■掃海隊群へFFM護衛艦22隻
伊勢湾機雷戦訓練四日市港入港の速報記事と共に可能性についてみました全通飛行甲板型護衛艦の掃海隊群編入という可能性について。
ひゅうが、いせ、将来的に掃海隊群へ配属される可能性はないか。掃海母艦うらが、ぶんご、代替として指揮統制能力と航空機運用能力に長けたヘリコプター搭載護衛艦が転用される可能性はないでしょうか。なにをいきなり、と思われるかもしれませんが、掃海隊群は新防衛大綱下で大幅に増強されることとなります。能力的にも、規模という意味でも。
伊勢湾掃海訓練の撮影を行うと共に、ひゅうが、いせ、掃海隊群移管の可能性に気付かされたのは掃海母艦うらが、ぶんご後継艦はどうなるのか、という視点が一つ、もう一つは30FFMという護衛艦が今後掃海隊群へ大量配備が行われ、実質沿岸防衛任務を担う第二護衛艦隊との改編が行われる実情が一つ、そして2個隊群化される掃海隊群と2隻の艦です。
ひゅうが型護衛艦2隻は今後も護衛艦隊の主力を担うと考えているのですが、いずも型護衛艦へF-35B搭載の検討が為される中、ひゅうが型の話題が置き去りになっている印象、そして30FFMを多数運用する拡大後の掃海隊群には指揮中枢艦が必要であり、掃海隊群へ配備される輸送艦おおすみ型支援へ航空中枢艦が必要である視点、以上から気付いたもの。
30FFM、3900t型護衛艦として建造される新しい護衛艦は、FF,つまりフリゲイトという従来の艦隊用護衛艦をしめすDDでも沿岸用護衛艦を示すDEでもない符号に加えて、機雷戦を意味するMを冠してFFMとなります。この30FFMは22隻程度、最大で26隻が量産されるとされていまして、護衛艦隊ではなく掃海隊群へ配備されることとなっています。
新哨戒艦、1000t程度の新区分艦艇ですが、こちらも従来は沿岸防備にあたった地方隊ではなく掃海隊群へ配備されるとのこと。このため、掃海艇などの機雷戦艦艇は逆に縮小して、現在の28隻から18隻へ大きく縮小されることとなり、地方隊へ各1掃海隊を維持するならば、掃海隊群に純粋な掃海艦艇は深深度機雷掃討用の掃海艦3隻程度しか残りません。
おおすみ型輸送艦、海上自衛隊が誇る3隻のドック型揚陸艦型輸送艦は現在、従来の自衛艦隊直轄部隊を離れ掃海隊群隷下にあります。これは水陸両用作戦における指揮通信能力の充実とともに沿岸掃海が水陸両用作戦正否に直結する為の施策として改編が行われました。すると、掃海隊群は機雷戦と並び水陸両用作戦と水上打撃戦闘が新たに任務へ加わる。
掃海母艦2隻、護衛艦22隻、哨戒艦12隻、掃海艦3隻、輸送艦3隻、哨戒艦は地方隊配備の可能性もありますが、これが新防衛大綱完成時の掃海隊群の陣容です。一昔の護衛艦隊に並ぶ規模でして群編成は艦隊編成となり、機動運用部隊である護衛艦隊と編成上の指揮階梯では同格になる。すると、機雷戦能力や母艦能力で、現在の掃海母艦うらが型には限界が生じる可能性を認識せねば成りません。
ひゅうが型2隻が掃海隊群へ転用されたならば、30FFMの速度に十分随伴できますし、FCS-3による僚艦防空能力という限定的な艦隊防空能力はSEA-RAM簡易防空ミサイル頼りの限られた個艦防空能力しかもたない30FFMを補完できるでしょうし、ひゅうが型搭載のMCH-101掃海輸送ヘリコプターを用いれば、ヴァートレップ補給も機雷敷設も可能に。
30FFMは機雷探知装置と水中UUVに機雷処理弾薬を用いて掃海任務に当たる、機雷掃討を重視した構造を採用します。これは機雷掃海に充てた場合、30FFMでは掃海艇とちがい機雷被害を受ける可能性があるためですね。すると本格的な掃海艇以上に最初に実施される航空掃海の能力重要度が高まる一方、うらが型の航空支援能力は船体規模から限られる。
逆に、ひゅうが型。いずも型2隻、護衛艦隊には4個護衛隊群がありますので、各護衛隊群の能力を共通化させるには、更に護衛艦いずも型を2隻増強する必要があります。故にヘリコプター搭載護衛艦2隻の増強が行われない限り、ひゅうが型掃海隊群転用はあり得ません、しかし、ひゅうが型と、いずも型の性能差、大きさの違いがあるのもまた事実だ。
ただ、新防衛大綱においてF-35B搭載改修が決定した最新鋭のヘリコプター搭載護衛艦いずも型にたいして、同じ全通飛行甲板型構造を採用しつつ一回り小型の護衛艦ひゅうが型へはF-35B搭載の検討報道さえ具体化しない現状をみますと本論の様な、ひゅうが型護衛艦を護衛隊群以外の用途へ運用する検討が一方にあるのではないか、と考えてしまいます。
北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ
(本ブログに掲載された本文及び写真は北大路機関の著作物であり、無断転載は厳に禁じる)
(本ブログ引用時は記事は出典明示・写真は北大路機関ロゴタイプ維持を求め、その他は無断転載と見做す)
(第二北大路機関: http://harunakurama.blog10.fc2.com/記事補完-投稿応答-時事備忘録をあわせてお読みください)
