■脅威に柔軟対応こそ重要
政治が求める能力をその権限を逸脱しない範囲内において実行する能力が求められています、その任務は状況により柔軟に変化し何れも対応する事が求められる。
自衛隊は陸上自衛隊と海上自衛隊と航空自衛隊であって、対中自衛隊と対朝自衛隊に対露自衛隊であってはならない、航空自衛隊が航空宇宙自衛隊に改称するかどうかは別の論点としまして、自衛隊という組織は脅威に柔軟に対応できるべく汎用性の高い防衛力を整備する必要があり、脅威の概要を日本が一方的に画定することは間違いだとおもうのです。
脅威のあり方、ある程度の方向性と想定にもとづくオペレーションリサーチは必要だとは考えます、しかし、この程度の脅威があるのでこうすることで勝つことができるためにこれとこの装備にこの訓練を、と勝利への方法まで主導権を握れると考えることは怠慢です。北朝鮮の軍事力や中国と有事の際の作戦、平時から画定するには無理があるよう考えます。
政治が任務を決定する、これがシビリアンコントロールの鉄則であり、文民統制は間違えても文民といいますか軍人ではない官僚が決められるものではなく、官僚も軍人と同じ官側の人間であり最終的な決定は、官僚人事が選挙で決まるような制度とならない限り、最高裁判事のような、こうならぬかぎり政治がすべてを決定すべき命題です、責任と共に。
しかし、その上で、北朝鮮に対してはこうした打撃力が必要だ、とか、その上で台湾有事や中国との関係とを考えれば上陸することはないだろうからどのようなミサイルの種類が必要で、と画定するのではなく、航空打撃力や機械化部隊や水上戦闘艦部隊を整備した上で、政治が求める任務に部隊と装備を組み立てるという体制が自衛隊の然るべき姿と思う。
画定された任務しか想定しない装備体系や部隊体系であれば、突発的な任務を用いられた場合、わかりました即座に対応するために五年間時間をください、来年度の概算要求に盛り込みますので会議の準備を日程調整します、こう融通の利かない組織になってはならないのです。これは一種、戦前の日米が考えた同じような作戦計画ににているともいえます。
オレンジプラン、あ号作戦、日米ともににたような作戦計画を画定していましたが、実際に始まってみますと戦争の形態が当初想定よりも全く異なるものとなっていました。反撃能力よりも航空打撃力、北大路機関が提示しました背景にはこうした認識があり、機械化部隊を全国に配備すべきと繰り返すのも、新しい88艦隊構想も、この理念に基づくものです。
北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ
(本ブログに掲載された本文及び写真は北大路機関の著作物であり、無断転載は厳に禁じる)
(本ブログ引用時は記事は出典明示・写真は北大路機関ロゴタイプ維持を求め、その他は無断転載と見做す)
(第二北大路機関: http://harunakurama.blog10.fc2.com/記事補完-投稿応答-時事備忘録をあわせてお読みください)
政治が求める能力をその権限を逸脱しない範囲内において実行する能力が求められています、その任務は状況により柔軟に変化し何れも対応する事が求められる。
自衛隊は陸上自衛隊と海上自衛隊と航空自衛隊であって、対中自衛隊と対朝自衛隊に対露自衛隊であってはならない、航空自衛隊が航空宇宙自衛隊に改称するかどうかは別の論点としまして、自衛隊という組織は脅威に柔軟に対応できるべく汎用性の高い防衛力を整備する必要があり、脅威の概要を日本が一方的に画定することは間違いだとおもうのです。
脅威のあり方、ある程度の方向性と想定にもとづくオペレーションリサーチは必要だとは考えます、しかし、この程度の脅威があるのでこうすることで勝つことができるためにこれとこの装備にこの訓練を、と勝利への方法まで主導権を握れると考えることは怠慢です。北朝鮮の軍事力や中国と有事の際の作戦、平時から画定するには無理があるよう考えます。
政治が任務を決定する、これがシビリアンコントロールの鉄則であり、文民統制は間違えても文民といいますか軍人ではない官僚が決められるものではなく、官僚も軍人と同じ官側の人間であり最終的な決定は、官僚人事が選挙で決まるような制度とならない限り、最高裁判事のような、こうならぬかぎり政治がすべてを決定すべき命題です、責任と共に。
しかし、その上で、北朝鮮に対してはこうした打撃力が必要だ、とか、その上で台湾有事や中国との関係とを考えれば上陸することはないだろうからどのようなミサイルの種類が必要で、と画定するのではなく、航空打撃力や機械化部隊や水上戦闘艦部隊を整備した上で、政治が求める任務に部隊と装備を組み立てるという体制が自衛隊の然るべき姿と思う。
画定された任務しか想定しない装備体系や部隊体系であれば、突発的な任務を用いられた場合、わかりました即座に対応するために五年間時間をください、来年度の概算要求に盛り込みますので会議の準備を日程調整します、こう融通の利かない組織になってはならないのです。これは一種、戦前の日米が考えた同じような作戦計画ににているともいえます。
