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ウクライナ情勢-ヴェリカノヴォシルカ東方に迫るロシア軍脅威とウフレダール失陥の影響

2024-12-06 07:00:32 | 防衛・安全保障
■防衛情報-ウクライナ情勢
 東部戦線がかなり危険な事になっていましてなにか日本から送る事が出来ればとおもう程に。

 ドネツク州においてロシア軍がヴェリカノヴォシルカ東方へ急速に進出している、イギリス国防省ウクライナ戦況報告12月1日付版によれば、ロシア軍が戦線全体の要衝に進んでいる状況を示しました。ヴェリカノヴォシルカは2022年のロシアウクライナ戦争開戦以来最前線に位置しており、ウクライナの防衛線の要衝として機能してきた拠点です。

 ヴェリカノヴォシルカについて、2022年にロシア軍が圧迫を強化していましたが、ウクライナは2023年に実施された反攻作戦の一環として、ヴェリカノヴォシルカ南側の地域の奪還に成功しています。このヴェリカノヴォシルカを巡る状況は10月初旬のウフレダール陥落が大きく影響しています。ウフレダール陥落はロシア軍の侵攻を大きく強めた。

 ウフレダールは都市部を結ぶ防衛線の要衝であった。ヴェリカノヴォシルカとウフレダールは30㎞を隔てていますが、交通要衝であり、この失陥によりドネツク州西部の広い地域へロシア軍進出が顕著化していて、一連の情勢の結果、ロシア軍はウクライナ防衛線の背後から攻撃を仕掛け、ドネツクに繋がる主要兵站路に脅威を及ぼしている状況です。

 全般状況について、ISWアメリカ戦争研究所11月30日付ウクライナ戦況報告によれば、ウクライナ軍はハリコフ市の北に位置するフリボケ南東で陣地回復に成功、しかしロシア軍はポクロフスクの南にあたるフリホリフカ北東で前進に成功したほか、フリホリフカの南西にあるユリフカを占領しさらに南西に前進しているとのこと。

 更にクラホフの北西とヴフレダールの北西でわずかに前進との分析しています。加えてチャシフヤール近郊防衛を受け持つウクライナ旅団の指揮官の発言によれば、ロシア軍が町のウクライナ軍を迂回し、チャシフヤールを北と南から側面攻撃しようとしている兆候があると報告しました。ただ、チャシフヤールの戦況には流動的な要素もあるもよう。

 ロシア軍は現時点でチャシフヤール東部のドンバス運河西岸に恒久陣地を構築するには至っていないとのことですが、数名単位の小集団で防衛線に浸透している状況があるとのこと。またウクライナ国家警備隊旅団長の話としてロシア軍はザポリツィア州における大規模攻勢の準備を継続中で、この地域に兵力と装備を集積していると分析しています。

北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ まや
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