安倍晋三の自民党第47回衆議院議員総選挙立候補者は全員大人の姿をした子どもであるらしい

2014-12-05 07:44:37 | Weblog
 


 12月2日の衆院選告示からたった2日後の12月4日、複数のマスコミが衆院選序盤情勢調査では自民党が300議席超える勢いだと報道した。いわば野党惨敗だと報じた。

 そしたら安倍晋三が同じ日の12月4日、さっそく自らのフェイスブックに「油断した方が負ける」と油断を戒めるコメントを書き込んだという。

 《首相「油断した方が負け」 フェイスブックで》ニコニコニュース/2014年12月4日(木)12時26分配信)

 安倍晋三コメント「まだ選挙は始まったばかりだ。油断した方が必ず負ける。小選挙区はほんの数パーセントの振れで根底から覆る。

  (1998年の参院選で、当時の橋本龍太郎首相の『恒久減税』に関する発言の迷走で一気に情勢が悪化し、惨敗したことを念頭に)かつて橋本政権での選挙中、自民党大勝と報道され、結果大敗した。最後まで強い緊張感を持って全力で戦い抜く」

 安倍晋三のこの油断大敵の意思を受けたからなのか、あるいは自ら指示を出したのか、とにかく安倍晋三のフェイスブックへのアクセスをブロックされているから、コメントの発信時間を知ることができなくて時間の前後は分からないが、さらに同じ日の12月4日、谷垣禎一幹事長と茂木敏充選対委員長の連名で各候補者の陣営に対して安倍晋三のコメントと同じ趣旨の通達を出したという。

 《「慢心排除」を緊急通達=与党優勢報道で自民【14衆院選】》時事ドットコム/2014/12/04-11:41)

 通達「少しも慢心することなく、全身全霊でこの選挙戦を闘っている姿を有権者に示すことが、最終的な勝利につながる。わが党そして各候補者にとって厳しい選挙戦であることに変わりはない。

 過去にも、選挙期間中に逆風が吹き、一瞬のうちに有利な形勢が逆転し、議席を失う例は多くあった。候補者本人の気の緩みが、選挙スタッフ、選挙事務所内等に広がり、最終的には有権者にもそれが必ず伝わる。

 やるべきことはやるように」――

 先ず安倍晋三のフェイスブックのコメントである。記事の解説からすると、1998年の参院選の惨敗の原因は当時の橋本首相の「『恒久減税』に関する発言の迷走」――いわば橋本自身の心構えの問題であって、各立候補者者自身の心構えとは無関係である。

 「発言の迷走」が油断や慢心から発したわけではあるまいからだ。政策を政策としてしっかりと確立していなかった思慮不足が、心構えの問題に行き着くが、原因であるはずである。つまり各候補者は親分である橋本龍太郎の思慮不足のトバッチリを、子分の立場上避けることもできずにまともに受けたに過ぎない。

 そうであるのに両者を一緒くたに扱っている安倍晋三の頭の良さは相変わらずである。

 谷垣禎一幹事長と茂木敏充選対委員長の連名で各立候補者の陣営に対して出した慢心警告の通達だが、マスコミが報道した自民党圧倒的勝利の序盤情勢調査をどう受け止めるかは、全員が全員共子どもではなく、大の大人なのだから、各立候補者一人ひとりの心構えの問題であるはずである。

 であるのにも関わらず、谷垣禎一幹事長と茂木敏充選対委員長は連名で慢心警告の通達を出さなければならなかった。

 これは各立候補者全員を常識を備えた大の大人としてではなく、常識を弁えていない子どもとしての扱いをしたことになる。

 自ずと一人ひとりが考えて行動するという自律性(自立性)を基本としたシステムを両者間の関係構造としていないことになる。だから、何かにつけて、ああしなさい、こうしなさいといった上からの干渉、もしくは管理が必要になる。

 党が自律性(自立性)を基本とすることができずに各立候補者に対して一人ひとりが考えて行動することを任すことができないとうことは各立候補者に対して子離れをしていないことを意味する。

 各立候補者にしても、通達を受けて油断してはならないと自らを戒めたとしたら、親離れしていない証明としかならない。親に干渉や管理されたその範囲内で物事を考えていることになる。

 そのような自律性(自立性)を基本としていない議員が大挙して国会を3分の2前後も占拠することになったら、恐ろしいことではないだろうか。

 自民党が自党所属の各立候補者に対してではなく、報道機関に対して子ども扱いしている例の一つが安倍側近萩生田光一の報道機関に対する選挙報道の公正・中立を要請して文書を配布したとろこに見ることができる。

 報道機関は放送法と自らの常識に則って大人として報道に携わっている。もし大人として行動できずに放送法を踏み外したなら、放送法に従って裁かれることになる。それが報道機関が報道機関として示さなければならない自律性(自立性)であって、社会の他の分野はそれを尊重しなければならない。

