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ウクライナ情勢-クピャンスク方面でロシア軍第4戦車師団が中隊規模の攻撃を実施

2025-02-13 07:00:08 | 防衛・安全保障
■防衛情報-ウクライナ戦争
 機械化部隊による中隊攻撃が確認されたということですが、自衛隊などは冷戦時代一杯ソ連機械化部隊を警戒してきました訳ですのでここまで間隔が開くのが不思議に思えるのですね。

 クピャンスク方面でロシア軍第4戦車師団が中隊規模の攻撃を実施した、ISWアメリカセンス研究所2月8日付ウクライナ戦況報告によれば、この地域を防衛するウクライナ軍旅団関係者の情報として、ロシア第1親衛戦車軍隷下の部隊が攻撃に参加したと発表、また同じ譲歩源としてウクライナ軍が装甲車10両を撃破し撃退したとも発表しました。

 ロシア第1親衛戦車軍はロシアウクライナ戦争開戦後、幾度か壊滅的な被害を受けて再編成されている部隊ですが、今回はクピャンスク近郊のペルショトラヴェネヴェ付近において攻撃に参加したとしています。中隊きぼの攻撃であり戦果にはつながっていませんが、依然としてロシア軍がクピャンスク方面に注力している端的な事例といえましょう。

 ウクライナ軍はロシア軍の攻撃に対して受け手が続いていましたが、ISW報告によればクピャンスク近郊において反撃に成功しています。また同じ報告では、ロシア本土クルスク州においてウクライナ軍が実施している作戦についても触れており、全般的な傾向としてロシア軍の攻撃衝力が、最初の限界を超えた限界点から更に低下している印象です。

 ロシア軍の攻撃状況について、シヴァスク方面のウクライナ軍旅団長の発言として、大きく影響しているのは天候だと述べ、地面が凍っている場合には戦車や装甲戦闘車にバギーやオートバイを使った攻撃を加えてきますが、気温が高い状態では小規模な歩兵による徒歩突撃を行うとしています。機械化部隊と徒歩部隊を天候で使い分けているという。

第1親衛戦車軍の攻撃が確認された事で、ロシア郡機械化装備の状況が枯渇していない事を示していますが、ウクライナ軍が撃破した装備が装甲車と表現している点について、戦車の配備状況や、ウクライナ軍の対戦車装備の備蓄状況についてもう少し深い分析を期待するところですが、ISWはそこまで踏み込んだ情報分析には至っていないもよう。

北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ まや
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