■東京にドイツ艦
空母カブールの話題がひと段落しましたので。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/4f/4f/d45d5eb58effbd70d75992fe745a2608.jpg)
ヴァーデンヴルテンブルク、ドイツ海軍が誇る水上戦闘艦です。こういいますのも、ドイツ海軍は第二次世界大戦の敗戦後、満載排水量3000t以上の大きさを持つ水上戦闘艦建造が周辺国、特にフランスとベルギーやオランダから制限されていまして。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/0b/38/e921ee80161d4b83b6ec001a1429f126.jpg)
3000t上限といいますと、日本では、あまつかぜ、たかつき型あたりが引っかかる大きさ、基準排水量ではなく満載排水量ですので、やまぐも型、みねぐも型でも引っかかるところなのですけれども、こうした制約がありました。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/53/d8/ce6fffb00602a862cbb459b30414be4c.jpg)
ビスマルク号を撃沈せよ、という映画がありましたし、戦艦シュペー号の最後、という映画もありましたので、この影響、というわけではないんどえすが、ヴェルサイユ条約で第一次世界大戦後制限した歴史があったのですけれども。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/0d/10/7db936bae6c9fec0275f2c69cb1b86df.jpg)
グラーフシュペーなどが一番の例なのかもしれませんが、ヴェルサイユ条約での厳しい制限でもあれだけの海軍を、途中から条約を破棄したことも含め軍需産業基盤の再生を周辺国が恐れていたということなのかもしれません。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/19/88/da340eaef93740d6ee34fbd0c0bab001.jpg)
Uボート、ドイツ海軍といえば潜水艦脅威も大きかったわけでして、そう、潜水艦建造についても、ドイツ海軍が保有する潜水艦の大きさは極端に制限されていて、U-207型とかU-205型とか、水中排水量500t規模がほぼ上限であった。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/23/3c/ac5bebc037c8235aa1ba62bfd1ddc868.jpg)
U-209型潜水艦など1200tの潜水艦が建造されていますが、ご承知の通りこちらは輸出用、韓国海軍などが導入して、最近はライセンス生産したものが第三国に売られているという状況があるのですけれども、自国用は小型のものでして。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/3c/47/bd98c2cfa6a8488bb308486c441b3f5d.jpg)
3000t制限というのは早い時期に取り払われましたので、アメリカ海軍のチャールズアダムス級ミサイル駆逐艦を原型としたリッチェンス級ミサイル駆逐艦が導入されまして、これなんかは完全に3000tのくびきをこえたといえるものですが。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/2d/33/feaee6f54182c836f9ed2b61102e2033.jpg)
リッチェンス級駆逐艦は、性能面では充分世界中に展開できるものでした、大きさとしては護衛艦たちかぜ型ミサイル護衛艦と同程度ではあるのだけれども、かつて世界中に艦隊を派遣したドイツ海軍の末裔としては、というかんじ。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/31/f2/55ad66ec32642dbc66c9f577664e99fd.jpg)
ドイツ海軍はいくつかの水上戦闘艦を設計していまして、いや、輸出型フリゲイトとしてオーストラリア海軍のアデレード級フリゲイトを筆頭に輸出艦として成功しているのですが、世界規模の行動を念頭としたものかと云いますと。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/24/0f/656b962e585f1d7cff2a534314e7dd42.jpg)
アデレード級を一例にあげましたが、あちらはそれこそ満載排水量3600tとなっていまして、はつゆき型護衛艦よりも小型です。アデン湾海賊対処任務に派遣する際に、大きさが不十分であるとして対象外となったのが、はつゆき型ですから。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/2c/6b/9db3e726e8bc9d2067fd37e8fd3a6a94.jpg)
ヴァーデンヴルテンブルク、問題は世界規模で運用できる大型艦を購入できる国というのがそれほどなく、導入できる大国は自国の造船所で建造してしまう事例が多い。このためにドイツでの水上戦闘艦設計は、右往左往することとなる。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/0c/93/77b6fe77b4b1f6d05842d072e0919542.jpg)
世界規模での任務、3000tの制限が取り払われた背景には、ドイツ海軍の欧州安全保障への貢献、ようするにカネもってるんだからおまえも軍艦つくって中東沖に派遣しろ、という圧力があったためで、そのために建造はひつようなのでした。
