先週は複合遺跡という、1000年どころか、10000年以上私たちの祖先・ホモサピエンスがほぼ同じ場所で営んできた遺跡に想いを馳せた。栃木県の寺野東遺跡、そして津軽ダム建設に伴う白神遺跡群である。そして、最近の自分のテーマでもある縄文中期から縄文後期にかけての大きな文化の変容についてもいろいろ考えさせられた。
話は変わるが、先日新宿文化センターに寄った時に、写真展がロビーで行われていたが、その中に街のいたるところでスマホに見入る人達を写した写真がとても気になった。確かに電車の中で見る風景は、スマホの復旧にともなって老若男女、スマホを見入る姿ばかりである。ふと20~30年前の風景が重なる。マンガを見る人、本を読む人、大人の雑誌を見る人、新聞を読む人、ウォーク〇ンに聞き入る人、いろいろだった。しかも、案内や案内放送もかつては日本語だけだったが、今は数ケ国語だったりだ。数十年で日本も随分変わってしまった。住んでいる人々が入れ替わるということもないが、この変化が客観的に考古的に残れば、何も知らない将来の考古学者はある文化が絶滅し、全く違う人が移入したと考えるかもしれない。
日本だけでなく、世界的にも気象の変動が原因か、文化が大きく変わる時期。4000年前とか3500年前とか。こうした時の前後の文化の変化はすさまじい。有名な火炎土器や中部高地土器など中期の土器が消え、もちろん文化的には継承している部分もあると思うが外見は全く変わってしまう。あれ、こんなになって、と。あの電車でよく見たマンガを見る青年たちは何処に、そんな感覚だ。
これをネガティブに考えることなく、感傷に浸ることなく、生き甲斐の心理学的に考えるとロジャースの19の命題の19番目が浮かんでくる。私たちは、時間と共に受け入れがたい現実に直面する。何故私が大嫌いな機械を弄らなければならないか。なぜ、嫌いな外国語の案内を聴かなければならないのか。・・・時間と共にやってくるさまざまな現実。それをありのままに感じることができ、自分の腑の中にうまく落ちながら消化していく。その結果、自分のこころを技術革新の時代に合わせて楽になる。あるいはグローバル時代にあわせて楽になる。
写真の土器は、注ぎ口がついている注口土器で縄文後期への大変革期に出てくる土器。写真は大きさがよく分からないが、かなり大きいので、10人分とかの土瓶蒸し料理ができたかもしれない? しかし、その使われ方は説明書きを拝見すると、意外なことにも使われていた。それはネタバレになるので現地で確認していただくとして・・・。注口土器が何故できたかは大きな謎であるが、確実に当時の厳しい時代を生きた人にとって神聖な意味あるものだった。利便性があるので、その後なん千年もつづき、今の時代にも生きている縄文文化だが、作り出したときの意味はどうだったのだろう。実に奥の深い話で好奇心がかき立てられる。縄文時代の土器や土偶は有名だが、注口土器は第二のブームをつくる何かが宿っているかもしれない。
ちょっと話しがそれたが、どんな時代でも厳しい現実をありのままに見つめ、その中から現実に適応していくホモサピエンスの逞しい姿がある。
私たちひとり一人も、同じような逞しさを発揮し有意義な一生を終えたいものである。
蛇足だが、あの注口土器のように真善美を意識するともっと良いかもしれない。
私は私? 3/10
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森 裕行 | |
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