■2月21日より実施
改造エアソフトガンによる傷害事件や、特に2005年に頻発した自動車に対する違法改造エアソフトガンを用いた狙撃事件への対応として施行された改正銃刀法の猶予期間が間もなく終了する。
改正銃刀法では1㌢平方に対して3.5ジュール以上、6㍉BB弾に換算した場合で0.989ジュール以上のものが準空気銃扱いとなり、2月21日以降にこの準空気銃を所持することは銃刀法違反となるもので、法制定時に販売されていた一部のエアソフトガンもこの規定値を超えていることから、メーカーによる無償整備や減圧器具給付などが行われている。しかし、電動ガン普及以前に広範に使用されていたJACやアサヒ社製のガスガンはガス供給方式によっては規定値を超えており、この点が問題であった。
この問題に対する確たる回答を得るべく、小生は本日、アタッシュケースに当該物を収納し、所轄警察署生活安全課に赴いた。上記の二社製品などは、一部に外部からのタンクから高圧空気を補充して発射する方式のものがあり、これが準空気銃相当の威力を発揮するものだが、この点は警察官の方もご存知で、緊張する小生(なにしろ玩具とはいえ、UZIをアタッシュケースに収納し警察署に行くのだから)に対して、様々なことをお教えいただいた。
JACやアサヒ社製のものについては、高圧空気を補充する部分のパッキンが老朽化し、使用できないようになっている可能性を挙げた上で、どうしても気になる場合は廃棄していただくか、もしくは発射機能を喪失する程度に内部を破壊するという事を提示された。ここで、発射機能の喪失というものの定義を聞いたところ、具体的には銃口部分に鉛を詰めてしまうか、若しくは外部からの高圧空気供給部分を変形させ無力化することを例示していただいた。
鉛は釣用錘を溶かすのも面倒であるし、銃身が樹脂製なので高温の鉛を流し込むのは逆に危険であるから、高圧空気補充部分を写真のように完全に変形させることで対応した。これならば金槌があれば完了である。写真のUZIは2000年にEという模型店で2000円で販売されていたものであるが、JACやアサヒからはFNCやAR-18、スターリングSMGなど貴重な価値をもつ製品も出されており、廃棄するに忍びないという方も見えようが、実際にはこの程度の変形により通気が不能となり、今後もコレクションに並べることが出来る。
マルシン社製MAXIシリーズは、固定スライド方式ガスガンとして、ガスが液化してしまいがちな冬季においても快調な作動性を発揮するエアソフトガンとして1998年ごろからシリーズの販売が始まり、価格も比較的安く、モデルガンメーカーであるマルシンならではの精巧なつくりから多くのファンを獲得している。しかし、一部で威力に1ジュールを超えるものがあるということから、メーカーは全力を挙げて対応を展開している。
MAXIが規定値以上の威力を発揮する可能性を知らされたのは先日、P220を購入した際に店員さんからお教え頂き、急ぎメーカーのホームページを検索したところ、なるほど、全てを改修対象としており、製品をメーカーに送るか(送料は会社側が負担)、自己取り付けと自己検速を行える方にはメーカーから減圧器具を送る旨が記載されていた。そこで早速メールを送ったところすぐに返事があり、数日後には減圧器具が到着した。
減圧器具は、写真の右下に写る三つの金属で、マガジン部分のガス噴射口に差し込む形で装着する。差し込むというものの、黒い金属棒に乗せる形で押し込むが中々入らない。全体重を掛けて押し込むが入らない。
ここにいたり金槌を用意し小突いてみるが、やはり歯が立たず、思い切って振り上げ叩き込むと漸くマガジンに装着できた。ここまで強く押し込めば分解しても外れてしまう心配はない訳である。
右側が改修済のマガジン、左側が未改修のマガジンで、左側のマガジンを改修せず放置すれば銃刀法に触れてしまうのだが、写真のガス放出口の相違がわかるだろうか。
器具を装着すればMAXIであっても、気温セ氏35度において銃口から0.75㍍点~1.25㍍間移動速度が毎秒99㍍以内で、0.989ジュール以内という規制値に合致するように計算されている。
物凄い音と共にBB弾を発射するMAXIを前のように撃てなくなるのは少々寂しい気持ちがするものの、三つ全ての改修を終了した。ダイハードのマクレーン刑事に憧れ、3ウェイホルスターとホルスターに標準装備のパウチ用の予備マガジンを含め三つ、CQB想定などではかなり重宝した、規定外値と聞いた際には廃棄も一瞬考えたMAXIであるが、メーカーの即応というべき対応に支えられ、再び小生のコレクションとして書架の一部分を飾ることとなった。
エアソフトガンと聞くだけで危険な印象をもたれている方も多いようだが、それはエアガン(空気銃)と混同されている為ではないだろうか、様々なメーカーから出されているエアソフトガンの大半は規定値内品であり、規定外品は例外を除いて減圧措置が採られている。規定の0.989ジュールであるが、某メーカーHPに掲載されていた内容を引用すると、軍用小銃は2000~3000ジュール、野球の投球は100~120ジュール、プロゴルファーのゴルフボールは80~110ジュール、プロテニスプレーヤーのサーブが50~80ジュール程度とのことで、使い方さえ誤らなければ0.989ジュールとは過剰な危険を感じる必要もないようにも感じるのは小生だけであろうか。
HARUNA
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