北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ まや
(本ブログに掲載された本文及び写真は北大路機関の著作物であり、無断転載は厳に禁じる)
(本ブログ引用時は記事は出典明示・写真は北大路機関ロゴタイプ維持を求め、その他は無断転載と見做す)
(第二北大路機関: http://harunakurama.blog10.fc2.com/記事補完-投稿応答-時事備忘録をあわせてお読みください)
空母カブールの話題がひと段落しましたので。
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ヴァーデンヴルテンブルク、ドイツ海軍が誇る水上戦闘艦です。こういいますのも、ドイツ海軍は第二次世界大戦の敗戦後、満載排水量3000t以上の大きさを持つ水上戦闘艦建造が周辺国、特にフランスとベルギーやオランダから制限されていまして。
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3000t上限といいますと、日本では、あまつかぜ、たかつき型あたりが引っかかる大きさ、基準排水量ではなく満載排水量ですので、やまぐも型、みねぐも型でも引っかかるところなのですけれども、こうした制約がありました。
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ビスマルク号を撃沈せよ、という映画がありましたし、戦艦シュペー号の最後、という映画もありましたので、この影響、というわけではないんどえすが、ヴェルサイユ条約で第一次世界大戦後制限した歴史があったのですけれども。
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グラーフシュペーなどが一番の例なのかもしれませんが、ヴェルサイユ条約での厳しい制限でもあれだけの海軍を、途中から条約を破棄したことも含め軍需産業基盤の再生を周辺国が恐れていたということなのかもしれません。
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Uボート、ドイツ海軍といえば潜水艦脅威も大きかったわけでして、そう、潜水艦建造についても、ドイツ海軍が保有する潜水艦の大きさは極端に制限されていて、U-207型とかU-205型とか、水中排水量500t規模がほぼ上限であった。
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U-209型潜水艦など1200tの潜水艦が建造されていますが、ご承知の通りこちらは輸出用、韓国海軍などが導入して、最近はライセンス生産したものが第三国に売られているという状況があるのですけれども、自国用は小型のものでして。
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3000t制限というのは早い時期に取り払われましたので、アメリカ海軍のチャールズアダムス級ミサイル駆逐艦を原型としたリッチェンス級ミサイル駆逐艦が導入されまして、これなんかは完全に3000tのくびきをこえたといえるものですが。
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リッチェンス級駆逐艦は、性能面では充分世界中に展開できるものでした、大きさとしては護衛艦たちかぜ型ミサイル護衛艦と同程度ではあるのだけれども、かつて世界中に艦隊を派遣したドイツ海軍の末裔としては、というかんじ。
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ドイツ海軍はいくつかの水上戦闘艦を設計していまして、いや、輸出型フリゲイトとしてオーストラリア海軍のアデレード級フリゲイトを筆頭に輸出艦として成功しているのですが、世界規模の行動を念頭としたものかと云いますと。
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アデレード級を一例にあげましたが、あちらはそれこそ満載排水量3600tとなっていまして、はつゆき型護衛艦よりも小型です。アデン湾海賊対処任務に派遣する際に、大きさが不十分であるとして対象外となったのが、はつゆき型ですから。
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ヴァーデンヴルテンブルク、問題は世界規模で運用できる大型艦を購入できる国というのがそれほどなく、導入できる大国は自国の造船所で建造してしまう事例が多い。このためにドイツでの水上戦闘艦設計は、右往左往することとなる。
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世界規模での任務、3000tの制限が取り払われた背景には、ドイツ海軍の欧州安全保障への貢献、ようするにカネもってるんだからおまえも軍艦つくって中東沖に派遣しろ、という圧力があったためで、そのために建造はひつようなのでした。
北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ まや
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(本ブログ引用時は記事は出典明示・写真は北大路機関ロゴタイプ維持を求め、その他は無断転載と見做す)
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