オレンジプラン、あ号作戦、日米ともににたような作戦計画を画定していましたが、実際に始まってみますと戦争の形態が当初想定よりも全く異なるものとなっていました。反撃能力よりも航空打撃力、北大路機関が提示しました背景にはこうした認識があり、機械化部隊を全国に配備すべきと繰り返すのも、新しい88艦隊構想も、この理念に基づくものです。
北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ
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(第二北大路機関: http://harunakurama.blog10.fc2.com/記事補完-投稿応答-時事備忘録をあわせてお読みください)
文章を読んで、
「想定脅威を決めて装備体系を考えることは、有事に想定したとおりの脅威が起きるはずないので危険である、
自衛隊は対処する脅威を限定することなくあらゆる事態に備えた装備と能力を持つべきだ」
と見えてしまったので気になりました。
なんでもできる=器用貧乏で金がない、になりますから、
想定外にも柔軟に対応できる、単純明快で応用の利く装備と戦闘教義を運用し、危機においては柔軟に体制を変えて対応する、というのが王道と思います。
貴ブログのこれまでの論説を見ても従来型重戦力を"単純明快で応用の利く装備と戦闘教義"と考えられていると思いますが、そうでないとしたら聞いてみたいな、と。
実はこれ、"航空宇宙自衛隊の宇宙戦争能力【3】宇宙より地球!防空自衛隊からの脱却が航空自衛隊の優先すべき喫緊課題2022-12-17 20:00:20 | 国際・政治"のコメント返答として作成しました
おっしゃるように、一通りのバランスのとれた部隊編成・装備体系を整えることは重要と思います。その上で、個別に。。。
・陸自は戦車を300両維持するようなので、十分でしょう。むしろIFVを最低300両、できれば600両整備することが重要と思います。これで機械化混成機動連隊を10個ほど編成すれば良いかと。
・空自が対地戦闘能力が低いことを問題視されているのでしょうか?それは確かに問題かもしれませんが、大々的に必要かと言われると微妙な気がします。近代的な対地攻撃は、誘導爆弾と対地ミサイルであり、F35は前者は装備しており、後者は元々あまり検討されていない気がします。対艦ミサイルは色々検討されていますが。。F2も同じくですよね。ブリムストーンなどを導入しますか?F35 Blk4にはインテグレートされるようですが。もう少ししっかりと訓練をする必要はあると思います。
・巡航ミサイルは、むしろ今まで欠けていたもので、今回の調達でやっとバランスが取れると思っています。南西諸島の現状を考えれば、A2AD的な装備こそが重要なのにそれを装備してこなかった。そしてA2AD戦術においては、長距離ミサイルが最も有効であることは、中国の装備体系と、それに対して苦慮している米軍の様子を見れば明らかです。
個人的には今回議論されている内容は、むしろバランスをよくするものが多いように感じています。もちろん具体的な話がまだ見えないし、オペレーションズリサーチの結果の情報もまだ出てきていないので、これからもう少しわかると思うのですが。
個人的に、陸自は、野戦兵力を縮小してでもA2AD的な装備体系へ変えることが、バランスの改善で重要と思います。
海自は南西諸島防衛を考えるなら、護衛艦を減らしてでも、むしろ小型の潜水艦を増備すべきかと思います。潜水艦は平時の対応ができないので、哨戒艦と合わせて整備する。シーガーディアンを増備し、監視能力を向上すべきでしょうね。
空自は最も増備すべきは、私は、給油機だと思います。沖縄の基地は数日で壊滅するでしょうから、本土から敵航空優勢の拒否をすることが重要では?あと、SM6の陸上版とか整備できないでしょうか?あるいはパトリオット用のミサイルとしてPAC2を大幅に長射程化する(500 km級)。高度10 kmからみた地平線は500kmほどですので、「地平線に顔を出した敵哨戒機 and/or AWACS機を狙撃できる長距離対空ミサイル」はとても有効かと思います。
「軍事的な脅威があるにもかかわらず政治的な理由で想定から除外し、その結果として重要な能力を省いてしまうことは危険である」
ということでしょうか。これならばとても納得できます。
と、ここからは私見ですが、対地攻撃能力といっても近接航空支援、航空阻止、戦略攻撃は別物として区別した方がよいのではないかと考えております。必要な作戦機の性能がそれぞれ異なり、各種支援の環境も異なるので同列に語って議論すると話がかみ合わない気がします。
特に、音速機主体の空自では近接航空支援能力獲得が本当に割に合うのか、他(陸自ヘリや無人プロペラ機)に任せた方が割がよいのではという疑念があり、空自の役割を追加することに猜疑的なのです。
(それはそれとしてSEADができないのに航空阻止できるのか、等、空自の航空作戦実行における自己完結性に疑問符は凄くある)