 いくら過去に大人としての行動を踏み外した例があったからといって、現在踏み外してもいないのに踏み外す場合を危惧して、政治が報道機関に報道に関わる要請や要求を出すのは報道機関として備えている自律性(自立性)を尊重せず、子ども扱いしていることになる。

 また、子ども扱いをする資格は政治にはないはずである。

 12月2日、総務省が報道機関に対して子ども扱いの要請を出した。

 《第47回衆議院議員総選挙に係る当選確実の放送等に関する放送事業者等への要請》総務省情報流通行政局地上放送課/平成26年12月2日)   

 〈総務省は、本日公示された第47回衆議院議員総選挙に係る当選確実の放送等に関し、放送事業者等に対して要請を行います。

1 要請の対象及び方法

 日本放送協会、一般社団法人日本民間放送連盟、一般社団法人日本コミュニティ放送協会、一般社団法人衛星放送協会、一般社団法人日本ケーブルテレビ連盟、民間基幹放送事業者(文字多重放送のみを行う事業者並びに一般社団法人日本民間放送連盟、一般社団法人日本コミュニティ放送協会及び一般社団法人衛星放送協会に加盟している事業者を除く。)、衛星一般放送事業者(一般社団法人日本民間放送連盟及び一般社団法人衛星放送協会に加盟している事業者を除く。)及び自主放送を行う有線登録一般放送事業者(一般社団法人日本ケーブルテレビ連盟に加盟している事業者を除く。)に対し、情報流通行政局長名の本日付け文書で要請を行います。

2 要請の内容

 国政選挙は全ての国民の関心に係るものであり、当選確実の放送等については、関係者に多大な影響を及ぼすことから、放送法の趣旨にのっとり、放送に対する国民の信頼にこたえるよう、引き続き十分な配意をお願いすることとしました。〉・・・・・・・

 報道機関の自律性(自立性)と自律性(自立性)に関わる責任に任せることができずに、いちいち口を出す。

 安倍晋三と同じ国家主義者の下村博文文科相がかつて国会で次のように答弁している。

 下村博文「道徳に於いて、子供たちが、より、そのことによって、その時間によって、子供たちの自尊意識と、そして、ルールや社会のマナー、規範意識を含めて学ぶ場として、知徳体の、特に徳の部分が醸成されるような空間、時間をぜひつくっていきたいと思います」――

 下村博文「道徳教育は、国や民族、時代を超えて、人が人として生きるために必要な規範意識や社会性、思いやりの心など、豊な人間性を育み、一人一人が、自分に自信を持って、また、社会の責任ある構成者として幸福に生きる基盤をつくる上で不可欠なものであるというふう に思います」

 下村博文が言っている、「子供たちの自尊意識」、「ルールや社会のマナー」、「知徳体」、「規範意識や社会性」、「思いやりの心」、「豊な人間性」、「自信」、「社会の責任ある構成者」等は、いずれも自分で考えて責任を持って行動する自律性(自立性)を出発点としていなければ到達は覚束ない。

 子どもであろうと大人であろうと、自分で考えて行動できない、それゆえに責任意識に無縁な人間が規範意識や社会性を発揮できるまでになるだろうか。以下、同じことを言うことができる。

 自民党が組織として、各立候補者が個人として、一人ひとりが考えて行動する自律性(自立性)を基本とした、成熟した大人同士の関係を相互に築くことができずに道徳教育に特に熱心であるという矛盾は何を意味するのだろうか。

 答はただ一、党組織と各立候補者の関係構造に道徳教育の構造は自ずとマッチすることになるだろうから、ああしなさい、こうしなさいと上から植えつて、児童・生徒を大人になってからもいつまでも子どものように干渉できる存在、あるいは管理できる存在とする道徳教育の構造を持ってこなければならない。

 安倍晋三が特に執心している国家主義的道徳観を植えつけるにはそういった道徳教育の構造でこそ、より力を発揮できることは戦前の道徳教育が何よりも証明している。

 児童・生徒の側から言うと、上に言いなりになる存在となるということを意味する。そのような存在こそ、安倍晋三や下村博文等の国家主義者にとって、「規範意識や社会性」を備えていると看做されることになるはずだ。

 そのような存在とすることによって自民党議員として育って選挙に立候補したとき、ああしなさい、こうしなさいといった子ども扱いした通達が生きてくる。あるいは子ども扱いした通達を出すことができる。

 まさか衆院選序盤情勢調査自民党300議席超の勢いは有権者も子ども化していて、双方の子ども化が相互に反映し合って育まれることとなった親近性の結果ではないだろうとは思う。もしそうだとしたら、最悪である。

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