■防衛フォーラム
今回は第五世代戦闘機を除く戦闘機関連の最新情報を纏めました。
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アメリカ空軍に新たにF-15EXイーグル2戦闘爆撃機2機が納入されました。EX-3,EX-4として納入された2機の機体はエグリン空軍基地へ配備され、第96飛行開発実験航空団と第53航空団へ配備されました。イーグル2の名の通り、またF-15EXが示す通り、この機体はF-15Eストライクイーグル戦闘爆撃機の後継機にあたる戦闘機です。
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イーグル2ですが、しかしEX-4の名称が示すように未だ4機しかアメリカ空軍に納入されておらず、特にF-15EからF-15EXへの改良型として開発リスクが比較的低いものと考えられていましたが、その能力構築については当初予定よりも停滞しており、更に製造費用の高騰などからアメリカ空軍はF-15EX計画について議会からの追及を受けている。
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第96飛行開発実験航空団によれば、プラットフォームを再興の水準とできるようテストを進めており、今までに提示された課題はすべて克服している、ともしています。一方でF-15EXは既に製造費用でF-35戦闘機を上回っていており、開発当時のF-22戦闘機不足やF-35戦闘機の開発遅延とは背景が大きく転換していることから今後が注視されます。■
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インドネシア空軍が導入するラファール戦闘機24機の調達契約が完了しました、これは1月8日、フランスのダッソー社とインドネシア政府との間で6機の調達と続く三度に分けての18機調達、四度に分けて実施された調達契約の第四次契約が成立となり、これによりインドネシア空軍は順次ラファール戦闘機24機を受領してゆくこととなります。
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ダッソー社は今回のインドネシア空軍によるラファール戦闘機取得はインドネシアが東南アジア地域における地域大国として機能するうえで必要な防空能力を示す事ができる、としていますが、インドネシアは2022年9月に最初のラファール戦闘機6機の取得を決定して以来、実際に契約は履行されるのかについて大きな関心を集めていました。
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ラファール戦闘機は当初2022年2月に42機の取得契約を結んでいますが、インドネシアが過去に幾度も調達契約を結ぶものの実際に契約せず、これが競合機に対する有利な条件を示すためのブラフであることが多々あった為です。このため、ダッソー社は四度に分け契約を結び、先ず24機分の支払いを受けてから最初の6機を引き渡すこととしました。■
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スロバキア空軍はF-16block70戦闘機の受領を開始しました。スロバキア空軍は14機のF-16戦闘機を導入予定であり、1月10日にロッキードマーティン社が発表したところによれば、スロバキア空軍は受領したF-16戦闘機の慣熟訓練を行ったのちに2024年半ばにもスロバキアへ回航、老朽化したソ連製MiG-29戦闘機を置き換える事となります。
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MiG-29戦闘機後継機の模索をスロバキア国防省が本格化したのは2018年、この時点ではスウェーデン製JAS-39戦闘機とF-16戦闘機が競合しており、スウェーデン政府はリース契約を提唱していました。戦闘機リースの提案そのものは2015年に受けていたものの2016年にリース契約の価格検討の上で撤回された過去があり、今回はその焼き直し。
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F-16戦闘機はこの結果、14機18億6000万ドルの契約が妥当とされ、調達が決定します。一方、F-35戦闘機フルレート生産を進めるロッキードマーティン社には、F-16戦闘機の受注は残り135機、生産ライン閉鎖が近づいていますが、最近になりブルガリア政府がF-16戦闘機8機の追加契約を模索中で、生産ラインはもう少し伸びるのかもしれない。■
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ポーランド空軍は新たにFA-50軽戦闘機12機を受領しました。韓国のKAI韓国航空宇宙産業が開発したFA-50戦闘機はポーランド空軍が現在運用するF-16戦闘機の能力を補完し、且つ今後ポーランドが取得するF-35戦闘機までの戦力維持を行う上で重要な戦闘機としていて、またウクライナへ供与したMiG-29戦闘機の一部任務を代替します。
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FA-50軽戦闘機について、今回納入されたものはFA-50block10と呼ばれる新区分のもので、ポーランド政府はロシアウクライナ戦争開戦後の2022年9月に12機を関連機材と合わせ7億0500万ドルにて取得契約を結びました。ただ、FA-50block10について、ポーランド空軍では軽戦闘機ではなく高等練習機としての運用を想定しているとのことでした。
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FA-50block10と共にポーランド政府は2023年9月により新しいFA-50block20戦闘機を36機調達する方針で、これはFA-50PLといい、FA-50block10には付与されていないAMRAAM空対空ミサイル運用能力や新型のAESA方式レーダーファントムストライクを備えているといい、この契約は23億ドル規模、2025年から2028年に受領予定です。
北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ
(本ブログに掲載された本文及び写真は北大路機関の著作物であり、無断転載は厳に禁じる)
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(第二北大路機関: http://harunakurama.blog10.fc2.com/記事補完-投稿応答-時事備忘録をあわせてお読みください)
