■カブール観音崎前を往く
観音崎に陣取っての撮影ですが実際目の前に行く空母を見ますと何か感慨深いと共に入港情報を知らせてくれた友人に感謝だ。
カブール、どうしても比較するのはヘリコプター搭載護衛艦いずも型です。元々最初から航空母艦として設計されたカブールに対して、いずも型は様々な航空機の運用を念頭とはしているもののF-35B戦闘機の技術情報は参考情報の一つに過ぎない。
F-35B搭載、寸法などから護衛艦いずも型建造の時点で無理の無いような設計にはなっているはずです、いやMH-53掃海ヘリコプターを搭載する護衛艦ひゅうが型でもその搭載は可能ではあるのですが、搭載するのと運用するのとはこれ違うのだ、全く。
いずも型護衛艦は徹底したステルス性という、むらさめ型護衛艦建造当時にラティスマストのステルス性の低さが、識者、江畑先生のような高名な識者から問題視されていましたが、その反発のように最近の護衛艦のステルス性重視はすごいところが。
全通飛行甲板型護衛艦と賞する護衛艦は、航空機の運用を相応に重視しているのだけれども、それ以上にステルス性を重視していて、第一線での運用を念頭としている、のにたいしてカブールは舷側に様々な通路などが並んでいるのがこの距離からでさえわかります。
ステルス性よりも艦載機の運用を考えるとかなり側面にいろいろと便利なものを追加してしまう、というところなのではないか。大して日本のヘリコプター搭載護衛艦は、はるな型、しらね型、とヘリコプター巡洋艦型が長らく続いていたのだから。
ハリアーを艦載機として搭載している様子がここからもよくみえるようになりまして、イタリア海軍は空母ジュゼッペガリバルディのころから航空機と艦艇の関係を研究し、こうした形状になっているのだという、実際ハリアーとF-35Bの橋渡し的関係も。
艦載機による防空を考えるならば、それほど切羽詰まったステルス性により敵対勢力の電波から隠れなくとも艦載機が迎撃してくれるだろう、という余裕が、大してその大きさがそれほど変わらない、カブール、いずも、との間にあるのかもしれません。
満載排水量でみたばあい、大きさは日伊ともほぼ同じなのです、カブールも空母艦載機により防空を担う、ということではあるのですが、CAP戦闘空中哨戒を維持できるほど艦載機を搭載しているのかと問われれば、実のところそれほど戦闘機は積めない。
ニミッツ級原子力空母、横須賀界隈ではこうしたメガキャリアーとよばれる航空母艦を日常的に見ていますので、艦隊防空の主力に戦闘機をおくには、ニミッツ級くらいが必要にうなる印象だ。もっとも、そのアメリカも艦隊防空はイージス艦が中心だけれども。
ソ連黒海艦隊、イタリア海軍が直面する脅威は海上自衛隊よりも低かったのではないか、と思われるかもしれませんが、それは真逆でNATO海軍としては、冷戦時代にソ連黒海艦隊の地中海侵攻を抑止する任務をイタリアに期待していて、脅威度はすごかった。
イタリア海軍のほかに地中海沿岸にはギリシャ海軍やトルコ海軍がいますが、冷戦時代には期待できず、ルーマニアやブルガリアがNATOに加盟するのは冷戦後、ソ連がロシアとなり、ロシアがNATOオブザーバー国になってさらに以降、頼れる相手は少ない。
カブールはそうした要求性能と設計思想の先に、けっこういろいろRCSに影響、つまりレーダーに反射しそうな構造物が並んでいる設計なのですが、これも相応の哲学に基づいた設計哲学の先にあるのだろうなあ、と異文化に感心しながら、撮影を続けました。
北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ まや
(本ブログに掲載された本文及び写真は北大路機関の著作物であり、無断転載は厳に禁じる)
(本ブログ引用時は記事は出典明示・写真は北大路機関ロゴタイプ維持を求め、その他は無断転載と見做す)
(第二北大路機関: http://harunakurama.blog10.fc2.com/記事補完-投稿応答-時事備忘録をあわせてお読みください)
観音崎に陣取っての撮影ですが実際目の前に行く空母を見ますと何か感慨深いと共に入港情報を知らせてくれた友人に感謝だ。
カブール、どうしても比較するのはヘリコプター搭載護衛艦いずも型です。元々最初から航空母艦として設計されたカブールに対して、いずも型は様々な航空機の運用を念頭とはしているもののF-35B戦闘機の技術情報は参考情報の一つに過ぎない。
F-35B搭載、寸法などから護衛艦いずも型建造の時点で無理の無いような設計にはなっているはずです、いやMH-53掃海ヘリコプターを搭載する護衛艦ひゅうが型でもその搭載は可能ではあるのですが、搭載するのと運用するのとはこれ違うのだ、全く。
いずも型護衛艦は徹底したステルス性という、むらさめ型護衛艦建造当時にラティスマストのステルス性の低さが、識者、江畑先生のような高名な識者から問題視されていましたが、その反発のように最近の護衛艦のステルス性重視はすごいところが。
全通飛行甲板型護衛艦と賞する護衛艦は、航空機の運用を相応に重視しているのだけれども、それ以上にステルス性を重視していて、第一線での運用を念頭としている、のにたいしてカブールは舷側に様々な通路などが並んでいるのがこの距離からでさえわかります。
ステルス性よりも艦載機の運用を考えるとかなり側面にいろいろと便利なものを追加してしまう、というところなのではないか。大して日本のヘリコプター搭載護衛艦は、はるな型、しらね型、とヘリコプター巡洋艦型が長らく続いていたのだから。
ハリアーを艦載機として搭載している様子がここからもよくみえるようになりまして、イタリア海軍は空母ジュゼッペガリバルディのころから航空機と艦艇の関係を研究し、こうした形状になっているのだという、実際ハリアーとF-35Bの橋渡し的関係も。
艦載機による防空を考えるならば、それほど切羽詰まったステルス性により敵対勢力の電波から隠れなくとも艦載機が迎撃してくれるだろう、という余裕が、大してその大きさがそれほど変わらない、カブール、いずも、との間にあるのかもしれません。
満載排水量でみたばあい、大きさは日伊ともほぼ同じなのです、カブールも空母艦載機により防空を担う、ということではあるのですが、CAP戦闘空中哨戒を維持できるほど艦載機を搭載しているのかと問われれば、実のところそれほど戦闘機は積めない。
ニミッツ級原子力空母、横須賀界隈ではこうしたメガキャリアーとよばれる航空母艦を日常的に見ていますので、艦隊防空の主力に戦闘機をおくには、ニミッツ級くらいが必要にうなる印象だ。もっとも、そのアメリカも艦隊防空はイージス艦が中心だけれども。
ソ連黒海艦隊、イタリア海軍が直面する脅威は海上自衛隊よりも低かったのではないか、と思われるかもしれませんが、それは真逆でNATO海軍としては、冷戦時代にソ連黒海艦隊の地中海侵攻を抑止する任務をイタリアに期待していて、脅威度はすごかった。
イタリア海軍のほかに地中海沿岸にはギリシャ海軍やトルコ海軍がいますが、冷戦時代には期待できず、ルーマニアやブルガリアがNATOに加盟するのは冷戦後、ソ連がロシアとなり、ロシアがNATOオブザーバー国になってさらに以降、頼れる相手は少ない。
カブールはそうした要求性能と設計思想の先に、けっこういろいろRCSに影響、つまりレーダーに反射しそうな構造物が並んでいる設計なのですが、これも相応の哲学に基づいた設計哲学の先にあるのだろうなあ、と異文化に感心しながら、撮影を続けました。
北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ まや
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