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縄文小説家・森裕行のブログです。身近な縄文を楽しみ生き甲斐としています。「生き甲斐の心理学」の講師もしています!

小さきモノから広大な世界に向かう・・・ (10/10 五感と喜怒哀楽)

2021-06-07 | 第九章「愛」

沖縄の久高島に寄ったときに新鮮な体験をした。久高島は沖縄本島から船で簡単に渡れる島であり、聖地としても有名である。ただ、聖地なのにお寺も神社も全く無い不思議な所で、海岸の小石が神聖なものとして共同体で大切にされていた、聖なるものの本質は何なんだろうか。

小さく、身近で手に取れるようなもの。それは、普段は気にもとめないものかもしれない。しかし、ある時に絢爛豪華な神社仏閣や大聖堂より広大な世界に誘ってくれる。気落ちし自分が無限に小さくなっているときに、同じ目線にたってくれる小さきモノ。逆に、ふと希望や喜びを見いだしたときに、小さなモノは踊るように背中を軽く押して広大な世界に誘ってくれる。

青年期を過ぎて20歳半ばが近づいてから30歳代に掛けて、独り立ちをする時期。私の場合だったら配偶者を見つけ社会的にも独り立ちをするころだっただろうか。私と貴方の様々な関係が熟し、厳しい環境であっても自分を広げ他者に甘えたり甘えられたりする余裕が生まれる。そんな時に身近なところに聖なる小さなモノがやってくる。感情転移なのか摂取とか同一化なのか。恵みというか善意というか・・そういうものを感じだす。

例えば神仏との関係でいえば、祖父母が小さな仏壇で祈っていたり、母が小さな十字架を大切にしていたり・・・そんな幼い頃の体験が、自分自身の経験として立ち上がってくる。愛とか慈愛とかを理解するうえで実は大事な小さなモノたちだった。

そして自分の心の親密性は例えば小石や貝殻との距離感が変わってくるように、冷たい孤独な世界から温かい世界に広がってくる。

今から4300年前ころから日本列島は大きな変化が起こり、縄文後期が始まる。気候変動とか人によっては疫病とか・・何かをきっかけに、大きな変化が日本列島を覆ったようである。そして、文化や習俗が変わって行く。積石遺構とか敷石住居、土偶、今までになかったことも始まってくる。遠い距離を歩いて川から石を選び抜いて持ち込んだりするなど、村や共同体挙げての活動まであったようだ。

(北斗市 金生遺跡)

厳しい時代だからこそ親密性が重要になってくる。もちろん長い年月で残った小石だけではなく、様々な生活の用具も何か息づいている。

日本神話や昔話などに出てくる小さな神や主人公。後の時代の素朴な仏像を見ても、身近で素朴な神仏は大切なことを表している。キリスト教でも三位一体の神ということで実に身近な側面がある。手に届かないような神仏ではなく、身近でどんなときにも救いをもたらす。考えてみれば、幼いころに読んだ絵本でもかぐや姫や一寸法師の印象は強烈だ。

今日は神仏との親密性を中心に述べてきたが、私とあなたの関係は神仏だけではない。身近な家族や友人、共同体でも同じなのであろう。

6月になり都内も博物館がオープンされ縄文時代の遺物を見ることができるようになってきた。美術的価値のある土器なども素晴らしいが、中には土器を丁寧に修復した跡のある土器を見ることもある。モノ対する目配りの良さと大切にする姿勢は、親密性と関係し、さらに愛や慈愛とも関係するのだろう。消費文化の反対側にある小さきモノを大事にする文化。

10/10 五感と喜怒哀楽

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