■二つの装備,政治主導で導入
防災の日では例年ならば政府中央防災訓練が行われますが今年はCOVID-19コロナ禍下で小規模な訓練が各地で行われたのみ、しかし、災害脅威は現実です。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/71/ab/3e014b29f3a06c010f82988667612e8a.jpg)
台風9号が沖縄県を蹂躙中です、そして日本の南の会場には24時間以内に台風となる可能性が高い低気圧がある。こうした中で防災の日を迎えました、まもなく関東大震災から100年を迎えますが、いままでは大災害の際に居の一番に離陸し情報収集に展開した航空自衛隊の偵察機は今年三月に飛行隊解体され廃止、陸上自衛隊観測ヘリコプターもありません。
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九月一日は防災の日、1923年9月1日に関東大震災が発生、日本の中枢を激震が襲い明治維新とともに増加した煉瓦造中層建築物や新興木造家屋を中心に大被害、その後の大火災によりかつてない被害が発生、一部は社会不安へ発展する懸念があり、政府は戒厳令を布告しています。この教訓を忘れぬよう、防災の日、というものが設定されたものです。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/51/c9/ad9967b8e03c241af94aa3d360429efe.jpg)
グローバルホークとオスプレイ、本日は防災という視点から側聞した話題を中心に論題を構成してゆきましょう。グローバルホーク導入中止の打診、こうしたものが永田町界隈から漏れ伝わる様子が報道などの紙面や電波に伝播していますが、この二つの装備が真剣に検討された背景をたどってゆきますと、はじまりは3.11、あの東日本大震災に至ります。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/70/3f/09d380a6420d4410a3be05d3f7cd491d.jpg)
オスプレイについては水陸機動団の島嶼部防衛における緊急展開に際して、空中機動用に政治主導において導入された、という説明が基本的な理解として挙げられるのですが、実は自衛隊と政府には過去に幾度かオスプレイ導入計画があり、国としてオスプレイが必要であるものの、最終的にその受け皿となったのが陸上自衛隊、という構図もあるようです。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/34/cc/9f61f9d264751c986f43a1189522c052.jpg)
東日本大震災以前にもオスプレイが検討された事はありました、US-1A救難飛行艇の後継機として海上自衛隊は一時期検討していまして、これはUS-2の国内飛行艇建造技術の維持という視点、着水できるという利点からオスプレイ導入には至りませんでした。この他に航空自衛隊もUH-60J救難ヘリコプター後継候補の一つに情報収集は行っていました。
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政治家の公式発言として自衛隊のオスプレイ導入が記されたのは森本大臣時代、いずれ必要になると考えるが現段階では取得費用の高さから現実的ではない、という発言でした。そしてこの背景を探していますと、東日本大震災災害派遣続く2011年4月4日トモダチ作戦、この最中に宮城県沖の原子力空母ロナルドレーガン艦上で行われた会議が在りました。
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ロナルドレーガン艦上、日本からは北澤防衛大臣、折木統合幕僚長、杉本海上幕僚長、君塚東北方面総監兼統合任務部隊司令官がこの会議に出席し、アメリカからはルース駐日大使、ウォルシュ太平洋艦隊司令官、フィールド在日米軍司令官が出席しているのですが、日本側の代表は君塚総監以外全員が厚木航空基地よりC-2艦上輸送機にて移動しています。
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C-2艦上輸送機、日本側では米軍の空母艦載機での移動に難色を示し、海上自衛隊のSH-60や陸上自衛隊の要人輸送ヘリEC-225を検討したが、航続距離と速度の面からC-2輸送機となった、という話がありまして、この話は側聞したものですのでもう少し色々な方の話を聞きたいところなのですが、この後に民主党政権下、V-22の話題が出始めたのですね。
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MV-22、勿論優れた航空機であり、木更津に暫定配備されていますが、これならば6機あれば第1空挺団の完全武装一個中隊を即座に木更津から那覇駐屯地へ空中機動させる事が可能です。この為に、東日本大震災の際に閣僚が全般の安全を米軍にゆだねた事への反省、という事は的外れとも言得るのですが、MV-22を陸上自衛隊が切望した訳ではありません。
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CH-47輸送ヘリコプターを34機取得できる費用、V-22の17機取得には巨額の防衛費を要しており、もしV-22導入が無ければ、西部方面隊に第2ヘリコプター団を創設する事も可能であったし、もっと広範に航続距離の大きなUH-60JA多用途ヘリコプターを取得する事も出来、防衛調達の均衡に影響した、という反論も存在します。政治主導だったのですね。
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グローバルホーク。こちらも、現在の河野防衛大臣時代に入り、機体の旧式化が進むとしてイージスアショア導入計画と同じように計画半ばでの調達中止が一部報道に乗るようになりました。しかし、グローバルホークを必要としていたのは、やはり3.11、あの東日本大震災で、特に福島第一原子力発電所事故に首相官邸が情報不足となっていた時点でした。
