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京都防衛フォーラム:榛名研究室/鞍馬事務室(OCNブログ:2005.07.29~/gooブログ:2014.11.24~)

南海トラフ巨大地震注意気象庁解除,貴重な再点検の機会-3.11災害派遣時より大幅に減った自衛隊航空機

2024-08-16 07:00:14 | 防災・災害派遣
■いまこそ備えを
 地殻の弾性限界という物理原則がある以上はプレート境界地震は発生するという現実はかわりがない。

 気象庁は15日1700時をもって巨大地震注意を解除しました。8日に発生した宮崎県に日南沖地震を契機に、その震源沖が南海トラフ地震想定震源域である日向灘で、地震規模がマグニチュード7.1を超えていた為に、東日本大震災を引き起した東北地方太平洋沖地震の数日前に発生した地震と同型の前駆地震である事を警戒し発令されていたものでした。

 神奈川県中部地震がその間に発生した事もあり、気象庁は別の震源域の地震であると強調しましたが、外電の中には地震発生を予知したと報じるところもあったものの、マグニチュード9クラスという南海トラフ地震は発生に至らず、しかし地殻の弾性限界を考えればいつかは限界を超えて巨大地震を誘発する為、今後とも警戒を怠る事はできません。

 さて、各家庭レベルでは、今回の巨大地震注意を受け、防災用品の備蓄点検や不足分の補充と家具固定再点検などが幅広く行われ、いつか来る巨大地震への一種の点検が叶った事は僥倖といえます。ただ、個人のレベルでは難しい視点、特に自衛隊などの対処能力という視点からは、いつか来る南海トラフ地震に備えた問題点を洗いなおす必要があるように。

 3.11東日本大震災の頃と比べ、自衛隊のヘリコプターはかなり減っている、150機程度は減っており、これが南海トラフ地震における自衛隊災害派遣という任務を考えますと、まもなく概算要求公示を迎えるところではありますが、多用途ヘリコプターと、また全廃された観測ヘリコプター110機、対戦車ヘリコプター50機の補填を考えるべきではないかと。

 自衛隊は今後、観測ヘリコプターと対戦車ヘリコプターを無人機に置換える構想で削減を進めていますが、削減だけは進んでいても無人機については機種選定さえ始まっておらず、この後継機となる装備が防衛出動以外の災害派遣において機能するのかについては、災害派遣の運用が要求仕様に含まれるかも含めてゼロベースであり、薄氷の上を歩くかんじ。

 例えばエアバス社などはEC-145から無人機を運用する新技術を試験中であり、EC-135かEC-145を補正予算を組んででも150機調達するとか、アメリカで進むUH-60無人運用試験を元にAH-1Sが削減された機数分のUH-60を追加調達するなど、今回は来なかったが、いつか来る地震災害に備えて、空輸能力の再点検を行っては、と考えてしまうのですね。

北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ まや
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