これで長期政権は決まりだ。安倍晋三の解散・総選挙の狙いは当たった。
2014年12月14日投開票「第47回衆議院議員総選挙」は安倍晋三自民党の大勝利で終わる。公示たった2日後で、この情勢なのだから、話にならない。
《自民300議席超える勢い 衆院選・序盤情勢調査》(asahi.com/2014年12月4日00時18分)
朝日新聞社が12月2、3の両日、約6万人の有権者を対象に電話調査を実施し、全国の取材網の情報も加えて選挙戦序盤の情勢を探ったという。
①自民は単独で300議席を超える勢い。公明とあわせて定数の3分の2(317議席)を上回る可能性
②民主は公示前の62議席から上積みするものの、伸び悩み、100議席に届かない公算大
③維新は公示前の42議席から後退
④次世代は公示前の19議席から1ケタになりそう
⑤共産は公示前の8議席から倍近く増える見通し
他は推して知るべし。
記事発信は「12月4日00時18分」である。安倍晋三本人が既に知ったか、知らなくても、忠義一方の側近が勝ち誇った思いで既にご注進に及んでいて既に知っているに違いないだろうから、朝寝を省いた小原庄助さんのように朝湯にゆったりと浸かりながら、ニンマリとした笑みを浮かべて勝利の美酒をチビリ、チビリ愉しんでいるに違いない。
昭恵夫人も一緒に湯船に浸かっているのかな?口に含んだ酒を口移しで飲ませ合ったりして・・・・・・。顔を赤らめ合ったり。悪くない図だ。
朝日新聞だけではない。読売新聞社も同じ予想を映し出した。
《自公、300議席超す勢い…衆院選序盤情勢》(YOMIURI ONLINE/2014年12月03日 23時00分)
読売は朝日新聞のように3分の2(317議席)を上回るとは直接的には伝えていないが、自公両党の予測議席数を合わせると3分の2を超える。
自民党は小選挙区選・比例選〈全体で、絶対安定多数を超え、公示前の293議席確保もうかがっている。〉
公明党は小選挙区選・比例選〈全体として公示前の31議席を上回りそうだ。〉
合わせて324議席以上の勢い。
自民党の独り占めは野党の議席減となって現れる。
安倍晋三の言葉巧みな力強い言葉のマジックに掛かって、大多数の国民は消費税先送りと来年と再来年の春闘での賃金アップで実質賃金が増えて、アベノミクスは成功し、日本の景気回復は確実だと信じるに至ったのだろう。
だが、次の記事――《格下げでも株高・債券高、市場が意識する「官製相場」》(ロイター/2014年 12月 2日 16:10)を読むと大分怪しい。
日本の現在の株高の主体は日銀が国債などを買い支えて起きている「官製相場」であって、企業活動や個人消費の活発な状況が誘因となっている株高ではないところにリスクを抱えているという趣旨の記事内容となっている。
〈消費再増税が先送りされても、日本国債が格下げされても、金利が上昇しないというのは、やはり異常な状態だ。財政規律の警告機能に欠陥が生じているとみられても仕方ないだろう。〉
藤木智久BNPパリバチーフ円債ストラテジスト(外資系金融機関)「リスクがたまりやすいのはこういう状況だ。低金利でほぼ無尽蔵にファンディング(資金調達)できる状況は、いつしかリスク感覚を麻痺させてしまう。巨大な債務を抱えるようになったときに、何かのきっかけで長期金利が2─3%に上昇すれば、大きな損失を生じることになる」
いずれにしても、絶対安定多数の266議席確保はこれで確実だし、憲法改正の発議に必要な3分の2の317議席に届く可能性大で、安倍晋三の笑いが止まらない緩みっぱなしの顔が目に浮かぶ。
安倍チャン、やったね!
安倍晋三の解散・総選挙の狙いは万が一の内閣支持率が下がってからの解散では議席維持ばかりか、政権維持も心許なくなることから、支持率が大きく下がる前に議席維持と政権維持を見据えて、それをエンジンとした長期政権の手繰り寄せだったのだ。
きっと密かに世論調査をしていたに違いない。予備校講師の林修の「いつやるか? 今でしょう!」ばりに解散・総選挙に打って出た。
これで憲法解釈変更による集団的自衛権の行使も、憲法改正発議も思いのままになる。さあ、軍備を増強して、「世界の中心」に踊り出るぞ。
安倍晋三の狙いは当たった。
バンザイが聞こえる。日本全国から。安倍晋三お得意のフレーズで言うと、「全国津々浦々から」
バンザーイ!バンザーイ!バンザーイ!バンザーイ!・・・・・・・・・・