伊勢湾機雷戦訓練四日市港入港の速報記事と共に可能性についてみました全通飛行甲板型護衛艦の掃海隊群編入という可能性について。
ひゅうが、いせ、将来的に掃海隊群へ配属される可能性はないか。掃海母艦うらが、ぶんご、代替として指揮統制能力と航空機運用能力に長けたヘリコプター搭載護衛艦が転用される可能性はないでしょうか。なにをいきなり、と思われるかもしれませんが、掃海隊群は新防衛大綱下で大幅に増強されることとなります。能力的にも、規模という意味でも。
伊勢湾掃海訓練の撮影を行うと共に、ひゅうが、いせ、掃海隊群移管の可能性に気付かされたのは掃海母艦うらが、ぶんご後継艦はどうなるのか、という視点が一つ、もう一つは30FFMという護衛艦が今後掃海隊群へ大量配備が行われ、実質沿岸防衛任務を担う第二護衛艦隊との改編が行われる実情が一つ、そして2個隊群化される掃海隊群と2隻の艦です。
ひゅうが型護衛艦2隻は今後も護衛艦隊の主力を担うと考えているのですが、いずも型護衛艦へF-35B搭載の検討が為される中、ひゅうが型の話題が置き去りになっている印象、そして30FFMを多数運用する拡大後の掃海隊群には指揮中枢艦が必要であり、掃海隊群へ配備される輸送艦おおすみ型支援へ航空中枢艦が必要である視点、以上から気付いたもの。
30FFM、3900t型護衛艦として建造される新しい護衛艦は、FF,つまりフリゲイトという従来の艦隊用護衛艦をしめすDDでも沿岸用護衛艦を示すDEでもない符号に加えて、機雷戦を意味するMを冠してFFMとなります。この30FFMは22隻程度、最大で26隻が量産されるとされていまして、護衛艦隊ではなく掃海隊群へ配備されることとなっています。
新哨戒艦、1000t程度の新区分艦艇ですが、こちらも従来は沿岸防備にあたった地方隊ではなく掃海隊群へ配備されるとのこと。このため、掃海艇などの機雷戦艦艇は逆に縮小して、現在の28隻から18隻へ大きく縮小されることとなり、地方隊へ各1掃海隊を維持するならば、掃海隊群に純粋な掃海艦艇は深深度機雷掃討用の掃海艦3隻程度しか残りません。
おおすみ型輸送艦、海上自衛隊が誇る3隻のドック型揚陸艦型輸送艦は現在、従来の自衛艦隊直轄部隊を離れ掃海隊群隷下にあります。これは水陸両用作戦における指揮通信能力の充実とともに沿岸掃海が水陸両用作戦正否に直結する為の施策として改編が行われました。すると、掃海隊群は機雷戦と並び水陸両用作戦と水上打撃戦闘が新たに任務へ加わる。
掃海母艦2隻、護衛艦22隻、哨戒艦12隻、掃海艦3隻、輸送艦3隻、哨戒艦は地方隊配備の可能性もありますが、これが新防衛大綱完成時の掃海隊群の陣容です。一昔の護衛艦隊に並ぶ規模でして群編成は艦隊編成となり、機動運用部隊である護衛艦隊と編成上の指揮階梯では同格になる。すると、機雷戦能力や母艦能力で、現在の掃海母艦うらが型には限界が生じる可能性を認識せねば成りません。
ひゅうが型2隻が掃海隊群へ転用されたならば、30FFMの速度に十分随伴できますし、FCS-3による僚艦防空能力という限定的な艦隊防空能力はSEA-RAM簡易防空ミサイル頼りの限られた個艦防空能力しかもたない30FFMを補完できるでしょうし、ひゅうが型搭載のMCH-101掃海輸送ヘリコプターを用いれば、ヴァートレップ補給も機雷敷設も可能に。
30FFMは機雷探知装置と水中UUVに機雷処理弾薬を用いて掃海任務に当たる、機雷掃討を重視した構造を採用します。これは機雷掃海に充てた場合、30FFMでは掃海艇とちがい機雷被害を受ける可能性があるためですね。すると本格的な掃海艇以上に最初に実施される航空掃海の能力重要度が高まる一方、うらが型の航空支援能力は船体規模から限られる。
逆に、ひゅうが型。いずも型2隻、護衛艦隊には4個護衛隊群がありますので、各護衛隊群の能力を共通化させるには、更に護衛艦いずも型を2隻増強する必要があります。故にヘリコプター搭載護衛艦2隻の増強が行われない限り、ひゅうが型掃海隊群転用はあり得ません、しかし、ひゅうが型と、いずも型の性能差、大きさの違いがあるのもまた事実だ。
ただ、新防衛大綱においてF-35B搭載改修が決定した最新鋭のヘリコプター搭載護衛艦いずも型にたいして、同じ全通飛行甲板型構造を採用しつつ一回り小型の護衛艦ひゅうが型へはF-35B搭載の検討報道さえ具体化しない現状をみますと本論の様な、ひゅうが型護衛艦を護衛隊群以外の用途へ運用する検討が一方にあるのではないか、と考えてしまいます。
北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ
(本ブログに掲載された本文及び写真は北大路機関の著作物であり、無断転載は厳に禁じる)
(本ブログ引用時は記事は出典明示・写真は北大路機関ロゴタイプ維持を求め、その他は無断転載と見做す)
(第二北大路機関: http://harunakurama.blog10.fc2.com/記事補完-投稿応答-時事備忘録をあわせてお読みください)