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京都防衛フォーラム:榛名研究室/鞍馬事務室(OCNブログ:2005.07.29~/gooブログ:2014.11.24~)

【京都発幕間旅情】江田島練習艦隊には牡蠣筏が良く似合う,海辺で頂く牡蠣バター焼き山盛り

2021-05-27 20:09:55 | グルメ
■五月二十七日は海軍記念日
 本日は海軍記念日、そして昨日練習艦隊が遠洋航海へ呉から出航しました事を記念し江田島の話題を。牡蠣、江田島を探訪しますとどうしても考えてしまいます。

 江田島。海上自衛隊幹部候補生学校と大地術科学校が置かれている明治時代からの海軍中枢、現代風に表現するならば海上防衛中枢です。幹部候補生学校からは毎年三月に近海練習航海部隊と外洋練習航海部隊が、揃って江田島を卒業し勇躍世界へ初の航海へと旅立つ。

 山陽新幹線広島駅。広島駅から江田島練習艦隊を撮影するには、式典実施の江田島基地へ向かうならばこのまま呉線乗換、艦隊出航を撮影するには広島市電で広島宇品港へ向かい路面電車から江田島高速船へ乗換まして、高田港まで25分の船旅で向かう事が出来ます。

 広島駅に新幹線が到着したらばまず最初に行う事は、まあ電車を降りるのは当たり前として、駅弁売り場にて杓文字牡蠣飯弁当を購入することです。人気の駅弁という事でして、しかし練習艦隊出航の際には比較的早い時間帯に到着しますのでまだ店頭で売られている。

 杓文字牡蠣飯弁当。駅弁は色々あるのですが、この杓文字牡蠣飯弁当は五本指に入るものといえるかもしれません、名古屋とり飯弁当と横浜シウマイ弁当、敦賀鯛押し寿司弁当なんかと並ぶ一品で、牡蠣づくしといいますか、広島にやってきたのだ、と実感する一品だ。

 牡蠣。江田島と云えば海軍中枢であるとともに昭和初期の時代から牡蠣筏による牡蠣養殖が盛んでして、実はここに思い出の場所があります。牡蠣といえば高級品という印象ではあるのですが、産地はそれ程でもないという。鳥取の蟹や大洗の鮟鱇で後に知るのですが。

 鉄板焼き。広島風お好み焼きというよりは鉄板焼きと表現したいところではあるのですが、ここは造船の街でもある故に鋼材を利用しての鉄板焼き、元々鉄板焼きは造船の余剰鋼材から始まったという正に本場だ、ここで練習艦隊出航まで美味しく時間を過ごしたのです。

 高田港近くの水産会社の鉄板焼き、実はこのお店はもう営業しておらず牡蠣養殖と通販に特化してしまった故に今は幻の情景なのですが、店先が練習艦隊出航を真正面から見られるという好立地で、一つお好み焼きでも食べてゆこうか、気軽な気分で注文したのですね。

 牡蠣鉄板焼きも500円で出来ます、との事でしたので、二つ三つか牡蠣を頂いて気力充実の上で練習艦隊出航を撮影しよう、と注文しますと、女将さんが徐に山盛りの牡蠣を葱とバターで炒め始める。成程昼時だし他の従業員さんのも一挙に焼いてしまうのかと感心へ。

 バターの薫り高い牡蠣。驚いたのはその直後でして、全部わたしのお皿に載せられてそのまま、はい一丁上がり、と出てきたのですね。そして練習艦隊出航に纏わる世間話、昔はもっと多くの練習艦が、とか近所のお婆さんが戦時中の江田島空襲を実際みていて、とか。

 牡蠣というと高級品でして、まあ、錦のオイスターバーなんかでは一つ300円で大サービスという表現なのですけれども、江田島では、これ。しかも水揚げから一時間少々、知っていましたか、水揚げ直後の焼き牡蠣は生牡蠣のような磯の香と焼きの香ばしさが揃う。

 美味い、一つ抓んで口に運び広がる鉄分の様な瑞々しさのような、そしてきつい牡蠣の香りと上回る芳醇な身の締りが美味しい。しかし問題なのはこの大きさで一つ一つが贅沢に腕時計並の巨大さで、と食べていて気付きました、あ、練習艦隊出航まであと十分だ、と。

