北大路機関

京都防衛フォーラム:榛名研究室/鞍馬事務室(OCNブログ:2005.07.29~/gooブログ:2014.11.24~)

【京都発幕間旅情】大阪城,南海トラフ地震と水の都巡るもう一つの焦点は"大阪関西万博"の混迷と遅れ

2024-10-02 20:22:11 | 旅行記
■大阪関西万博
 大丈夫なのかという話題をもう一つ。

 大坂城、大阪城、いまは大阪城と呼ぶべきか。この大阪城なのですが大阪といいますとどうしても懸念してしまうのは南海トラフ地震もその筆頭ではあるのですが、大阪万博、定番ですが間に合うのか、というところでしょうか、工事が難渋している。

 万博誘致には成功したものの、万博会場を離島にしてしまったことで建設工事に時間を要するばかりか、せっかく地下鉄を乗り入れられるようにトンネル工事をおこなったものの、あれを軽便鉄道にして資材運搬に活用出来ていない様子を残念に思う。

 大規模工事といえば、この大阪城を筆頭に中世の時代からこの大阪の十八番のように思っていたものですから、難渋している様子はちょっとなあ、と。地盤が軟弱地形であることから大手ゼネコンの多くが工事参加を辞退したという事情もあるのだが。

 大阪城造営は、時の権力者が中心となり工事と基本構想を固めた、だからこそ、まあ大坂夏の陣冬の陣で灰燼に帰す結果とはなったものの、基礎部分の工事が盤石であったからこそ耐え抜き再建、第二次大戦では軍司令部となり、B-29の爆撃にも耐えた。

 大阪関西万博、電車に乗っていますと中吊り広告はもちろん、京阪電鉄や近鉄はラッピング電車で万博号を、JR西日本も加わっていますし、阪急電鉄も全面ラッピングではないもののラッピングをおこなっています、南海電鉄も確か、阪神電鉄のは見た。

 メトロ、大阪メトロでは万博の大規模輸送に備えて新型車両を大量導入し、いきなり21世紀のメトロな感じになったのですが、同時に輸送力確保へ前の万博の際に導入した半世紀前の旧型車両も維持していて、この百花繚乱こそ万博準備なのだなあ。

 しかし、会場のほうが、ね。着工していないパビリオンが少なくない数となりまして、特に日よけとして用いる円環状の木製建築物が会場中心をぐるり回っている状況で、これさえ資材搬入を阻んでいるという。変な話お堀を作った後で天守閣を造るような。

 パビリオンについては、70年大阪万博では各国独自建造パイリオンが未来的な印象を強調することとなったのだけれども、結局難工事という話と大阪の建設労働者不足などの関係から一つの大きな建物に複数の国々が入るという方式が中心となっていて。

 パビリオンが画一的な、ともすれば愛知県のリトルワールド以下の規模となってしまった時点で、ちょっとなあ、と思ってしまうのだ。それならばこの大阪城を万博会場にしたほうがまだよかったろうに、その間天守閣にどう観光客を入れるかは課題だが。

 万博に対する期待値は、と問われますと聞けば混雑緩和のためにWeb事前予約制という、もちろんスマートフォンにどこの誰が造ったかわからないアプリをがんがんいれる事に抵抗のない方はへいきなのだろうが、まず私は面倒さから煩雑で行く気がなくなる。

 太陽の塔といいますか岡本太郎的な旗振りも、小松左京のような世界観も、そもそも今回の大阪関西万博の顔となるデザイナーがよくわからない方ですし、一本筋とおるメッセージよりは万博を誘致することそのものがゴールだったのではないか、なんて。

 軟弱地形の問題はどう解決したのか、もしくは今後どうするのか。来場者の事前予約制をもう少し当日予約に柔軟に対応できるよう制度を見直せないか、COVID-19の予防接種のように予約をもう少しいろいろな方式で対応できるよう、してほしいものですね。

北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ まや
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【京都発幕間旅情】大阪城,南海トラフ地震と城郭-城址公園の防災拠点としての意義

2024-10-02 20:01:45 | 旅行記
■大阪城と防災拠点
 城郭の歴史よりはなにかコラム的なものとなっているのですけれども。

 城郭と防災、日本ではこの分野をもう少し考えてほしいように思う。大阪城が災害に強い立地であることは、上町台地の上に位置する関係で既出だけれども。例えば南海トラフ地震で最大の被害が想定される高知市は、高知城が確実に生き残る標高にある。

 大阪城と高知城のほかに、やはり津波が襲来する和歌山市も和歌山城は台地のうえにあって、独立峰のようにまわりに高台がないので津波が襲来した場合でも横にそれて標高が49mある和歌山城はほぼほぼ津波被害から安全と考えてまちがいありません。