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自衛隊にはRF-4戦術偵察機や方面航空隊のUH-1に映像伝送装置が搭載されたものが2機程度確保されていましたが、RF-4は光学フィルム方式であり百里基地での現像装置での現像を経て入間基地までC-1輸送機かT-4練習機、首相官邸までヘリコプターで空輸しており、リアルタイムとはとても言えないものでしたし、UH-1は災害派遣で空きがありません。
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福島第一原発ではリアルタイムの情報が得られず、特に炉心が極めて深刻な状況に陥っていた12日から13日にかけては前線基地であったオフサイトセンターとも通信が途切れがちとなり、首相官邸では前線基地と原発作業員が急性被曝により全滅したのではないのか、という危惧は常にあったといい、リアルタイムでの原発画像情報を必要としていました。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/54/fe/8d585cdf9b6ab20291f6b1e8e21df750.jpg)
高高度滞空型無人機、としまして防衛装備庁はグローバルホークではなく国産機、長大な主翼全幅を有しターボプロップエンジン二基により長時間にわたり高高度を滞空する、現在ロシアが開発中のシリウス無人偵察機のような機体を独自開発する構想が伝えられていましたが、東日本大震災以降、グローバルホーク導入、という方針へと一変するのですね。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/20/97/4dfe0a79537aa14f5de8eead7aee0e77.jpg)
グローバルホーク導入中止検討という報道、もちろん最新型を考えるのであれば2011年という9年前の震災に活躍した機体よりも、昨今ならばMQ-9リーパーの偵察専用型ガーディアン、という選択肢の方が新型といえます。ただ海上保安庁が検討しているという報道はありますが、自衛隊としてMQ-9をRQ-4グローバルホークに代える報道がありません。
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本日は防災の日、もちろん大震災で冷温停止中の原発が損傷しても電力会社が重輸送ヘリコプターと高高度偵察機を運用し、市町村の消防に高圧ポンプ車とこれを輸送するドック型揚陸艦があれば、自衛隊の出番はないのですが現実的ではありません、すると国家が崩壊するか存続するかという事態に際して最後の砦に自衛隊、その装備に関心は尽きません。
北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ
(本ブログに掲載された本文及び写真は北大路機関の著作物であり、無断転載は厳に禁じる)
(本ブログ引用時は記事は出典明示・写真は北大路機関ロゴタイプ維持を求め、その他は無断転載と見做す)
(第二北大路機関: http://harunakurama.blog10.fc2.com/記事補完-投稿応答-時事備忘録をあわせてお読みください)
防災の日では例年ならば政府中央防災訓練が行われますが今年はCOVID-19コロナ禍下で小規模な訓練が各地で行われたのみ、しかし、災害脅威は現実です。
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台風9号が沖縄県を蹂躙中です、そして日本の南の会場には24時間以内に台風となる可能性が高い低気圧がある。こうした中で防災の日を迎えました、まもなく関東大震災から100年を迎えますが、いままでは大災害の際に居の一番に離陸し情報収集に展開した航空自衛隊の偵察機は今年三月に飛行隊解体され廃止、陸上自衛隊観測ヘリコプターもありません。
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九月一日は防災の日、1923年9月1日に関東大震災が発生、日本の中枢を激震が襲い明治維新とともに増加した煉瓦造中層建築物や新興木造家屋を中心に大被害、その後の大火災によりかつてない被害が発生、一部は社会不安へ発展する懸念があり、政府は戒厳令を布告しています。この教訓を忘れぬよう、防災の日、というものが設定されたものです。
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グローバルホークとオスプレイ、本日は防災という視点から側聞した話題を中心に論題を構成してゆきましょう。グローバルホーク導入中止の打診、こうしたものが永田町界隈から漏れ伝わる様子が報道などの紙面や電波に伝播していますが、この二つの装備が真剣に検討された背景をたどってゆきますと、はじまりは3.11、あの東日本大震災に至ります。
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オスプレイについては水陸機動団の島嶼部防衛における緊急展開に際して、空中機動用に政治主導において導入された、という説明が基本的な理解として挙げられるのですが、実は自衛隊と政府には過去に幾度かオスプレイ導入計画があり、国としてオスプレイが必要であるものの、最終的にその受け皿となったのが陸上自衛隊、という構図もあるようです。
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東日本大震災以前にもオスプレイが検討された事はありました、US-1A救難飛行艇の後継機として海上自衛隊は一時期検討していまして、これはUS-2の国内飛行艇建造技術の維持という視点、着水できるという利点からオスプレイ導入には至りませんでした。この他に航空自衛隊もUH-60J救難ヘリコプター後継候補の一つに情報収集は行っていました。
