森友疑惑:虚偽混じりの答弁書の作成と決裁文書改竄は安倍晋三の指示が端緒とも、佐川宣寿主導とも解釈可能

2018-03-19 11:59:49 | 政治

安倍晋三:従軍慰安婦強制連行否定2007年3月16日閣議決定


「政府が発見した資料の中には、軍や官憲がいわゆる強制連行を
直接示すような記述も見当たらなかった」
とする
“政府発見資料”とは如何なる資料か、公表すべき

 2018年3月18日放送の「新報道2001」が今回の森友学園国有地売却に即して財務省理財局による局長佐川宣寿と安倍晋三相答弁書作成の流れを伝えていた。

 ① 野党議員から衆参各委員会に質問書(質問通告)が届く
 ② 財務省大臣官房文書課が財務省理財局(当時課長は佐川宣寿)に答弁書の作成を指示
 ③ 理財局国有財産企画課・課長補佐が答弁書作成
 ④ 理財局国有財産企画課・企画課長の了解
 ⑤ 理財局国有財産企画課・審議官の了解
 ⑥ 理財局国有財産企画課・次長の了解
 ⑦ 理財局長(佐川宣寿)に挙げられ、了解を取る
 ⑧ 財務省大臣官房文書課に上げられる
 ⑨ 財務大臣が関わる答弁の場合は財務大臣秘書官に提出。両者の間で内容や答弁の適否等の検討
 ⑩ 総理答弁の場合は答弁書は内閣参事官に上げられる。
 ⑪ 案件に応じて内閣参事官から首相秘書官(政務・財務・外務・経産・防衛・警察)に上げられ、各秘書官から官房長官、そして首相に伝えられる(以
   上)

 当時の財務省理財局長佐川宣寿は理財局国有財産企画課・課長補佐が作成し、関係担当者が稟議した答弁書に目を通してOKを出し、総理答弁に関する場合は内閣参事官や首相秘書官、さらに官房長官に上げられて最終的に総理が目を通し、各担当と検討して、詰める場合もあるだろうが、答弁内容を決定する。

 上記「新報道2001」は森友学園疑惑追及開始の2月17日衆議院予算委員会で安倍晋三が「(私や妻がこの認可あるいは国有地払い下げに)もし関わっていたのであれば、これはもう私は総理大臣をやめるということでありますから、それははっきりと申し上げたい」と国会答弁したことが国有地売却に関わった理財局に対するプレッシャーとなって安倍政権を守るために各文書で決裁した事実(改竄される前の文書で決裁した事実)とは異なる虚偽の事実を混じえた答弁書の作成に繋がったといった趣旨の疑惑を掲げている。

 と言うことは、佐川宣寿が局長であった財務省理財局に端を発した虚偽事実を混じえた答弁書の作成であり、佐川宣寿自身も虚偽の答弁書に即した虚偽答弁を行い、この虚偽答弁に整合性を与えるために決裁した事実を削除するなどして決裁事実を見えなくする、あるいは虚偽の事実に変えるなどして最終的に文書改竄を行ったことになるだけではなく、安倍晋三の国会答弁にしても、自身が与り知らない虚偽の答弁書に即して答弁していただけとなる。

 いわば佐川宣寿陰謀説を成り立たせると同時に安倍晋三潔白説を成り立たせることができる。
 
 森友学園に対する財務省理財局の国有地不当売却疑惑は2017年2月9日付の朝日新聞によって報道された。近畿財務局が慣例に反して売却額を非公表としたこと、森友学園側に契約違反があった場合、国が「1億3400万円」で買い戻す特約がついていたこと、買い戻し額と売却額が通常同じであることから、近畿財務局が2010年に公共随契で豊中市に売った価格約14億2300万円に対して「1億3400万円」の売却額となっている疑いがあること、籠池理事長が憲法改正を求めている日本会議大阪の役員であること、さらに安倍晋三夫人安倍昭恵が森友学園が国有地に建設予定の小学校の名誉校長に就任していることなどが記事内容となっている。

 この新聞報道が報道から8日後の2月17日衆議院予算委員会での安倍晋三の国会答弁、「関与していたなら、総理大臣を辞任する」の自身の潔白説に繋がったとしたら、潔白説に添う答弁書の作成を指示することは可能となる。

 少なくとも当時の森友学園籠池泰典が狂信的と言ってもいい程の安倍晋三信奉者であること、当初設立予定の小学校の名前を安倍晋三記念小学校名にしようと考えていたこと、安倍晋三と同じく右翼の政治集団「日本会議」に関係していること、小学校名誉校長に自身の妻が就任している等々の諸々の関係から、安倍昭恵に国有地売却に関わっているのかと尋ねるだけで終わらせることはなく、あるいは答弁書が作成されて上がってくるのを待つだけではなく、内閣官房長官の菅義偉なりを通して財務省理財局に対して売却交渉に安倍晋三と安倍昭恵に触れている事実経緯箇所の有無について尋ねたはずである。

 特に朝日新聞の上記報道から疑えば可能となる安倍晋三関与疑惑の否定に繋がる事実を欲するのは安倍晋三の立場上、必要に迫られる人情であり、理財局から上がってくる答弁書に否定の根拠となる確かな事実が含まれていることを望んだはずである。

 だが、決裁文書に籠池前理事長の「安倍昭恵総理夫人を現地に案内し、夫人からは『いい土地ですから、前に進めてください』とのお言葉をいただいた」との発言の記載がある事実、あるいは籠池泰典氏が「日本会議大阪」に関与していて、〈国会においては、日本会議と連携する組織として超党派による「日本会議国会議員懇談会」が平成9年5月に設立され、現在、役員には特別顧問として麻生太郎財務大臣、会長に平沼赳夫議員、副会長に安倍晋三総理らが就任〉(NHK NEWS WEB記事から)との記載がある事実等々を知らされた場合、安倍晋三関与疑惑説払拭には好ましからざる望んではいない事実となるばかりか、安倍晋三関与疑惑説払拭とは逆に安倍晋三関与疑惑説増幅一途の軌跡を取らない保証はないことになる。

 現実問題としても、決裁文書改竄の事実が表面化しない状況下でも、安倍晋三や理財局の強硬な疑惑否定の答弁は国民の疑惑を膨らませる現象を導き出す作用にしか役立ってはいない。決裁文書の事実が事実通りに公表されたら、どうなっただろうか。

 そして安倍晋三にとって決裁文書に記載された好ましからざる望んではいない事実の数々が削除されるに至った。 

 理財局が安倍昭恵の名前や安倍晋三の名前、さらに森友学園と価格交渉をした事実等を決裁文書から削除したことは両者に対する役人たちの忖度によって国有地が森友学園に不当に格安に売却されたのではないかとする安倍晋三にとって不都合な疑惑(現在では疑惑というよりも事実に限りなく近づいている)を同時に削除する行為に否応もなしに相当する。

 と言うことなら、「新報道2001」が報じていたように2月17日衆議院予算委員会での安倍晋三の関与否定答弁が理財局のプレッシャーとなって安倍政権を守るために虚偽答弁書の作成や決裁文書改竄の方向を取ったとのみ断言することは不可能で、関与否定の答弁を成り立たせる必要上、いわば自身が国会答弁した関与潔白説に添う答弁書の作成の必要上、安倍晋三の側から虚偽事実を混じえた答弁書の作成とそれを正当化するための決裁文書の改竄の指示が出た可能性は否定できない。

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