 南海トラフ地震ではやはり津波の直撃を受ける徳島市も、これはまわりに高台といいますか山に面しているので城址に逃げ込む必然性は必ずしもないのですが、徳島城は標高が61mある。岸和田城と尼崎城は、ちょっと防災評価の必要がある高さだけれど。

 一国一城令が江戸時代に発布されるまえには数多くの城郭と城塞、砦なんかがあったわけですが、特に国境監視の城塞は高台にあるところが多く、ここに、復元天守でも櫓でも建設するとともに観光施設兼用の防災備蓄倉庫とできれば、と考えるのですね。

 平成時代の行政改革で無駄を省きすぎて公共投資を抑えたことが、阪神大震災や東日本大震災など複数ある平成以降の低成長時代に影響したようにおもえまして、これは建設省を国土交通省に切り替えてしまったことが無関係では無いように思うのです。

 大阪城造営をはじめ、いやこの場合は大坂城か、豊臣政権時代の大阪は莫大な公共投資により好景気を、官製需要は限界が来るものなのだけれども、次の発展の土台を造ったことは確かです。そして、平成時代では公共投資が鈍った、低成長が続いた、と並ぶ。

 国土強靱化計画、もちろん防災をメシノタネにすることへの批判は受け止めねばならないことなのでしょうが、たとえば郷土史とか遠足とかで地元に城址公園があれば義務教育の時代から通うことは確かです、知っている場所となる。そこが避難所になれば。

 天守閣というのは有事に備える防災倉庫です、とは姫路城天守閣で説明されていたところか、模造銃ですが火縄銃がずらりならび中世のYAMAMOTOとかFirstのような感じとなっている様子をご覧になった方、も多いでしょうが、あの倉庫が平時の天守閣でした。

 現代の城郭構造も、高台に城址公園を整備して連絡道路を確保するという前提ではあるのですが、櫓を寝泊まりできる避難所として、そして天守閣などを防災倉庫として、平時は格納している可搬式太陽光発電パネルや毛布や非常食などを備蓄しておけないか。

 非常食は数年で消費期限が過ぎる、と反論されるかもしれませんが、そういうものはお城祭り、という感じで有償提供してしまえばいいのです、大人数用保存スープとか大型の缶詰とか、備蓄米とか、最近は非常食もまともな味のものが増えているから。

 のぼうの城、忍城を舞台に安土桃山時代、石田三成の大軍勢を相手に籠城戦を戦い抜いた映画がありましたが、あの映画では周辺住民を場内で保護し籠城していました、大災害に対してもああいう構図をとれる城址公園が全国にあればなあ、と思うのですね。

 普通に避難所を増やせばいいだけ、という反論もあるかもしれませんが城址公園ならば観光名所として維持費を自弁できる余地が生まれますし、避難所を子供の遊び場や遠足の目的地とするには限界がありますが、城址ならば平時から人が集まる場所となるのだ。

北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ まや
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【名著探訪】コップ一杯の戦争(小松左京/1962)未明のイラン軍イスラエルミサイル攻撃を受けてハイボール好きに捧ぐ

2024-10-02 07:00:13 | 映画
■コップ一杯の戦争
 映画の話題ではなくNHKか世にも奇妙な物語あたりで実写化してほしいなあという話題をひとつ。

 コップ一杯の戦争、というSFの大家である小松左京氏が1962年に発表した短編があります、本日未明にありましたイラン軍によるイスラエル本土ミサイル攻撃、幸い全面戦争には現時点で至っていませんが、非常に考えさせられるもので、どうしてもこの短編を思い出してしまったのですね。一読をお勧めしたい。なかなかブラックな内容だけれども。

 ハイボール好きにはたまらない短編、一読をお勧めしたいのだけれども、ちょっと内容を書きますのでネタバレはやーなのさ、という方は、この当たりで読むのをやめて頂いて、そうですね、グルメ特集の項目でハイボールの話題なんかを読んでいただければ、と思う。この作品が執筆されたのは世界が全面核戦争瀬戸際に向かったキューバ危機の直後だ。

 ツケ払ってーなコーさん。主人公は場末のスナックで呑んでいて、ちょっと酔いが回ったところでもう一杯ハイボールを注文する、おかきを肴に注文するも売り切れていてスルメかお豆さんかという場末具合のスナックには調子の悪いラジオしかなく、楽しみにしていたボクシング中継は雑音だらけ、三波春夫っぽい渋い演歌でも聴こうとダイヤルを回していると臨時ニュースが。