 練習艦隊出航、実はこの日は朝からの悪天候で航空部隊は飛行不可能、という状況でした。しかしもう一皿食べたいな、でもあと三十分で閉店というし、また来よう、さて練習艦隊だ、と出発しました次第です。実際500円で牡蠣山盛り、これは凄い経験だったのですね。

 牡蠣筏。なるほど艦隊だけを撮影したい方には、牡蠣筏が邪魔だなあ、という声を聞くのですけれども、いやいや、これが江田島らしさでして、江田島の写真を撮影に居ているのだからと考える当方、しかしその牡蠣筏はこんな美味しい御馳走を養殖していたのですね。

 新幹線で広島と京都は近くなった、早朝組にはかなわないかもしれませんが、海田市駐屯地祭や岩国フレンドシップデイなんかは新幹線始発でもけっこう何とかなる様にも思います。岩国の場合は折畳自転車輪行と有料席確保が条件なのですようけれども、新幹線速い。

 江田島連取艦隊出航は毎年撮影する機会に恵まれています、毎年はこの撮影位置から撮影しようか、そしてどの高速船の便で江田島高田港へ向おうか、と考えると共に、しかし、あの高田港水産会社の牡蠣筏、その隣でまた牡蠣を頂ければ、なあ、値段は仮に数倍でも。

 広島駅、実のところここ数年は広島の牡蠣といいますと広島駅で手早く頂く事がおおくなっています、帰路の新幹線ぎりぎりの時間まで牡蠣を頂ける、もちろんお酒も。それでも下記のお値段は牡蠣筏から百数十メートルの産地で頂くよりはだいぶんと高くなるという。

 城下町広島、広島駅は中国地方最大の大都市であるとともに観光地でもあります、しかし気になる大混雑具合ではあるのですが、幸か不幸か練習艦隊出航の季節ともなりますと、実は観光シーズンを少し離れている故に、駅商店街もそれほど混雑していないのですね。

 蛸刺身。そう、瀬戸内と云えば蛸が名産でもあり、昔の旧海軍回顧録などをみますと防波堤の隙間に腕を突っ込んでいますと蛸が絡み付いてきますので、駆逐艦など気心の知れた艦艇では蛸の刺身で自衛隊と違い当時は艦内飲酒が可能でしたので肴とできた記録もある。

 牡蠣バター焼き。江田島では女将さんが焼き上げてくれましたが、ここでは筋骨隆々逞しい大将が力いっぱい焼き上げて湯気と牡蠣脂が爆ぜる中でこてにてすっと素早く皿の上に踊り上げるように載せる、じくりとビールやレモンチューハイで蛸を突きつつ待つのです。

 実際広島の牡蠣は美味い、あの“艦隊これくしょん陽炎抜錨します”でも呉れと云えば牡蠣、とでてくるほどです。ちちちと未だ音立てる牡蠣を徐に箸でビールと口に運びますといつも通りの期待通りの、滋味と香りが溢れ、広島に来たのだなあと再確認できるのだが。

 小用港、江田島の小用という呉港とフェリーが結ぶ港では観光用に牡蠣の浜焼きをやっている、そんな話題を最近知りまして、なるほど殻つきの牡蠣を大火力で一気に焼き上げて清酒やビールで頂くという。それならば今度行ってみたいなと思いで至りつつ目の前へと。

 広島風お好み焼きを併せて頂く。新幹線のぞみ号ではなく山陽新幹線なのですから指定席さくら号を、九州新幹線乗り入れの新幹線さくら号は指定席が二列二列の東海道新幹線のグリーン車並みの広さに余裕があり乗り心地良い。それまで一献傾けお好み焼きを頬張る。

 岩国日米友好祭や第13旅団創設記念海田市駐屯地祭の際、もう五年以上実施されていませんが呉地方隊広島湾展示訓練、実施されるならば、今度はもう少し余裕ある期間をゆったりと、美味しい牡蠣を安く頂ける穴場的な場所を、この広島名産の美味しい名物の事とともにもっともっと広島散策してみたいですね。

北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ
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