■名古屋から横須賀へ
横須賀サマーフェスタは、小生の同専攻の友人や昨年の富士総合火力演習以来お世話になっているWebサイト「とんぺいの機械博物館」のとんぺい部隊三名、昨年の今津駐屯地祭以来様々な催しでご一緒させていただいているC.ジョニー氏一行三名が横須賀基地にて合流するという壮大なものであった。
集合場所は名古屋からのジョニー氏一行が列島打通作戦という自動車にて展開するのに対して、小生は自走手段が限られている為、新幹線での展開を考えたが、どう頑張っても0930時、横須賀中央駅/汐入駅到達が限度であった為、やむなく、夜行バスを用いた。やむなく、と書いたのは、三列シートの夜行バスが全て満席であり、残っていたのが四列シート観光バスをそのまま夜行バスに転用した仕様のものしかなかったためである。寝台特急を予算の関係から除けば、唯一の手段であった。
四列シートバスは安価である。三列シートバスの50~60%程度の価格で乗車可能である。しかし、である、毛布サービスや独立式リクライニングシート、お手洗い設備がなく、頻繁にSAで停車する為、その度に目が覚めてしまう。隣に人がいると睡眠姿勢が限定され、疲労蓄積著しい。こうした理由から、やはり早めに参列バスを予約するのがよいだろう。
写真は京浜急行の電車。汐入駅0800時集合の予定が一時間以上早くついた為、電車撮影に勤しんだ。
■入場へ長い列:横須賀基地
海上自衛隊横須賀基地の正門前へは、とんぺい殿の機転で五人乗りタクシーを利用、歩兵を蹴散らす騎兵の勢いにて疾風迅雷の横須賀基地前展開を果たした。
正門開門前、正門付近の岸壁から横須賀地方隊所属の輸送艇2号が曳船に引かれ、外洋に出て行った。満載排水量520tの本艇は、横須賀地方隊唯一の両用戦艦艇で、船体前部から船首ランプを介して、車輌などを揚陸させる事が可能である。速力は12ノットとやや遅いが、災害派遣などには大きな威力を発揮する。艇越にみえる白いテント付近が入り口で、長い列が出来ているのが写真から見て取る事が出来よう。
写真は横須賀サマーフェスタ名物“カリブの海賊in YOKOSUKA”で普段は東京○ィズニーシーに係留、イージス艦一隻がそのまま幽霊屋敷に改造されており、観客の公表と悲鳴に・・・、というのは大嘘で、米海軍第七艦隊所属のイージス駆逐艦“カーティスウィルバー”。1994年に就役したアーレイバーク級の4番艦、満載排水量は8422㌧である。定期整備中の写真である。ステルス性を重視したモノポールも、このように櫓を組み立てることで、こうした外見となるのが面白い。
手荷物検査を終え、体験公開整理券をもらってから横須賀基地に入る。後方を見れば遠くウェルニー公園の方まで行列が続いている。体験航海の整理券の末尾に「海上自衛隊への入隊を希望しますか?」というようなアンケートがあったが、一応専攻の傍流に戦時国際法と防衛法を定め、例えば有事の際には田岡良一先生ほどではないが、応召あらばいつでも。とは思うものの、平和日本の自衛隊では法務官の定員の率も少なく、やや苦笑しながら無記入とした。
■横須賀基地の艨艟たち
横須賀基地は第一護衛隊群、横須賀地方隊という戦闘部隊に加え、装備開発の中枢となる開発隊群、戦略画定に重要な役割を有する海洋業務隊が司令部を置いている。
当日の艦艇を列挙すると、埠頭の右端からDD-110“たかなみ”、満載排水量6300㌧で汎用護衛艦としては最も新しい。国産の射撃管制装置FCS-2を搭載しており、限定的ながら同時多目標対処能力を有する。隣はASE-6102“あすか”、イージスシステムに匹敵するといわれる国産の射撃式装置FCS-3の試験を目的として1995年に就役、満載排水量は6200㌧。なお、“あすか”と聞いてエヴァを連想するか種デスを連想するかで世代が分かれるという。その隣はミサイル護衛艦“はたかぜ”、海上自衛隊第三世代のミサイル護衛艦で、満載排水量は5900㌧。推進装置にスペイ社製・オリンパス社製のものを用いる特殊な構造を有している。
