■アメリカのリスク
アメリカのリスク、としまして大統領選ポピュリズム台頭と国際公序再構築という視点から大きな変動の徴候を考えてみる事としましょう。
北朝鮮核実験準備、アメリカジョンズホプキンス大学の研究チームが衛星画像などからその兆候が、これまで確認された状況から更に進展しているとの分析を発表しました、ジョンズホプキンス大学は民間画像衛星から情報を集めており、核実験場付近での動きから解析したもので、これまでに地下坑道付近での除雪や車両の動きなど徴候が確認されてきました。
おりしも平壌で36年ぶりに実施されている朝鮮労働党党大会では核開発の成果が強調されています。他方で、北朝鮮は水爆実験を過去に実施し、水爆の核融合を誘発する原爆の核分裂が、そのまま核融合に誘発せず原爆の実が爆発するという失敗から進んでおらず、党大会において強調する核開発の成果を考える場合、五回目の核実験は水爆実験となる可能性が非常に高く、警戒を要する事案です。
北朝鮮の核政策に少なくない影響を与えているのはアメリカ大統領選でのアジア軍事軽視政策を掲げ、一種の軍事的孤立政策ともとれる公約を掲げるドナルドトランプ氏への支持の集まりです。実際には、民主党指名候補選により、優勢なクリントン候補と、事実上の共和党候補となったドナルドトランプ氏との大統領選の趨勢は見通しがたたないところ。
この中でも、軍事的な孤立主義を掲げるドナルドトランプ氏を共和党代表へ支持し挙げたアメリカ与論の大きな動きというものは無視する事が出来ません、韓国からの米軍撤退を掲げたドナルドトランプ氏の施策は、在韓米軍が撤退した場合、韓国は自国で北朝鮮の核圧力に対応する事が出来ず、戦力過小により抑止力を維持出来ず勃発した朝鮮戦争前夜の状況となるでしょう 。
過激な発言で知られつつ、ポピュリズム的手法により巧みに新しい支持層を開拓したアメリカ大統領選挙共和党候補に確定したドナルドトランプ氏が、共和党議員で下院議長であるライアン下院議員と来週12日にも会談を行うとのこと。既存政治家とのしがらみからの脱却を掲げ既存政党である共和党から出馬するトランプ氏は、議員経験や知事経験などは無く、ここを既存政治家からの距離として支持につなげた候補と、どのような討議が行われるのか、その内容は未知数ですが、大きな関心を以て見守りたいところです。
韓国核武装、という選択肢は無いには無いのですが、アメリカの撤退を明示した上での核開発を開始した場合、アメリカが積極的に韓国の核武装を支持しなければ韓国は日本をはじめ核拡散防止の世界秩序からの経済制裁に耐える事は出来ませんし、在韓米軍撤退の方針が明示された後に、仮にトランプ氏が大統領に就任するまでの期間では核武装は間に合わないでしょう。
更にアメリカの核は遺髪支持を抜きに核開発を進める事は難しい一方、確実に北朝鮮から韓国本土への核攻撃の口実となります、アメリカの勧告からの軍事的撤退は、その可能性示唆だけでも朝鮮半島の軍事情勢を致命的に悪化させ得るもので、我が国としては対岸の鍛冶では済まされない影響を与えます、何故ならば対岸の火事は核爆発となる可能性がある為で影響は計り知れません。
北朝鮮の金正恩第一書記は、36年ぶりに開催されている朝鮮労働党大会において、北朝鮮の保有する核兵器は主権が侵害されない限り使用しない、との立場を表明したと北朝鮮国営メディアにより発表されました。この注意すべき事項は北朝鮮の主権定義が明らかにされていない点であり、軍事境界線以北での主権であるのか。
この意味するところは、北朝鮮が繰り返し主張している南朝鮮傀儡政府という位置づけにある大韓民国からのアメリカ軍駐留や米韓軍事同盟そのものが北朝鮮の主権を侵害しているものでありアメリカが北朝鮮による韓国併合を認めない現在の米韓軍事関係そのものを北朝鮮が定義する主権に対しどのように判断しているかを明かしていない、という点が大きな問題となります。
主権定義を不明確としている問題は更に、核実験及びミサイル実験を契機として展開されている北朝鮮への経済制裁についても主権に対しどのような影響を与えているのかは未知数であり、現在の核開発への制裁を継続し北朝鮮による軍事境界線からの南進を行わない状況が維持されるのか、という視点から警戒すべき命題であり、核の先制使用を、現状が既に主権侵害として北朝鮮により一方的に正当化される状況であるならば、少なくとも核兵器を突き付けられているアメリカは自衛権の先制行使を念頭に対応を検討しなければなりません。
北大路機関:はるな くらま
(本ブログに掲載された本文及び写真は北大路機関の著作物であり、無断転載は厳に禁じる)
