北大路機関

京都防衛フォーラム:榛名研究室/鞍馬事務室(OCNブログ:2005.07.29~/gooブログ:2014.11.24~)

ウクライナ情勢-ロシア軍ウフレダール占領とフランス政府ミラージュ2000戦闘機ウクライナ供与発表

2024-10-11 07:00:32 | 防衛・安全保障
■防衛情報-ウクライナ戦争
 縦深防御と撤退の違いをどう説明するかが民主国家における戦争と国民の支持につながるものですので、この点防衛知識が全く普及していないわが国は学ぶべきかもしれない。

 ロシア軍はウフレダールを占領した。イギリス国防省のウクライナ戦況報告10月5日付情報によれば、10月1日にロシア軍がウフレダールを占領したもよう。ウフレダールはザポリージャとドネツクという二つの戦区を結ぶ中間点に位置し、ロシア軍は過去2年間この攻略を試み9月の一ヶ月間をこの地域の攻略に向けかなりの兵力を投じていた。

 ウフレダールは9月末までにロシア軍が包囲するかたちとなり、両翼包囲のかたちでウクライナ軍は市街地が完全に包囲される前にウフレダールから撤退したとのこと。ウフレダールは丘陵地に位置しており比較的防衛が容易とされていました。ウフレダール失陥はウクライナ軍にとり二つの戦線にロシア軍が連絡線を構築させる懸念があるでしょう。

 高速道路T-0509号線、今後のロシア軍攻撃軸は高速道路に沿って進むものとなる可能性があり、ザポリージャのヴェリカノヴォシルカ、更にその先8kmにはボホイアウレンカが続きます。唯一の楽観要素はウクライナ軍は今回、包囲され補給の途絶した市街地での徹底抗戦による消耗を回避し、逆にロシア軍はかなりの出血を強要されたことでしょう。
■防衛情報-ウクライナ戦争
 夏に百里基地に展開しましたラファール戦闘機のひとつ前にダッソー社が開発していたのがミラージュ2000です。

 フランス政府はウクライナへミラージュ2000戦闘機を供与する、10月9日付NHK報道によればフランス政府がウクライナ空軍の防空能力強化のためにミラージュ2000戦闘機を供与すると発表、具体的にはルコルヌ国防大臣がSNSを通じて示したといい、既にウクライナ空軍操縦士や整備士への機種転換訓練を開始しているとのことです。

 ミラージュ2000戦闘機は、現在フランス空軍がラファール戦闘機を導入し退役が始まっている戦闘機ですが、F-16戦闘機と同世代にあたる第4世代戦闘機で十分有用、我が国周辺では中華民国台湾空軍が運用しています。供与される具体的な時期は2025年の1月から3月にかけてのことで、具体的な供与数などについては明らかにされていません。

 オランダ政府がウクライナへ追加のF-16戦闘機供与の方針を発表しているほか、スウェーデン政府もウクライナへJAS-39グリペン戦闘機供与の可能性を示しています。ウクライナのゼレンスキー大統領はウクライナ防衛には140機のF-16戦闘機が必要としています、機種が複数とはなりますがかなりの数の戦闘機が供与されることとなります。

北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ まや
(本ブログに掲載された本文及び写真は北大路機関の著作物であり、無断転載は厳に禁じる)
(本ブログ引用時は記事は出典明示・写真は北大路機関ロゴタイプ維持を求め、その他は無断転載と見做す)
(第二北大路機関: http://harunakurama.blog10.fc2.com/記事補完-投稿応答-時事備忘録をあわせてお読みください)

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 【G3X撮影速報】岐阜基地日常... | トップ | 令和六年度十月期 陸海空自... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

防衛・安全保障」カテゴリの最新記事