上記写真“はたかぜ”の影となっていたのが地方隊の“しらゆき”で、“はつゆき”型の二番艦。対水上・対潜・対空ミサイルを搭載し、哨戒ヘリコプターを搭載、ガスタービン推進という今日の汎用護衛艦の基礎を築いた護衛艦で、満載排水量は4000㌧である。沖合いにみえるのは“むらさめ”、海上自衛隊の護衛艦としてステルス性能を重視する設計を採った最初の艦で、満載排水量は6200㌧。そして前述の“たかなみ”型二番艦である“おおなみ”。
オレンジの船体が美しいこの船は砕氷艦“しらせ”、主に南極観測に用いられる船で、満載排水量は19000㌧。連続砕氷能力1.5㍍、物資1000㌧を輸送可能であるが、1982年就役と老朽化が進んでおり、2009年には後継艦が就役する見通しだ。中央の艦は補給艦“ときわ”。海上自衛隊が保有する五隻の補給艦の一隻で満載排水量は12100㌧とやや小型である。左端は“いかづち”、“むらさめ”型の七番艦である。
サマーフェスタ終了後に撮影したものであるが1610時頃、横須賀基地へ第61護衛隊のイージス護衛艦“きりしま”が帰港しているのを偶然発見した。満載排水量は9500㌧で、先日の北朝鮮ミサイル発射実験の際に、ハワイ沖にて弾道ミサイル迎撃訓練を含む環太平洋合同演習に参加し、急遽帰国した事で知られている。横須賀市内でのオフ会の途上、小生が偶然発見した。防空能力と指揮通信能力を重視したミサイル護衛艦で、各種ミサイル98発を搭載可能である。
掃海母艦“うらが”。“うらが”型の一番艦で、満載排水量は6850㌧、掃海艇に対する各種補給や乗員の休養を引き受ける艦艇で、同時に後部に広大な飛行甲板を有しており、掃海ヘリコプターに対する支援も受け持っている。また、機雷敷設能力を有しており、艦尾に機雷敷設用のレールと投下口が並んだ配置となっている。ヘリ格納庫はないが、掃海器具を収容する大型の格納庫を有している。この他、潜水艦や掃海艇、多用途訓練支援艦などが横須賀には停泊していた。
■次回予告
体験航海の様子や訓練展示の様子、米海軍の在泊艦艇などは次回にお伝えしたい。
訓練展示に加え、災害派遣に用いる各種装備の展示や、通常の地方隊主催の展示訓練では中々見ることの出来ない展示も実施されており、その様子を次回お伝えしたい。
なお、北大路機関広報として駐屯地祭や航空祭などの情報を提示しているが、今月は諸般の事情で遅れており、もう少しお待ちいただきたい。
HARUNA
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SM-3でしたら射程は1000kmを超えるという事で、PAC-3の10~15kmとは大きく異なるので、海上配備型のSM-3実用化が何より重要ですね。
トラックバックは良く判らないのですが、ブログ同士似た記事を相互に交流させるシステムでして、バーのトラックバックをクリックしていただければそのブログに飛んでいく事が出来ると思います。ある意味、掲示板に貼るリンクのようなものと考えています。
> “あすか”と聞いてエヴァを連想するか種デスを連想するかで世代が分かれるという。
種デス見てたのに、言われるまでエヴァのアレしか思いつかなかった私は一体…?
(^。^;)
>種デス見てたのに、言われるまで
それはそれだけシンの影が薄かったということでしょう(笑)。
トラバどうもです。小生も近日「富士は燃えているか」として総火演の特集をUPしたいとおもいます。