今回は第五世代戦闘機を除く戦闘機関連の最新情報を纏めました。
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アメリカ空軍に新たにF-15EXイーグル2戦闘爆撃機2機が納入されました。EX-3,EX-4として納入された2機の機体はエグリン空軍基地へ配備され、第96飛行開発実験航空団と第53航空団へ配備されました。イーグル2の名の通り、またF-15EXが示す通り、この機体はF-15Eストライクイーグル戦闘爆撃機の後継機にあたる戦闘機です。
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イーグル2ですが、しかしEX-4の名称が示すように未だ4機しかアメリカ空軍に納入されておらず、特にF-15EからF-15EXへの改良型として開発リスクが比較的低いものと考えられていましたが、その能力構築については当初予定よりも停滞しており、更に製造費用の高騰などからアメリカ空軍はF-15EX計画について議会からの追及を受けている。
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第96飛行開発実験航空団によれば、プラットフォームを再興の水準とできるようテストを進めており、今までに提示された課題はすべて克服している、ともしています。一方でF-15EXは既に製造費用でF-35戦闘機を上回っていており、開発当時のF-22戦闘機不足やF-35戦闘機の開発遅延とは背景が大きく転換していることから今後が注視されます。■
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インドネシア空軍が導入するラファール戦闘機24機の調達契約が完了しました、これは1月8日、フランスのダッソー社とインドネシア政府との間で6機の調達と続く三度に分けての18機調達、四度に分けて実施された調達契約の第四次契約が成立となり、これによりインドネシア空軍は順次ラファール戦闘機24機を受領してゆくこととなります。
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ダッソー社は今回のインドネシア空軍によるラファール戦闘機取得はインドネシアが東南アジア地域における地域大国として機能するうえで必要な防空能力を示す事ができる、としていますが、インドネシアは2022年9月に最初のラファール戦闘機6機の取得を決定して以来、実際に契約は履行されるのかについて大きな関心を集めていました。
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ラファール戦闘機は当初2022年2月に42機の取得契約を結んでいますが、インドネシアが過去に幾度も調達契約を結ぶものの実際に契約せず、これが競合機に対する有利な条件を示すためのブラフであることが多々あった為です。このため、ダッソー社は四度に分け契約を結び、先ず24機分の支払いを受けてから最初の6機を引き渡すこととしました。■
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スロバキア空軍はF-16block70戦闘機の受領を開始しました。スロバキア空軍は14機のF-16戦闘機を導入予定であり、1月10日にロッキードマーティン社が発表したところによれば、スロバキア空軍は受領したF-16戦闘機の慣熟訓練を行ったのちに2024年半ばにもスロバキアへ回航、老朽化したソ連製MiG-29戦闘機を置き換える事となります。
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MiG-29戦闘機後継機の模索をスロバキア国防省が本格化したのは2018年、この時点ではスウェーデン製JAS-39戦闘機とF-16戦闘機が競合しており、スウェーデン政府はリース契約を提唱していました。戦闘機リースの提案そのものは2015年に受けていたものの2016年にリース契約の価格検討の上で撤回された過去があり、今回はその焼き直し。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/32/cc/81d7623254606d82dcc1d7fe5ab75f36.jpg)
F-16戦闘機はこの結果、14機18億6000万ドルの契約が妥当とされ、調達が決定します。一方、F-35戦闘機フルレート生産を進めるロッキードマーティン社には、F-16戦闘機の受注は残り135機、生産ライン閉鎖が近づいていますが、最近になりブルガリア政府がF-16戦闘機8機の追加契約を模索中で、生産ラインはもう少し伸びるのかもしれない。■
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ポーランド空軍は新たにFA-50軽戦闘機12機を受領しました。韓国のKAI韓国航空宇宙産業が開発したFA-50戦闘機はポーランド空軍が現在運用するF-16戦闘機の能力を補完し、且つ今後ポーランドが取得するF-35戦闘機までの戦力維持を行う上で重要な戦闘機としていて、またウクライナへ供与したMiG-29戦闘機の一部任務を代替します。
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FA-50軽戦闘機について、今回納入されたものはFA-50block10と呼ばれる新区分のもので、ポーランド政府はロシアウクライナ戦争開戦後の2022年9月に12機を関連機材と合わせ7億0500万ドルにて取得契約を結びました。ただ、FA-50block10について、ポーランド空軍では軽戦闘機ではなく高等練習機としての運用を想定しているとのことでした。
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FA-50block10と共にポーランド政府は2023年9月により新しいFA-50block20戦闘機を36機調達する方針で、これはFA-50PLといい、FA-50block10には付与されていないAMRAAM空対空ミサイル運用能力や新型のAESA方式レーダーファントムストライクを備えているといい、この契約は23億ドル規模、2025年から2028年に受領予定です。
北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ
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