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朝鮮半島緊迫!エイブラハムリンカーン空母打撃群日本海展開,北朝鮮核実験準備進む中で日米合同訓練!

2022-04-14 07:00:06 | 防衛・安全保障
■臨時情報-朝鮮半島情勢
 ウクライナ戦争の戦況が緊迫度合いを増す中ではありますが北東アジア地域でも緊張が高まっています、それは北朝鮮核実験準備という。

 北朝鮮による度重なるICBM大陸間弾道ミサイル実験や核実験施設の再活性化による七度目の核実験強行が懸念されるなか、アメリカ海軍は原子力空母エイブラハムリンカーンを中心とした空母打撃群を日本海へ展開させました。アメリカ海軍の空母が日本海へ展開するのはトランプ政権時代の2017年11月以来となります。現代の空母は当時よりも強力だ。

 海上自衛隊は日本海においてエイブラハムリンカーン空母打撃群との共同訓練を実施中とのことです。この訓練は第七艦隊が発表したもので、この点について政府は松野官房長官が定例記者会見において、詳細については米軍及び自衛隊の運用に関わる為に今は発表できないが、公表できる状況になり次第防衛省が発表する、としています。その目的とは。

 バイデン大統領はロシア軍ウクライナ侵攻による緊張の空白に乗じて北朝鮮が更なる軍事的恫喝を空母打撃群による強力な抑止力により跳ね返す狙いがあるのでしょう。なお、2017年にトランプ大統領が空母部隊を派遣した際は、3隻同時展開という朝鮮戦争以来の規模で実施していますが、この時は北朝鮮が連続していたミサイル実験を中止に追込まれました。

 原子力空母エイブラハムリンカーンは何が強力か、それはF-35C戦闘機が空母航空団にも配備されているためです、これは第314海兵攻撃飛行隊のF-35C戦闘機で、第9空母航空団へ配備されています。空母打撃群は多数のイージス艦とイージス巡洋艦、E-2D早期警戒機や原子力潜水艦とともに一体運用され、艦載機も60機、極めて高い打撃力を誇ります。

 イギリス空母クイーンエリザベスが2021年に我が国を訪問しましたが、満載排水量6万5000tの極めて強力な空母ではある一方、F-35戦闘機はF-35Bを24機、そしてAW-101-AEW早期警戒ヘリコプターを搭載していました、対してアメリカ原子力空母は満載排水量10万2000tでF-35CとF/A-18E,E-2D早期警戒機にEA-18G電子攻撃機を積む。

 F-35C戦闘機はJSF統合打撃戦闘機の真骨頂と云うべき性能がありまして、実は一番大型となっています、全長は15.7mで自衛隊などが採用したF-35Aの15.67mやイギリスの空母に搭載され垂直離着陸が可能なF-35Bの15.61mよりも大きく、また全幅はA型B型が10.67mとなっていますが、C型は13.11m、空母の飛行甲板では主翼を折畳んでいます。

 JSF統合打撃戦闘機という名称ですがC型の戦闘行動半径は1241kmで、同じ空母艦載機でもB型の935kmよりも遥かに大きく、これは機体が大きいという部分もあるのですが、垂直発着用のリフトファンエンジンの部分にも燃料が内臓されているという点がある。最大離陸重量もB型の27.2tに対しC型は31.75t。なお、ステルス性は同等となっています。

 北朝鮮の防空網では恐らくF-35Cを発見する事は出来ません、昼間であれば目視で視る事も出来るかもしれませんが快晴に限られ、発見できたとしても北朝鮮空軍のMiG-29戦闘機では太刀打ちできません、そして統合打撃戦闘機であるF-35Cは空対空ミサイル勿論、各種精密誘導兵器などを搭載可能、この見えない戦闘機の威力は極めて大きい抑止力となる。

 ただ、前回に空母が展開した際には、相次ぐミサイル実験と核実験示唆を前にこのまま韓国へ南進するのではないかという危惧さえ持たれていたところに、トランプ大統領は空母打撃群三個という、イージス艦と艦載機が日本海で渋滞する程の滅茶苦茶といえる軍事力を突き付け、緊張を無理矢理緩和させました。今回投入されているのは1個空母打撃群、強力ではあるのですが前よりも少ないのです、今後の北朝鮮核実験準備などの動向を慎重に見守りましょう。

北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ
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