■同盟の相益
トランプ氏が掲げるアメリカファースト米国最優先主義について、これが孤立政策に進むではないかとの批判があります。

つまり、アメリカファースト米国最優先主義は、世界がアメリカファースト米国最優先主義に共感する地域が限られている為、アメリカが一国でアメリカファースト米国最優先主義を享受できる地域まで勢力圏を縮小する、という意味合いとも受け取れます。トランプ氏が政策として提言した日韓の核保有容認は着手した時点で核不拡散秩序が根本から崩壊し、結果的に核拡散を招くばかりか、破綻国家への核兵器流入とそれらを用いた、アメリカ国内を含めた核兵器によるテロの危険、文字通りトムクランシーの小説「恐怖の総和」のような世界危機に繋がる危険があります。

イスラム教徒の入国禁止とメキシコとの壁建設は小松左京氏の「アメリカの壁」程ではなくとも世界からの孤立を非としない姿勢に他なりません。もちろん、在日米軍と在韓米軍の撤退と引き換えに例えばフィリピンやヴェトナムへの兵力移駐、移駐ならば日本側にも妥協の余地はあるでしょう、米軍の本土への撤収が前提である以上、日韓への防衛協力を解消しフィリピンヴェトナムへの転換、可能性はこれまでの発言を見る限りありませんが、在日米軍の多くを在比米軍に切り替えフィリピンのスービックへ、というようなかたちで、と。

もちろん、これは日本駐留にこれ以上の待遇をアメリカが求めるという状況において日本側が、米軍の娯楽費用や家族用施設建設費まで負担している現状以上の負担を国民に納得させられない場合を示しますが、更に空母ロナルドレーガンと水上戦闘艦の大半を移転し厚木の空母航空団も岩国ではなくクラークフィールドに移駐する、第31海兵遠征群と隷下航空部隊はヴェトナムのダナンに移駐させる、横田基地と横浜補給施設及び相模原総合補給処を自衛隊へ全面移管し、全て嘉手納基地に移駐させ第五空軍司令部機能のみ自衛隊の府中基地か入間基地に移転する。

日本に残るのは広弾薬庫など後方支援施設と嘉手納基地及び佐世保基地を中心とした施設で、返還された部分に戦力均衡を図る為に自衛隊を増設し、本土防衛を充分担える体制を構築してほしい、こうアメリカが要請するならば、日本としても、在日米軍大規模削減を念頭とした防衛計画の大綱改訂、手続きを経て防衛力の増強再編という方式が可能でしょう。

他方で単純な負担増を日本に求める事は日本の会計制度から生じる弊害がアメリカの弊害に確実につながります、在日米軍駐留経費一部負担金は、防衛費から形状されているため、防衛費の総額という視点から事実上上限がある中で米軍駐留経費を増額すれば、自衛隊のさらなる縮小に繋がります、すると、米軍は平時の警戒監視活動に対し自衛隊との統合運用を実施する態勢には、例えば対領空侵犯措置任務や海上警備行動での正面へ参加しないという意味において、寄与していませんので自衛隊以上に平時に役に立たない米軍不要論が生じます。

更に防衛費における米軍負担金の増大による自衛隊の様々な装備計画への影響は自衛隊を弱体化させ、米軍との能力格差が拡大しかねません。すると、共同作戦を展開する事も能力的に不能となりますので、米軍の負担は単純に増大するばかりか、防衛費から捻出される米軍駐留経費の関係上、日本防衛費の予算全体への水準だけは増大します。この予算と任務と装備の不均衡は、日米同盟を根本から形骸化させ、同様の動きは韓国などでも条件が同じ以上生じ、西太平洋からの米軍排除の流れが同盟国からも加速するとの危惧です。

実は、この部分が問題でして日米安全保障条約は双務的なものとなっているのです、実際のところ、前述の自由から日本本土を陸上戦力により占領する事は、日本が専守防衛を意識し陸上防衛力を基点に海空防衛力を整備している範囲内においては本土を防衛しうるものです。しかし、日本の戦力投射能力は、平和憲法の制約と共に防衛力の質や量合わせ、アジア地域全域を防護するには不十分であると共に、太平洋戦争の敗戦と共にその選択肢を防衛体系から排除しました。

その上で、米軍は政権が安定し、且つ安全な日本本土へ防衛力を展開させることで、平和憲法の観点から限界である遠大なシーレーン防衛を、アメリカの戦力投射能力に期待した、という構図がある訳です。他方、アメリカもアジア地域の安定により得ている経済的な恩恵は非常に大きいことが実情です。
北大路機関:はるな くらま
(本ブログに掲載された本文及び写真は北大路機関の著作物であり、無断転載は厳に禁じる)
(本ブログ引用時は記事は出典明示・写真は北大路機関ロゴタイプ維持を求め、その他は無断転載と見做す)
トランプ氏が掲げるアメリカファースト米国最優先主義について、これが孤立政策に進むではないかとの批判があります。