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政治家の公式発言として自衛隊のオスプレイ導入が記されたのは森本大臣時代、いずれ必要になると考えるが現段階では取得費用の高さから現実的ではない、という発言でした。そしてこの背景を探していますと、東日本大震災災害派遣続く2011年4月4日トモダチ作戦、この最中に宮城県沖の原子力空母ロナルドレーガン艦上で行われた会議が在りました。
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ロナルドレーガン艦上、日本からは北澤防衛大臣、折木統合幕僚長、杉本海上幕僚長、君塚東北方面総監兼統合任務部隊司令官がこの会議に出席し、アメリカからはルース駐日大使、ウォルシュ太平洋艦隊司令官、フィールド在日米軍司令官が出席しているのですが、日本側の代表は君塚総監以外全員が厚木航空基地よりC-2艦上輸送機にて移動しています。
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C-2艦上輸送機、日本側では米軍の空母艦載機での移動に難色を示し、海上自衛隊のSH-60や陸上自衛隊の要人輸送ヘリEC-225を検討したが、航続距離と速度の面からC-2輸送機となった、という話がありまして、この話は側聞したものですのでもう少し色々な方の話を聞きたいところなのですが、この後に民主党政権下、V-22の話題が出始めたのですね。
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MV-22、勿論優れた航空機であり、木更津に暫定配備されていますが、これならば6機あれば第1空挺団の完全武装一個中隊を即座に木更津から那覇駐屯地へ空中機動させる事が可能です。この為に、東日本大震災の際に閣僚が全般の安全を米軍にゆだねた事への反省、という事は的外れとも言得るのですが、MV-22を陸上自衛隊が切望した訳ではありません。
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CH-47輸送ヘリコプターを34機取得できる費用、V-22の17機取得には巨額の防衛費を要しており、もしV-22導入が無ければ、西部方面隊に第2ヘリコプター団を創設する事も可能であったし、もっと広範に航続距離の大きなUH-60JA多用途ヘリコプターを取得する事も出来、防衛調達の均衡に影響した、という反論も存在します。政治主導だったのですね。
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グローバルホーク。こちらも、現在の河野防衛大臣時代に入り、機体の旧式化が進むとしてイージスアショア導入計画と同じように計画半ばでの調達中止が一部報道に乗るようになりました。しかし、グローバルホークを必要としていたのは、やはり3.11、あの東日本大震災で、特に福島第一原子力発電所事故に首相官邸が情報不足となっていた時点でした。
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自衛隊にはRF-4戦術偵察機や方面航空隊のUH-1に映像伝送装置が搭載されたものが2機程度確保されていましたが、RF-4は光学フィルム方式であり百里基地での現像装置での現像を経て入間基地までC-1輸送機かT-4練習機、首相官邸までヘリコプターで空輸しており、リアルタイムとはとても言えないものでしたし、UH-1は災害派遣で空きがありません。
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福島第一原発ではリアルタイムの情報が得られず、特に炉心が極めて深刻な状況に陥っていた12日から13日にかけては前線基地であったオフサイトセンターとも通信が途切れがちとなり、首相官邸では前線基地と原発作業員が急性被曝により全滅したのではないのか、という危惧は常にあったといい、リアルタイムでの原発画像情報を必要としていました。
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高高度滞空型無人機、としまして防衛装備庁はグローバルホークではなく国産機、長大な主翼全幅を有しターボプロップエンジン二基により長時間にわたり高高度を滞空する、現在ロシアが開発中のシリウス無人偵察機のような機体を独自開発する構想が伝えられていましたが、東日本大震災以降、グローバルホーク導入、という方針へと一変するのですね。
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グローバルホーク導入中止検討という報道、もちろん最新型を考えるのであれば2011年という9年前の震災に活躍した機体よりも、昨今ならばMQ-9リーパーの偵察専用型ガーディアン、という選択肢の方が新型といえます。ただ海上保安庁が検討しているという報道はありますが、自衛隊としてMQ-9をRQ-4グローバルホークに代える報道がありません。
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本日は防災の日、もちろん大震災で冷温停止中の原発が損傷しても電力会社が重輸送ヘリコプターと高高度偵察機を運用し、市町村の消防に高圧ポンプ車とこれを輸送するドック型揚陸艦があれば、自衛隊の出番はないのですが現実的ではありません、すると国家が崩壊するか存続するかという事態に際して最後の砦に自衛隊、その装備に関心は尽きません。
北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ
(本ブログに掲載された本文及び写真は北大路機関の著作物であり、無断転載は厳に禁じる)
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正直、意外です
(安倍総理やトランプ大統領が無関係だとは予想外でした)