 なんや戦争みたいやぞ。場末のスナックにはママと主人公ともう一人の常連中年酔客しかおらず、そこにラジオがソ連よりアメリカに向けて飛翔体が発射されたと報じる、戦争や、と酔いが回っているなかで隣の常連に声を掛けるが、ラジオは三波春夫っぽい渋い演歌番組に戻る、なにが戦争やい、いんやまた兵隊に引っ張られるで、と酒場談義が始まるのですがまたニュースに。

 アメリカの報復によりソ連の弾道ミサイルは全面核戦争となり、欧州やソ連本土、アメリカ本土とアジア地域の大半が無人になる程破壊されているものの、主人公はハイボールがそろそろカラになり始めてもう一杯注文するか迷うものの、ツケが溜まっていてママさんにこれくらいにしとき、と一喝されたところで、南米発外電が米ソ停戦交渉の開始を伝えてくる。

 なんやスカみたいやな。星のきれいな夜で、日本はと問われれば臨時ニュースの合間合間に三波春夫っぽい渋い演歌番組が続いているので直撃を免れたようなのですが、核戦争が一瞬で終わる事を揶揄した短編でした。これ、橋爪功さんと北村総一朗さんと国生さゆりさんあたり、京都迷宮案内の出演者あたりでかためて短編映画化してほしいなあ、とおもうようなそんな作品だ。

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イランミサイル発射,イスラエル本土へ第一波100発以上の弾道ミサイル-懸念される全面戦争への事態拡大

2024-10-02 02:45:25 | 国際・政治
■弾道ミサイル100発以上
 はじまった、懸念していた事態が現実となりました。恐らくミサイル戦としては歴史上最大規模のものとなっていますが今後このまま継続するのか一過性の攻撃となるのか。

 NHKが報じたところによれば、イスラエル軍は日本時間0130時頃、イランからイスラエルに向け多数のミサイルが発車されたと発表しました。NHKはイスラエル現地メディアの報道を引用する形で100発以上のミサイルが発射されたと報じており、ロイター通信やNHKのエルサレム支局は、支局にミサイルが着弾する音が聞こえるなどと報じています。

 100発以上の弾道ミサイルが用いられている、今回重要であるのは4月に行われたイランからイスラエルへの初の攻撃は、自爆用無人機と巡航ミサイルとともに弾道ミサイルを発射していますが、この際には探知も迎撃も容易である自爆用無人機を使用し、イスラエルや有志連合が迎撃態勢を固めた上で弾道ミサイルを発射する段階を踏みました。

 4月のミサイル攻撃ではイスラエルの被害が迎撃により大半を抑える事が出来ましたが、この背景には、イランとしては中東における自国の位置を維持するために自国大使館空爆という状況を看過する事は出来ないが、イスラエルに大規模な被害が生じる攻撃を行う事で全面戦争に至る事も避け、最新ミサイル使用を避ける等配慮した攻撃となった構図がある。

 イランが現在開始したミサイル攻撃は、第一波が弾道ミサイル100発ということですが、現在NHKが中継している映像だけでも少なくないミサイルが着弾する様子が報じられており、ミサイル防衛システムが飽和状態となっている事を示しています。イランは今回、イスラエルに被害を出さない攻撃ではなく、本格的な全面戦争を想定している可能性も。

 ミサイル攻撃は、イランが全面戦争を想定しないならば今後数十分で終了します、それは全面戦争を今回行わないならば次の為のミサイルを維持する必要があるためです。しかし、全面戦争となる覚悟で在れば、今回のミサイル攻撃によりイスラエルに一定の打撃を加える必要が生じる為で、防衛システムを飽和させたのち、別の攻撃を開始する可能性もある。

 現時点で、イスラエルの救急当局をNHKが0245時に報じたところによれば、ミサイルの破片により負傷者二人が出ているということです。ただ、こののちのミサイル戦が拡大する状況であれば、日本へも影響が考え得ると共に、現在のミサイル防衛能力についても重要な教訓となるでしょう、少なくとも軍事史上最大規模のミサイル戦となっています。

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イランのイスラエルミサイル攻撃逼迫か?中東情勢と世界安保環境を根本から破綻させる全面戦争の懸念

2024-10-02 01:44:53 | 国際・政治
■イスラエルレバノン侵攻
 レバノン侵攻により情勢は大きく変わり始めている中東危機は昨夜のロイター報道によりさらに緊迫度を増しました。

 イランのイスラエル弾道ミサイル攻撃が切迫している、こうした報道が10月1日深夜にアメリカ政府筋情報としてロイター通信などにより世界に報じられました。ミサイル攻撃なんて起こるのかねえ、と平和的視点を持たれる方もいますが、今年4月13日にダマスカスイラン大使館空爆事件の報復としてイスラエルへ弾道ミサイル120発等を撃ちこんでいる。