つまり、アメリカファースト米国最優先主義は、世界がアメリカファースト米国最優先主義に共感する地域が限られている為、アメリカが一国でアメリカファースト米国最優先主義を享受できる地域まで勢力圏を縮小する、という意味合いとも受け取れます。トランプ氏が政策として提言した日韓の核保有容認は着手した時点で核不拡散秩序が根本から崩壊し、結果的に核拡散を招くばかりか、破綻国家への核兵器流入とそれらを用いた、アメリカ国内を含めた核兵器によるテロの危険、文字通りトムクランシーの小説「恐怖の総和」のような世界危機に繋がる危険があります。

イスラム教徒の入国禁止とメキシコとの壁建設は小松左京氏の「アメリカの壁」程ではなくとも世界からの孤立を非としない姿勢に他なりません。もちろん、在日米軍と在韓米軍の撤退と引き換えに例えばフィリピンやヴェトナムへの兵力移駐、移駐ならば日本側にも妥協の余地はあるでしょう、米軍の本土への撤収が前提である以上、日韓への防衛協力を解消しフィリピンヴェトナムへの転換、可能性はこれまでの発言を見る限りありませんが、在日米軍の多くを在比米軍に切り替えフィリピンのスービックへ、というようなかたちで、と。

もちろん、これは日本駐留にこれ以上の待遇をアメリカが求めるという状況において日本側が、米軍の娯楽費用や家族用施設建設費まで負担している現状以上の負担を国民に納得させられない場合を示しますが、更に空母ロナルドレーガンと水上戦闘艦の大半を移転し厚木の空母航空団も岩国ではなくクラークフィールドに移駐する、第31海兵遠征群と隷下航空部隊はヴェトナムのダナンに移駐させる、横田基地と横浜補給施設及び相模原総合補給処を自衛隊へ全面移管し、全て嘉手納基地に移駐させ第五空軍司令部機能のみ自衛隊の府中基地か入間基地に移転する。

日本に残るのは広弾薬庫など後方支援施設と嘉手納基地及び佐世保基地を中心とした施設で、返還された部分に戦力均衡を図る為に自衛隊を増設し、本土防衛を充分担える体制を構築してほしい、こうアメリカが要請するならば、日本としても、在日米軍大規模削減を念頭とした防衛計画の大綱改訂、手続きを経て防衛力の増強再編という方式が可能でしょう。

他方で単純な負担増を日本に求める事は日本の会計制度から生じる弊害がアメリカの弊害に確実につながります、在日米軍駐留経費一部負担金は、防衛費から形状されているため、防衛費の総額という視点から事実上上限がある中で米軍駐留経費を増額すれば、自衛隊のさらなる縮小に繋がります、すると、米軍は平時の警戒監視活動に対し自衛隊との統合運用を実施する態勢には、例えば対領空侵犯措置任務や海上警備行動での正面へ参加しないという意味において、寄与していませんので自衛隊以上に平時に役に立たない米軍不要論が生じます。

更に防衛費における米軍負担金の増大による自衛隊の様々な装備計画への影響は自衛隊を弱体化させ、米軍との能力格差が拡大しかねません。すると、共同作戦を展開する事も能力的に不能となりますので、米軍の負担は単純に増大するばかりか、防衛費から捻出される米軍駐留経費の関係上、日本防衛費の予算全体への水準だけは増大します。この予算と任務と装備の不均衡は、日米同盟を根本から形骸化させ、同様の動きは韓国などでも条件が同じ以上生じ、西太平洋からの米軍排除の流れが同盟国からも加速するとの危惧です。

実は、この部分が問題でして日米安全保障条約は双務的なものとなっているのです、実際のところ、前述の自由から日本本土を陸上戦力により占領する事は、日本が専守防衛を意識し陸上防衛力を基点に海空防衛力を整備している範囲内においては本土を防衛しうるものです。しかし、日本の戦力投射能力は、平和憲法の制約と共に防衛力の質や量合わせ、アジア地域全域を防護するには不十分であると共に、太平洋戦争の敗戦と共にその選択肢を防衛体系から排除しました。

その上で、米軍は政権が安定し、且つ安全な日本本土へ防衛力を展開させることで、平和憲法の観点から限界である遠大なシーレーン防衛を、アメリカの戦力投射能力に期待した、という構図がある訳です。他方、アメリカもアジア地域の安定により得ている経済的な恩恵は非常に大きいことが実情です。
北大路機関:はるな くらま
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