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【京都幕間旅情】東福寺,禅宗-日宋交流は紅葉と辿る鎌倉幕府四代将軍実父九条道家の願い

2021-12-01 20:00:49 | 写真
■紅葉の東福寺を巡る
 本日も紅葉の季節と云う事で二部構成にて美しい情景と歴史を紹介しましょう。

 紅葉という季節の不思議な移ろいの表情に接しますと、気候変動というものを真夏の灼熱というような猛暑酷暑に曝されているものの、まあ季節というものは平穏無事に毎年通りなのだと実感させられるところ、ここは東福寺、日本の紅葉を代表する立地のひとつ。

 京都駅から奈良線で一駅、東福寺駅がJR線として佇んでいまして、ここに隣接する京阪本線東福寺駅を駆使しますと、実は京都は交通先進都市なのだというほどに移動が便利です、しかし、東福寺という駅名は実は、巨大な伽藍に通じる巨大な入り口でもあるのですね。

 鶯色の山手線塗装103系電車で、最近は京浜東北線塗装的な205系に置き換わりつつあるが、一駅ゆくだけでここまで壮大な寺院があるのですか、とは上京の友人がしきりに感心していたことなのですが、しかし京都駅前に東本願寺もありますので、そういう街なのだ。

 拝観料を納めて紅葉の伽藍を。実は三門や法堂は自由に拝観することができます、自由と言いましても門限があり、夜間に大徳寺のような自由な拝観はできないのですが、それでも空が広がるような広大な寺域に文字通りの巨大な伽藍は迫力と信仰の活力を感じる。

 活力を感じると言いますのは、庭園は拝観料を頂くけれども、信仰のより所はご自由に、という懐の広い信仰の精神でしょうか、ご本尊も法堂の中には入れないのですけれども、間口は開かれており拝むことも自由、近寄るだけが信仰ではないという気概でしょう。

 コロナ禍下、しかし拝観料も高くなりました、いや政教分離原則から文化財といえども寺院は自らその修繕費用と維持費用を担わなければなりませんので、観光客が大幅に減ったさなかに致し方ないことではあるのですが、それにしても中々気軽には拝観できない。

 COVID-19の危険な新型株、オミクロン株が南アフリカ共和国保健当局により報告され、また世界は大鎖国時代に戻りつつあるようですが、スパイクタンパク質に特異な変化を世界に先駆けて発見、躊躇なく包み隠さず危険性を世界に訴えた当局の功績を先ず讃えたい。

 しかし、交流というものはいつの時代も一定程度までならば親密さを増すものですが、一定以上となりますと余程双方が慎重でない限り、摩擦を生んでしまうものですね。南アフリカに対して、2020年1月の中国の疾病情報は秘密主義という摩擦を生んでしまった。

 東福寺の歴史を紐解きますと、京都五山という禅寺の、という歴史とともに平安朝の頃から鎌倉時代、武家政治の時代へ転換する壮大な歴史の波濤とともに日本の国際社会における転換というものが垣間見えるのです、こういうのも禅宗は大陸の、最新の、仏教です。

 源頼経、鎌倉幕府第四代征夷大将軍ですが、東福寺の造営を力強く推したのは源頼経の実父であり公家でもある九条道家でした。源頼経という人は征夷大将軍襲名前には藤原頼経となっていまして、しかし鎌倉幕府初代将軍源頼朝の遠縁ではある、また公家でもあった。

 九条道家は、名の通り公家であり朝廷における一大勢力を擁していました。まさに公武合体、といいますか武士と公家の成立ちを象徴する構図なのですが、嘉禎2年こと西暦1236年に、京都における影響力を増大させるために禅寺、最新の中国仏教寺院造営を試みます。

 交流関係というものは、国家の総意同士が結ぶというよりも、地道な努力や草の根の交流から大きく躍進するものなのですが、最新の仏教を日本に導入して衆勢を救おうという善意も、実のところ交流が摩擦を生む事を、実は東福寺造営半世紀後、日本も経験しました。

北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ
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