■大災害と装甲車
広帯域多目的無線機という視点を示しました前回の特集ですが、実はこの装備、東日本大震災災害派遣を経緯に震災の管区を受け持つ第6師団に潜行配備されていたものでした。
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第2師団と第6師団が実験部隊に指定されていたためで、第6師団は基幹連隊指揮統制システム実験部隊に指定され、様々な先進装備を有していたのですが、此処で東日本大震災では大きな問題が生じました、それは第6師団隷下に全国から災害派遣部隊として加入した部隊が通信機の規格が異なる為、指揮命令系統に無線機の相違が影響した訳です。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/36/57/dc39b673d4862225f64febfef15ab6b6.jpg)
この問題は非常におおきく受け取られ、直ちに補正予算に全国の師団及び旅団への広帯域多目的無線機配備に関する要求が出されました、この顛末を全国紙の記者の方にお話ししますと、これは災害派遣を理由に自衛隊が他の装備を買おうとしたのではないか、という視点を返されまして、そういう見方も出来るのか、と。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/05/62/99653bfef7daa0270b1e39cdf52e4b12.jpg)
しかし、実際は逆のようでして。この点を中の方と雑談の際にお話ししてみますと、補正予算で調達された一方で実は他の某装備が広帯域多目的無線機と引き換えの形で調達修了になっている、というお話を頂きました、この某装備はかなり重要な装備なのですが、それだけ通信規格の統合を求める声が内部に大きく、問題が防衛出動で露見したのではなく災害派遣にて露呈した、という形だったとの事です。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/70/cb/c2cc95e0c879cc7660505e1fa70d49f3.jpg)
ですから、災害派遣に有用な装備が自衛隊の本来任務である国土防衛任務と重複するものであれば、その調達を進める、という視点は有り得るものなのでしょう。これを踏まえてですが、災害派遣へ有用な装甲車両というものがあるのではないか、と。災害派遣と装甲車両ですが、全国の普通科連隊へ軽装甲機動車の配備が広範に進められますと、軽装甲機動車が災害派遣へ派遣される事例が増えています。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/28/ed/b9f1e705b8c86e85254d542a954330ea.jpg)
これは軽装甲機動車が中隊単位での基本車両であるため当然といえば当然なのですが、その上で装甲車両を、ということ。ストライカー装輪装甲車やVAB軽装甲車、LAV-25軽装甲車、96式装輪装甲車派生型であってもいいのですが、発電能力がエンジン出力の面から大きく、これが発動発電機の代用としての能力を持つほか、ウィンチ等を設置すれば簡易の施設機材車両の代用として用いる事が出来ます。
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装甲車両一両を強力な電力を発電できるエンジンを備えた頑丈な車両、と見た場合、様々な用途が広がる訳です。更に広帯域多目的無線機車載型のような、FBCB-2のようなデータ通信能力を付与する事で被災地の細々とした情報を、被災者情報や救援物資配布状況や要救助者情報等を車両ごとに分散し運用する事が可能となります。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/29/52/82f0a1d1856c6b4723653e3519899186.jpg)
元々広帯域多目的無線機やFBCB-2が目指すデータリンク能力は部隊の分散展開を機動力とは別の情報共有という部分で指向したものなのですからある種当然といえば当然なのですがこうした能力があるならば、一両単位で被災地へ展開し、その一両ごとの装甲車両を地域救援の拠点として用いる事も可能でしょう。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/09/69/f5f671067f6f414285ae4dff0e6f50ec.jpg)
装甲車両であればストライカー装輪装甲車やVAB軽装甲車、LAV-25軽装甲車、96式装輪装甲車派生型、いずれの車両でも車体上部へ装備を搭載する事に加え牽引応力が大きい訳ですので、1t半トレーラ等を牽引する事も出来ます。牽引任務へ対応する場合は、下車に時間がかかる事を意味しますが、戦闘に派遣する訳ではありませんのでそれほど大きな問題とはなりません。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/25/e5/1c33e53d446dfe9b743b737b828348a6.jpg)
浄水器材を車載する事も出来ますし発電能力が大きく通信能力を有しているのですから、部隊指揮官の他自治体防災担当者を同乗させ指揮通信車のような役割にも、例えば停電地域より携帯電話の基地局さえも内蔵電源が機能不随となっている状況で通信を継続する事が可能です、また、RWS、つまり遠隔操作式銃搭を搭載する車両は暗視装置により夜間などでも高い情報収集能力を持ち、非常に有用と云えます。
