 当然、待ち伏せして刺した男の方が付き纏っていたことになり、殺害された女性の方からの別れということになる。

 これだけのことなら、未練と恨みによる犯行ということでさして話題にならなかったかもしれないが、一度警察が男を注意していながら犯行が起きたということを大方のマスコミが話題にした。

 《女性刺殺 元交際相手タクシーで尾行か》NHK NEWS WEB/2013年11月28日 13時53分)の記事の中から、警察の注意の個所についてのみ取り上げてみる。

 男は別れて数週間後の9月24日、当時女性が暮らしていた市川市内の実家に押しかけ、復縁を迫った。記事は、〈このとき、岡容疑者本人が警察に110番通報し〉となっている。

 推測だが、女性が「帰ってくれないと警察に電話する」と言ったのに対して男が、「電話すればいい」と開き直った。女性が警察への電話を躊躇していると、「じゃあ、俺がかけてやる」と強がって掛けたといったところなのかもしれない。

 「女性を殴った」

 警察官が駆けつける。

 女性「私には交際相手がいるのでもう来ないようにしてもらいたい」

 この箇所は「毎日jp」記事は、「殴られてはいないが復縁を迫られ困っている」という言葉となっている。

 警察官は男を交番に連れて行き、聴き取りで暴力はなかったことから、これ以上付き纏うとストーカー行為になると口頭での注意で済ませた。

 「毎日jp」記事には交番への連行については触れていないが、警察官は次の発言をしていることになっている。

 警察官「また自宅に押し掛けるとストーカー行為として取り締まりの対象になる」(毎日jp

  「二度と行かない」(同毎日jp)――

 女性から警察に男とのトラブルの相談があったのはこのときだけだという。

 男は殴ってもいないのに、なぜ警察への電話で「殴った」などと言ったのだろう。推測に過ぎないが、女性は殴られていたが、傷害罪といったふうに事が大きくなるのを恐れて「殴られていないが」と言ったのか、男は殴ってはいなかったが、警察への電話を躊躇する女性の様子を見て、警察なんか問題ではないところを見せるために殴ったと大袈裟に出たのだろうか。

 あるいは「殴った」と言えば、手っ取り早く警察官が駆けつけると思ったからだろうか。

 「毎日jp」は、女性が35歳の男性と同居するようになったのはこの一騒ぎの後としている。

 この両者の間に殺害事件が起きるまで二度目のトラブルはなかったが、10月、男が市川市内の路上で「女を奪(と)られた」と騒いでいだため、警察が保護して保健所に通報したが、女性とトラブルになっている男だと把握せず、女性に注意の連絡を取る対応もしていなかったと別の「NHK NEWS WEB」が伝えている。

 保健所に通報したのは男が酔ってでもいたからなのだろうか。

 男は女性に直接電話したり、あるいは直接接触して恨みつらみや厭味を言っり、復縁を迫ったり威したりしたわけではないから、「また自宅に押し掛けるとストーカー行為として取り締まりの対象になる」という警察の注意を忠実に守ったことになる。

 だが、未練を吹っ切れずに関係のない路上で喚いたりの騒ぎを起こした。

 と言うことは、男は自分がストーカー男となることへの恐れが女性への欲求をどうにかコントロールしていたことになる。ストーカー男にならない範囲での荒れた行動を女性に対する未練の代償行為としていた。

 このように判断すると、記事が「注意」と書いている男に対する警察の指示を男は注意のレベルで受け止めたのではなく、警告のレベルで受け止めた可能性は否定できない。

 もし警告として深刻に受け止めていたなら、男に取って相当な精神的な抑圧となっていたはずだ。完全燃焼させることのできない、不完全燃焼のままの抑圧させた欲求は抑圧させた状態で順次蓄積されていくことになって内側からの反発力が加わり、膨張していく形を取る。蓄積が止まらなければ、臨界点に達し、抑圧と膨張のバランスが崩れて自ずと爆発を強いられてカタルシスを迎えることになる。

 いわば警察のストーカー警告が殺意の火をつけ、最終的に抑圧された欲求の爆発という形を取った完全燃焼が刺殺という殺人となって現れた。

 このような経緯は凶器を事前に用意していたことと致命傷となった右腹部の刺し傷が肝臓や肺にまで達する(「MSN産経」)程の計画性と強い殺意に基づいた犯罪であったことが証明している。

 以上は推測でしかないし、結果から見た解釈ではあるが、例え警察の注意、もしくは警告がなかったとしても、未練を抑圧させていき最終的に凶行の形で感情を爆発させることになったかもしれないが、現実にストーカー警告の後殺害行為が起きている以上、注意して、素直に従ったで終わらせてはいけないことを教えている。

 逆に警告の後、相手が例え素直に従ったとしても、心してストーカー対策に腐心しなければならないことを教訓としている。単にマニアル通りに対処すれば手落ちとはならないこととして済ましてはいけないという啓示であるはずだ。

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