(本ブログ引用時は記事は出典明示・写真は北大路機関ロゴタイプ維持を求め、その他は無断転載と見做す)
アメリカのリスク、としまして大統領選ポピュリズム台頭と国際公序再構築という視点から大きな変動の徴候を考えてみる事としましょう。
北朝鮮核実験準備、アメリカジョンズホプキンス大学の研究チームが衛星画像などからその兆候が、これまで確認された状況から更に進展しているとの分析を発表しました、ジョンズホプキンス大学は民間画像衛星から情報を集めており、核実験場付近での動きから解析したもので、これまでに地下坑道付近での除雪や車両の動きなど徴候が確認されてきました。
おりしも平壌で36年ぶりに実施されている朝鮮労働党党大会では核開発の成果が強調されています。他方で、北朝鮮は水爆実験を過去に実施し、水爆の核融合を誘発する原爆の核分裂が、そのまま核融合に誘発せず原爆の実が爆発するという失敗から進んでおらず、党大会において強調する核開発の成果を考える場合、五回目の核実験は水爆実験となる可能性が非常に高く、警戒を要する事案です。
北朝鮮の核政策に少なくない影響を与えているのはアメリカ大統領選でのアジア軍事軽視政策を掲げ、一種の軍事的孤立政策ともとれる公約を掲げるドナルドトランプ氏への支持の集まりです。実際には、民主党指名候補選により、優勢なクリントン候補と、事実上の共和党候補となったドナルドトランプ氏との大統領選の趨勢は見通しがたたないところ。
この中でも、軍事的な孤立主義を掲げるドナルドトランプ氏を共和党代表へ支持し挙げたアメリカ与論の大きな動きというものは無視する事が出来ません、韓国からの米軍撤退を掲げたドナルドトランプ氏の施策は、在韓米軍が撤退した場合、韓国は自国で北朝鮮の核圧力に対応する事が出来ず、戦力過小により抑止力を維持出来ず勃発した朝鮮戦争前夜の状況となるでしょう 。
過激な発言で知られつつ、ポピュリズム的手法により巧みに新しい支持層を開拓したアメリカ大統領選挙共和党候補に確定したドナルドトランプ氏が、共和党議員で下院議長であるライアン下院議員と来週12日にも会談を行うとのこと。既存政治家とのしがらみからの脱却を掲げ既存政党である共和党から出馬するトランプ氏は、議員経験や知事経験などは無く、ここを既存政治家からの距離として支持につなげた候補と、どのような討議が行われるのか、その内容は未知数ですが、大きな関心を以て見守りたいところです。
韓国核武装、という選択肢は無いには無いのですが、アメリカの撤退を明示した上での核開発を開始した場合、アメリカが積極的に韓国の核武装を支持しなければ韓国は日本をはじめ核拡散防止の世界秩序からの経済制裁に耐える事は出来ませんし、在韓米軍撤退の方針が明示された後に、仮にトランプ氏が大統領に就任するまでの期間では核武装は間に合わないでしょう。
更にアメリカの核は遺髪支持を抜きに核開発を進める事は難しい一方、確実に北朝鮮から韓国本土への核攻撃の口実となります、アメリカの勧告からの軍事的撤退は、その可能性示唆だけでも朝鮮半島の軍事情勢を致命的に悪化させ得るもので、我が国としては対岸の鍛冶では済まされない影響を与えます、何故ならば対岸の火事は核爆発となる可能性がある為で影響は計り知れません。
北朝鮮の金正恩第一書記は、36年ぶりに開催されている朝鮮労働党大会において、北朝鮮の保有する核兵器は主権が侵害されない限り使用しない、との立場を表明したと北朝鮮国営メディアにより発表されました。この注意すべき事項は北朝鮮の主権定義が明らかにされていない点であり、軍事境界線以北での主権であるのか。
この意味するところは、北朝鮮が繰り返し主張している南朝鮮傀儡政府という位置づけにある大韓民国からのアメリカ軍駐留や米韓軍事同盟そのものが北朝鮮の主権を侵害しているものでありアメリカが北朝鮮による韓国併合を認めない現在の米韓軍事関係そのものを北朝鮮が定義する主権に対しどのように判断しているかを明かしていない、という点が大きな問題となります。
主権定義を不明確としている問題は更に、核実験及びミサイル実験を契機として展開されている北朝鮮への経済制裁についても主権に対しどのような影響を与えているのかは未知数であり、現在の核開発への制裁を継続し北朝鮮による軍事境界線からの南進を行わない状況が維持されるのか、という視点から警戒すべき命題であり、核の先制使用を、現状が既に主権侵害として北朝鮮により一方的に正当化される状況であるならば、少なくとも核兵器を突き付けられているアメリカは自衛権の先制行使を念頭に対応を検討しなければなりません。
北大路機関:はるな くらま
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