 ネタニヤフ首相にとりイラン全面攻撃という選択肢は元々あるのではないか、こう懸念するのはレバノンでのヒズボラ攻撃が2006年の南レバノン戦争以上に徹底しており、ヒズボラがイラン革命防衛隊の事実上の外殻組織である事を踏まえると、結局のところ2023年10月7日のガザのイスラエル奇襲攻撃を契機に一気に問題を解決しようとしていないか。

 イランからの弾道ミサイル攻撃、イランが過去イスラエルをミサイル攻撃しようとした際、アメリカを筆頭に欧州各国がイランへ強く自制を求める事で結果論ではあるものの、イランはイスラエルへのミサイル攻撃を自制しました。そしてその後、イランはロシアへ弾道ミサイルを供与したと、カスピ海の貨物船衛星画像等から確認された出来事がありました。

 イランの自制、そしてロシアへの弾道ミサイル供与、これはロシア軍がウクライナ侵攻に際して大量の弾道ミサイルをウクライナへ撃ちこんでいる為、ミサイル備蓄が枯渇しつつあり、ロシアはイランから弾道ミサイル供給を一部依存した構図なのですが、イランからミサイルが減ったという結果論の先に、イスラエルによるヒズボラポケベル爆破作戦が。

 ポケベル爆破作戦はヒズボラが通常の通信機ではイスラエルに戦闘員の位置を標定される為に用いていた数千の台湾ブランドポケットベルに小型爆発物が仕掛けられ、遠隔操作により一斉爆発、続いて日本ブランドトランシーバーなど様々なものが爆破され、更にその後、ヒズボラ指導者ナスララ氏を狙ったヒズボラ本部大規模爆撃が実施される事となる。

 ヒズボラ本部爆撃には地中貫通爆弾バンカーバスターが大量使用され、続いてイスラエル軍は日本時間10月1日よりレバノンへの限定地上侵攻を開始した構図です。ネタニヤフ首相としては、イスラエルに対して繰り返しテロ攻撃を加えるガザ地区のハマスを葬ると共にレバノンから攻撃を繰り返すヒズボラに対しても根絶を目指しているとみてとれますが。

 ミサイル攻撃は、イランが、そもそもイランは1979年以前のパーレビ王朝時代には親米国家でしたが、1979年イスラム革命後は国是としてイスラエル廃滅を掲げています。一つの国家が他国の廃滅を国是として掲げるのは現代史では例が有りませんが、イスラエルとして、イランに対して非常に大規模な攻撃を計画していたとしても不思議ではありません。

 イランからのミサイル攻撃、イランは射程2500kmのアーシュラーミサイル、射程7000kmのシャハブ弾道ミサイル等多数を保有しています。実際問題として、4月13日に無人機170機、巡航ミサイル30発とともに弾道ミサイル120発を撃ちこんでいます。ただ、この際には米英有志連合とイスラエル軍が共同するかたちで全て迎撃され、殆ど被害はなかった。

 アローミサイル防衛システムなどイスラエルは独自のミサイル防衛システムを有していますが、問題はイスラエルがどの程度迎撃ミサイルを備蓄しているのか、また、イランもロシアへ供与したミサイルには長距離ミサイルは含まれず、ロフテッド軌道などミサイル防衛システムを回避するミサイル攻撃能力がどの程度残っているのかは未知数となっている。

 全面戦争の懸念、最も懸念するのは、ネタニヤフ首相が国際社会から最大限の孤立をした場合でも、何もしないよりはイスラエル国家存続の覚悟を決めてイランとの全面戦争に乗り出す事です。人口で大きな差があるイスラエルにはイランを占領する事はできませんが、イスラエルにはエリコ3長距離弾道弾があり、また明示していないが核兵器を保有する。

 エリコ3弾道ミサイルでイランの核関連施設や指揮中枢を攻撃する可能性は十分あり得る、それ以外に選択肢が無ければ、イランは核開発を継続しており仮に核が完成するならば革命防衛隊の外殻組織を通じて使用される懸念を、フィクションとしてはとらえていないのがイスラエルです。批判され使う場合よりも批判されないが攻撃されても世界は助けない。

 核兵器は喩え低威力のものであっても一度使われてしまえば抑止力としての均衡は失われ、世界は破滅に向かうのです。1984年公開の東宝映画“ゴジラ”において戦術核兵器使用を米ソ両国が迫った際に劇中で三田村総理が米ソ特使に発した言葉です。ここで使われれば、ウクライナでも韓国でも台湾海峡でも、使われかねない。関心を持って見守りましょう。

北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ まや
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