北大路機関

京都防衛フォーラム:榛名研究室/鞍馬事務室(OCNブログ:2005.07.29~/gooブログ:2014.11.24~)

KC-767派遣!国際連合エボラ緊急対応ミッション(UNMEER)自衛隊派遣

2014-11-30 23:53:20 | 防災・災害派遣
◆西アフリカ国際緊急援助空輸隊を編成
 防衛省は国際連合エボラ緊急対応ミッション(UNMEER)支援へ西アフリカ国際緊急援助空輸隊を編成し支援に充てる決定を行いました。

 これは西アフリカにおいて今年初頭より感染拡大が続くエボラ出血熱への国連主導の対応について、我が国へ防護服など医療支援委必要な装備品の提供要請があったことを受けてのもので、政府は11月28日、外務省を通じ20000着の防護服提供を決定し、この輸送のために自衛隊が派遣されるもの。

 空輸任務は西アフリカ国際緊急援助空輸隊を編成し行い、西アフリカ国際緊急援助空輸隊として小牧基地よりKC-767空中給油輸送機一機が派遣されます。従来はC-130輸送機をこの種の任務に充当してきましたが、航続距離の関係上日本からアフリカ方面へは数日間を要していましたが、10000km以上の航続距離と高い空輸能力をもつKC-767は現地へほぼ直行が可能です。

 KC-767は小牧基地より西アフリカのガーナへの輸送を計画しており、この為にガーナ国内へ外務省防衛省協同の現地調整所を設置、国際協力機構(JICA)および国際連合エボラ緊急対応ミッション(UNMEER)との連携で現地調整を行うとのことで、既に陸上自衛隊よりドイツ国内へEU及びNATOとの当該事案への司令部連絡要員を派遣しているところですが、さらに踏み込んだ形で事案への支援に当たる事となりました。

 西アフリカにおけるエボラ出血熱の流行に対する国際緊急援助活動問い続けられた今回の任務、現在の計画では、調整が予定通り進行した場合には12月6日にKC-767は小牧基地を離陸、12月8日にガーナへ到着するとのことです。供与される防護服は自衛隊の戦闘防護服などではなく、福島第一原子力発電所事故などにおいて使用されましたタイペックススーツと同種のものとみられます。

 エボラ出血熱は一時欧米への医療関係者の感染しての帰国などを通じ、世界への感染拡大という危惧がもたれたところですが、支持療法と呼ばれる下血や吐血を含む体液の流失分を点滴し抵抗力を保つことで致死率を大きく下げる事が出来る欧米での実例があり、依然として西アフリカ地域では一部で感染拡大阻止に成功したものの危機は続いていますが、基盤医療体制の確立により救命率を高められることから、我が国を始め欧米の支援が重要となり、一部と言えども今回の空輸はその達成に寄与することでしょう。

北大路機関:はるな
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コメント (4)
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