北大路機関

京都防衛フォーラム:榛名研究室/鞍馬事務室(OCNブログ:2005.07.29~/gooブログ:2014.11.24~)

中央即応集団第1ヘリコプター団組織改編 第102飛行隊新編

2008-04-08 22:37:59 | 防衛・安全保障

■多用途ヘリ・ガンシップも

 去る3月29日、中央即応集団隷下の第1ヘリコプター団(木更津駐屯地)において、組織改編が行われた。2007年の中央即応集団新編とともに東部方面隊隷下から編入された同隊は、この改編で所要の体制に移行する。

Img_6939  第1ヘリコプター団は、大型ヘリコプターCH-47J/JAを用いての空中機動任務を第一に編成された部隊であるが、防衛大臣直轄部隊として対テロ任務や国際人道支援任務に即応する中央即応集団の空中機動を支援するという性格上、小回りの利く多用途ヘリコプターや空中打撃能力が欠如した状態にあった(写真は木更津駐屯地祭にて撮影)。

Img_8673  今回の改編で、CH-47を運用する第1ヘリコプター隊、第2ヘリコプター隊が第1輸送ヘリコプター群として再編され、更に多用途ヘリコプターUH-60JAを運用する第102飛行隊、要人輸送に用いるEC-225LPを装備した特別輸送ヘリコプター隊、連絡偵察機を運用する連絡偵察飛行隊、第1ヘリコプター野整備隊という編成となった。

Img_9200  今回の改編では、同時にドアガンとして多用途ヘリなどに搭載する12.7㍉重機関銃を輸送ヘリコプターに複数(3基といわれる)搭載したガンシップも装備され、邦人救出任務や対遊撃戦での部隊投入に対処可能な能力を得た。また、装備されたUH-60JAは特殊作戦群の任務支援などに必要性が叫ばれていたものである。飛行隊のUH-60JAの装備定数は不詳だが、陸上自衛隊全体の同機の装備数が充分ではないという背景から数機程度だろうか。

Img_7102  第1ヘリコプター団の再編について、まず、UH-1多用途ヘリの後継となるUH-60JAの調達が価格高騰により調達が年間極少数機と充分進展していない点、またAH-64D戦闘ヘリの調達中止に伴うAH-1S対戦車ヘリコプター後継問題(第1ヘリコプター団は東部方面隊直轄であった時代は、方面隊の対戦車ヘリ隊による支援が期待できた、ただし、中央即応集団が想定するゲリラコマンド対処や低烈度紛争、国際人道支援任務には戦闘ヘリの必要性は必ずしも高く無いが)がある。今後の展望に興味が持たれる。

HARUNA

(本ブログに掲載された本文及び写真は北大路機関の著作物であり、無断転載は厳に禁じる)

コメント (4)    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 第1空挺団創立50周年! ... | トップ | 統幕長・陸海空幕僚長の指揮... »
最新の画像もっと見る

4 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
初めまして、102飛行隊のUH-60JAについてですが (通りがかりに)
2008-04-09 03:48:21
初めまして、102飛行隊のUH-60JAについてですが
朝雲新聞↓の情報では5機配備とのことです
ttp://www.asagumo-news.com/news/200804/080403/08040303.html
返信する
情報どうもです。 (はるな)
2008-04-09 07:45:43
情報どうもです。

第1ヘリコプター団は特殊作戦群や第1空挺団を空中機動させ、中央即応集団が即応する上で不可欠な機動手段。UH-60JA,もっと必要ですね。一応、CH-47J/JAの支援用にOH-6D観測ヘリが装備されていたはずですが、これもガンシップ化して軽攻撃任務に対応できる形式を開発してみてはどうかな、と考えることもあります。

ちなみに、イラク戦争開戦時に米第180特殊戦飛行隊は、AH/MH-60軽特殊戦ヘリが30機、MH-60多用途特殊戦ヘリ51機、MH-47E/160特殊戦輸送ヘリ32機を装備していたそうです。
返信する
返信ありがとうございます (通りがかりに)
2008-04-09 17:15:59
返信ありがとうございます

しかし、第12旅団や旅団化する第1混成団も
UH-60がもっと欲しいと思いますから
第1ヘリ団が日本版ナイトストーカーズとなるには
かなりの時間が必要となりそうですね。
米軍のように空中受油装置やミニガンのような
装備も導入すべきと思いますが
やはり予算的に無理なんでしょうか。
予算削減がこういった大きな変革の時に
重なってしまい残念でなりません。

あと最後に、自分の勘違いかもしれませんが
特殊作戦航空連隊は第180ではなく第160だったかと
返信する
おはようございます。 (はるな)
2008-04-10 08:41:41
おはようございます。

12旅団ですが、結局、空中機動旅団ってのは一部軍事誌が言っただけで、旅団戦車中隊の代わりにCH-47を配備しただけって印象が・・・。山岳地帯が多い北関東だけに空中機動力が必要なのは分かりますが、中途半端な編成になっちゃいましたね。毎回思うのですが、方面隊の航空隊がUH-1を20機持ってて、対戦車ヘリ隊がAH-1Sを16機、OH-6Dが10機程あるんですから、これに西部方面普通科連隊みたいな小型の普通科連隊と野整備隊をつけて、方面空中機動混成団みたいなの創設した方がいいんでないの?、と。
若干数のCH-47Jと、なかなか数の揃わない96式多目的誘導弾システムを併せて配備して空中機動させれば、島嶼部防衛には最適!?

>やはり予算的に無理なんでしょうか
空自の救難隊が運用するUHは空中給油の受油装置を追加装備するようですし、不可能では無いと思うのですが・・・。

>予算削減がこういった
 世界中、米軍以外の軍隊は、どこも潤沢な予算なんて無いのですし・・・。空自と海自がUH-60Jの救難ヘリを配備開始した時期に陸自も大量導入しておけば、もう少しは量産効果が出て安くなったのかも・・・。

>第180ではなく第160だったかと
 うわあ、またやっちゃいましたか・・・。詰めが甘くてスンマセン。
返信する

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

防衛・安全保障」カテゴリの最新記事