北大路機関:はるな くらま
(本ブログに掲載された本文及び写真は北大路機関の著作物であり、無断転載は厳に禁じる)
(本ブログ引用時は記事は出典明示・写真は北大路機関ロゴタイプ維持を求め、その他は無断転載と見做す)
広帯域多目的無線機という視点を示しました前回の特集ですが、実はこの装備、東日本大震災災害派遣を経緯に震災の管区を受け持つ第6師団に潜行配備されていたものでした。
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第2師団と第6師団が実験部隊に指定されていたためで、第6師団は基幹連隊指揮統制システム実験部隊に指定され、様々な先進装備を有していたのですが、此処で東日本大震災では大きな問題が生じました、それは第6師団隷下に全国から災害派遣部隊として加入した部隊が通信機の規格が異なる為、指揮命令系統に無線機の相違が影響した訳です。
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この問題は非常におおきく受け取られ、直ちに補正予算に全国の師団及び旅団への広帯域多目的無線機配備に関する要求が出されました、この顛末を全国紙の記者の方にお話ししますと、これは災害派遣を理由に自衛隊が他の装備を買おうとしたのではないか、という視点を返されまして、そういう見方も出来るのか、と。
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しかし、実際は逆のようでして。この点を中の方と雑談の際にお話ししてみますと、補正予算で調達された一方で実は他の某装備が広帯域多目的無線機と引き換えの形で調達修了になっている、というお話を頂きました、この某装備はかなり重要な装備なのですが、それだけ通信規格の統合を求める声が内部に大きく、問題が防衛出動で露見したのではなく災害派遣にて露呈した、という形だったとの事です。
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ですから、災害派遣に有用な装備が自衛隊の本来任務である国土防衛任務と重複するものであれば、その調達を進める、という視点は有り得るものなのでしょう。これを踏まえてですが、災害派遣へ有用な装甲車両というものがあるのではないか、と。災害派遣と装甲車両ですが、全国の普通科連隊へ軽装甲機動車の配備が広範に進められますと、軽装甲機動車が災害派遣へ派遣される事例が増えています。
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これは軽装甲機動車が中隊単位での基本車両であるため当然といえば当然なのですが、その上で装甲車両を、ということ。ストライカー装輪装甲車やVAB軽装甲車、LAV-25軽装甲車、96式装輪装甲車派生型であってもいいのですが、発電能力がエンジン出力の面から大きく、これが発動発電機の代用としての能力を持つほか、ウィンチ等を設置すれば簡易の施設機材車両の代用として用いる事が出来ます。
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装甲車両一両を強力な電力を発電できるエンジンを備えた頑丈な車両、と見た場合、様々な用途が広がる訳です。更に広帯域多目的無線機車載型のような、FBCB-2のようなデータ通信能力を付与する事で被災地の細々とした情報を、被災者情報や救援物資配布状況や要救助者情報等を車両ごとに分散し運用する事が可能となります。
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元々広帯域多目的無線機やFBCB-2が目指すデータリンク能力は部隊の分散展開を機動力とは別の情報共有という部分で指向したものなのですからある種当然といえば当然なのですがこうした能力があるならば、一両単位で被災地へ展開し、その一両ごとの装甲車両を地域救援の拠点として用いる事も可能でしょう。
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装甲車両であればストライカー装輪装甲車やVAB軽装甲車、LAV-25軽装甲車、96式装輪装甲車派生型、いずれの車両でも車体上部へ装備を搭載する事に加え牽引応力が大きい訳ですので、1t半トレーラ等を牽引する事も出来ます。牽引任務へ対応する場合は、下車に時間がかかる事を意味しますが、戦闘に派遣する訳ではありませんのでそれほど大きな問題とはなりません。
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浄水器材を車載する事も出来ますし発電能力が大きく通信能力を有しているのですから、部隊指揮官の他自治体防災担当者を同乗させ指揮通信車のような役割にも、例えば停電地域より携帯電話の基地局さえも内蔵電源が機能不随となっている状況で通信を継続する事が可能です、また、RWS、つまり遠隔操作式銃搭を搭載する車両は暗視装置により夜間などでも高い情報収集能力を持ち、非常に有用と云えます。
北大路機関:はるな くらま
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